2009年1月7日(水)掲載

◎氷上ワカサギ釣りにぎわう

 【七飯】七飯町の蓴菜(じゅんさい)沼では、毎年好評の氷上ワカサギ穴釣りが今冬も始まり、愛好者や家族連れで連日にぎわっている。6日も体長8㌢と良い形のものが順調に釣れ、子どもたちの歓声が響いていた。

 大沼漁協が2000年から営業。今冬は12月中旬に冷え込んだが、下旬にかけ気温が上がったため、例年通り年越しから本格的に営業している。6日現在、氷の厚さは約20㌢。同漁業が昨年夏、ワカサギのmノとなるプランクトンが発生しやすいように沼を整備したため、来場者は次から次に上がる銀鱗に大喜び。木古内町から訪れた斎藤佳美さん(27)は2時間で約40匹の釣果。「初めて来たが、こんなに釣れるとは思っていなかった。餌を付けるのは大変だが楽しい」と笑顔だった。

 営業時間は午前8時―午後4時。遊漁料は大人500円、子ども(小学生まで)250円。今冬から施設の維持管理費として一人100円が必要。餌付きの道具のレンタルは1セット500円。 (山崎純一)  



◎開港150周年 飛躍に期待

 函館市は今年、長崎と横浜とともに海外に門戸を開いて150周年の節目の年を迎えた。昨年は「開港150周年プレイヤー」と位置付けられ、「開港5都市oト(めん)フェスタ」をはじめとする各種イベントが展開された。今年は7月1日の開港記念日に市芸術ホールで記念式典、8月には「緑の島」で9日間にわたり、「食・音楽・スポーツ」をキーワードにしたメーン事業を開催する予定。記念の年を新たな飛躍を期す契機にしようと、市民の機運も高まっている。

 1859(安政6)年6月2日(新暦で7月1日)、函館(当時は箱館)は開港した。米・蘭・露・英・仏との修好通商を定めた「安政の5カ国条例」の発効による開港だ。以来、函館の歴史は開港による西洋文化の移入を抜きに語れない。異国情緒漂う教会群や寺院が立ち並ぶ元町地区にはわが国初のロシア領事館が置かれたほか、現在も残る旧イギリス領事館に代表される条例加盟各国の領事館が開設された。

 函館の持つ国際色や多様な文化が、年間500万人近い観光客を引き付ける大きな魅力にもなっている。

 開港150周年記念事業の基本理念に沿って実施する連携(冠)事業は、開催済みと今後予定するイベントを含めて52件が認定され、官民一体となった協力体制が確立されつつある。函館開港150周年記念事業実行委員会(会長・西尾正範市長)では、市民ボランティアによるワーキンググループがアイデアを持ち寄って活発な議論を重ねており、プランニングチームのリーダー沢口拓希さん(36)は「高い意識の人が多く、どういった事業になるか期待が大きい」と話す。

 具体的な内容は1月中に決まる見通し。スポンサー企業の協力をいかに得るかもポイントとなっている。

 昨年開かれた「開港5都市oトフェスタ」で、函館は文献などを頼りに、日本最古のラーメンとされる「南京そば」を復刻して出品した。訪れた市民に大好評で、すでに本州の百貨店から物産展への引き合いもあり、開港150周年の“PR大使”として活躍しそうだ。

 西尾市長は「これまでの歴史の重みを再認識する機会とともに、未来に向けた新たな出発点と位置付けたい」し、「国際色豊かな海のまち・函館を全国に発信できるよう、市民団体と一体になって市民、観光客がともに楽しめるイベントをつくり上げたい」と意欲を見せている。(浜田孝輔)



◎きょう七草がゆ

 きょう7日は「七草」。1年の無病息災を願い、春の七草を入れたかゆを朝に食べる風習があり、函館市内・近郊のスーパーでは6日、適量を詰め合わせた七草セットなどが店頭に並んだ。

