2009年2月1日(日)掲載

◎健康祈り豆小分け…大森稲荷神社で袋入れ

 函館市大森町の大森稲荷神社(小野孝良宮司)で31日、3日の節分祭でまく豆を小分けにして袋に入れる作業が行われた。敬神婦人会(岩田一江会長)の会員約15人が、豆を一つまみずつ袋に入れ、約3000袋分を仕上げた。

 毎年、節分の前の土曜日に作業を行う。今年は大豆6・5キロと旭豆約3・5キロの計10キロを使用。そのほか、チョコレートを透明のビニール袋に入れた。節分祭には、景品がもらえるくじも中に入れる。

 会員は作業を長年行っており、慣れた手つきで進め、約1時間半で終了した。岩田会長は「節分の豆まきは厄払いであり、訪れた人がけがのない、健康で穏やかな暮らしができるように祈りながら奉仕させていただきました」と話していた。同神社の節分祭は3日午後3時から開かれる。(山崎純一)



◎ひな人形商戦本格化

 3月3日の「桃の節句」を前に、函館市内ではひな人形商戦が本格化している。デパートの特設売り場や人形専門店では、台座に人形などを収めることができる「収納飾り」や組み立て式の「三段飾り」、ひな壇の左右に飾る「つるしびな」など多彩な商品が並んでいる。

 棒二森屋本館(同市若松町17)は正月商戦明けの8日から売り場を設けた。華やかな衣装の男びなと女びな、三人官女、御所車などからなる三段飾りが売れ筋。黒や茶など落ち着いた色の木箱に人形一式を収納できる収納飾りなども好調という。いずれも近年主流の小型の商品が人気で、価格は10万円前後が中心。売り場担当者の野倉大介さん(29)は「持ち運びや置き場所、保管を考慮して買い求めるお客さんが多い」と説明する。

 このほか、ちりめん素材の巾着やハト、座布団など愛らしい小さな飾りを15―20個つるした高さ約50センチの置き物「つるしびな」も販売。3万円前後の商品が多く、野倉さんは「中にはインテリア用に買う人も」と話している。

 一方、12月下旬から販売を始めたテーオーデパート(同市梁川町)では、コンパクトなガラスケースに男びなと女びなのみが入った「親王飾り」などが人気。価格は7―8万円程度のものが良く売れるという。

 人形の京菊(同市桔梗2)も12月中旬から販売開始。三段型の収納飾りや親王飾りなど小型の商品を中心に、父母や祖父母が買い求める姿が目立つという。いずれも客足のピークは2月上旬になるとみている。(長内 健)


◎企業立地促進条例を制定…函館市

 函館市は、工業振興促進条例を昨年末で廃止し、新たに企業立地の促進に関する条例を制定した。従来の助成の期間や要件などを見直すことで、事業者が利用しやすい条例となった。市は相乗効果として、雇用の確保や市内の工業団地への企業誘致を図るとともに、地域経済の活性化を見込む。

 1984年3月に施行された旧条例では延べ112社の申請を認定し、約22億円の助成金を交付済み。助成期間は立地企業の設備投資額が確定した後に、固定資産税の手続き、課税額の算出、納税の確認を経て助成金を3年で交付してきたため、企業側から早めに助成を受けて設備投資額を回収したいとの要望が多かった。

 また、市内に3カ所ある工業団地では、分譲が思うように進んでいない課題を抱えていた。88年11月に鈴蘭丘、東山町に完成した函館臨空工業団地は分譲面積27・3ヘクタールに対して分譲済みは11社、21・3ヘクタール、97年11月に桔梗町に開設した函館テクノパークは分譲面積2・5ヘクタールに対して分譲済みは7社、1・2ヘクタールにとどまっている。函館港港町ふ頭港湾関連用地(分譲面積7ヘクタール)に関しては2005年12月の分譲開始以来、企業進出の申し出がない状況が続いている。

 新条例では、助成金の交付が操業を開始してから直近の決算書を市が確認した時点となるため、1年以内に短縮。助成学決定の基準はこれまでの固定資産評価額(土地を含まない)から投資額(同)に変更し、3つの工業団地の場合は土地を含むという優遇措置が取られている。助成率は投資額と正規雇用の人数によって異なり、投資額の2・5%から最大で25%、限度額は2億円。

 市内全域で初めて事業所を開設し、5人以上を正規雇用するソフトウエアやコールセンターなどのIT事業者に対する要件が追加され、雇用増一人当たりの助成額は100人以下が30万円、101―200人が20万円で限度額は5000万円。オフィスの賃借料についても賃借料の50%、限度額500万円という項目を盛り込んだ。

 市工業振興課は「地場企業の生産性向上と企業誘致を推進するため、事業者に助成金交付開始のスピードアップと制度の分かりやすさを考慮した。地元での就職を望む学生などの就業機会