 七草はセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。これらを刻んで入れたかゆを食べると、正月のごちそうで疲れた胃腸を休め、野菜が乏しい冬場に足りないビタミン類を補うといわれている。

 同市亀田本町のスーパー魚長八幡通り店(沢田真司店長)では5日から正面入り口付近に特設コーナーを設置。愛I寬Yの「春の七草セット」(1パック298円)とレトルトタイプのかゆ(250グラム138円)を150セット用意した。同市富岡町2の女性(75)は「1人暮らしなので健康に気を遣って毎年欠かさず食べている。消化が良いので正月に食べ過ぎたお腹にちょうどいい」と購入していた。

 沢田店長(33)は「七草が分からなくても求めやすいパック詰めだけを販売している。一時の健康ブームも落ち着き、食べない家庭もあるが、ぜひおかゆで胃腸を癒やしてもらたい」と話していた。(宮木佳奈美)


◎チアリーディングチーム「ブラック・シャイニーズ」12日、成人式に初出演

 道南唯一のチアリーディング団体「函館チアリーディングチーム BLACK SHINEYS(ブラック・シャイニーズ)」(貝崎あかり代表)が12日、函館市民会館で開かれる函館市の成人式に初めて出演する。本番を控え、団員20人は「函館を元気づけたい」と練習に励んでいる。道教大函館校や北大水産学部の学生が多く、メンバーは「チアの楽しさを一緒に味わいませんか」と団員も募集している。

 同チームは道教大函館校3年の貝崎代表(21)、吉田有希さん(20)、山口未菜美さん(21)が中心となり、2007年5月に立ち上げた。チーム名は函館の夜景を意味し、五稜郭公園の星型をモチーフにしたそろいのユニフォームも製作。週3日、同校などで練習を重ねている。

 チアリーディングはスポーツの応援などを目的とし、さまざまな組み体操を取り入れた一連の演技を団体で演じる競技。メンバーはほとんどが初心者で、学生時代や社会人チームの経験がある地元の主婦小林睦美さん(30)らの指導を受けてきた。基礎から学び、今では4人の肩に2人が乗り、その上に1人が乗る技「4―2―1(フォーツーワン)」や、空中に飛んだ1人が華麗な舞を披露する「トス」など、難易度の高いアクロバティックな動きも習得した。小林さんは「練習の進め方や動きなどかなり上達してきた」と話す。

 現在は成人式での演技を考案中。広報担当の吉田さんは「新成人に『頑張れ』というエールを送りたい」と意気込んでいる。
 メンバーの男女20人中11人は大学3年生で、就職活動期の来年度以降は参加できなくなる。メンバーの激減が憂慮される中、貝崎代表は「技が決まった時の楽しさや観客の歓声を受けるうれしさはたまらない。興味がある人はぜひ入ってほしい」と呼び掛けている。問い合わせは道教大函館校学務グループ℡0138・44・4221。(新目七恵)


◎土方の生涯 車内で上映…函館タクシーがDVD制作

 函館タクシー(函館市日乃出町、岩塚晃一社長)は、新選組の鬼の副長と知られ、函館で最期を遂げた土方歳三の生涯をまとめたDVD「土方歳三と箱館」を制作した。希望する利用客にはタクシーの車内で上映するサービスも開始。目的地まで車内で“歴史散歩”が楽しめ、函館の観光振興に一役買う狙いだ。

 岩塚社長が観光客に根強い人気があり、毎年開催される箱館五稜郭祭や函館野外劇にも登場する土方にあらためて着目。「新選組時代から箱館戦争まで、彼の生涯を通してまとめられた映像作品が少なかった」(岩塚社長)ことから企画した。

 制作には函館の観光振興を支援する公立はこだて未来大の鈴木克也教授と学生、OBが協力。地元の研究家やゆかりの人物へのインタビューなどで土方の魅力を分かりやすく紹介している。取材や編集作業に約半年を費やして完成にこぎ着けた。

 作品は土方の生い立ちから新選組時代、箱館戦争などをまとめた第1部(約20分)と、道南各地の研究家11人のインタビューなどの第2部(約40分)で構成。DVDの最後には土方の出身地、東京都日野市在住の親族からのコメントも添えられている。

 制作に当たった同大3年の久末諭さん(21)は「道南各地に出向いて貴重な経験ができた。観光客にはあまり知られていない土方の隠れた一面も知ってもらいたい」と話し、岩塚社長も「義に生き、義に殉じた土方の生きざまを通じて函館の観光振興につなげたい」と意気込む。

 同社はポータブルDVDプレーヤー5台を導入。車内で視聴するには事前の予約が必要で、タクシー乗務員には「はこだて検定」の合格者を配置する。今後は観光バスや函館空港と市街地を結ぶシャトルバスなどでも上映する予定。問い合わせは同社TEL0138・51・0168。(森健太郎)


◎辻さんがたる詰めしたウイスキー評判…バー「ニューヨーク・ニューヨーク」

 函館市杉並町のバー「ニューヨーク・ニューヨーク」の店主、辻義晴さん(59)が1998年にニッカウヰスキー余市蒸留所(後志管内余市町)でたる詰めした「マイウイスキー」が、10年ぶりに手元に届いた。常連客と出来上がったウイスキーを飲む約束をしていた辻さんは「待ちわびたものが届いたので、ぜひ当時のお客さんに味わってほしい」と話している。

 辻さんは92年にウイスキーをメーンにそろえたバーを開店。蒸留所を見学するためにスコットランドまで足を運ぶほどウイスキーにほれ込んでいる。日本の蒸留所にも関心を持ち、ニッカウヰスキー(東京)が一般向けに毎年実施している体験会「余市マイウイスキーづくり」に参加した。

 この体験会は辻さんが参加した98年から始まり、10年熟成させるため、このほど初めて参加者の元にウイスキーが届いた。

 大麦を原料とするシングルモルトウイスキーで、アルコール度数は62%。ラベルには辻さんがたる詰めした日の「98年6月23日」と明記されている。辻さんの元に届いたのは昨年12月7日。常連客にはすでに味わってもらい、「バランスが良くて飲みやすい」と評判は上々。「10年前に『楽しみだ』と話してくれた当時の常連客にも味見してもらいたい」と来店を呼び掛けている。

 ワンショット1500円。午後8時―午前1時。月曜定休。(山田孝人)


◎飛躍と発展 期す1年に…函館市年賀会

 新年恒例の函館市年賀会(市、市議会、函館商工会議所主催)が6日、同市大森町16のホテル函館ロイヤルで開かれた。各界から約1100人が出席し、厳しい時代を乗り切り、飛躍と発展を期す1年とすることを願った。

 西尾正範市長が「市と経済界、企業、団体、市民が力を合わせ、この困難な時代を切り開かなければならない」とあいさつ。函館は市民有志によるまちづくりで数々の困難を乗り越えてきた歴史を紹介し、「弱い人に手を差し伸べて寄り添い、連帯することで安心と元気を生みたい。函館の美風と歴史を大事に、新たなまちをつくるため、市役所が先頭に立ちたい」と述べた。

 続いて函館商工会議所の沼崎弥太郎副会頭が「北海道新幹線の来年度予算が本年度比9割増という明るい話題もある。国際水産・海洋都市構想と合わせて、函館の未来を築く」と述べ、祝杯を挙げた。ステージでは新春らしく獅子舞や琴の演奏、日本舞踊などが披露され、出席者は年始のあいさつを交わしながら和やかに懇談した。

 最後に市議会の阿部善一議長が「厳しい時代を市民が一丸となって打開し、市の発展や皆さまの繁栄を築きたい」と述べ、三本締めをした。(高柳 謙)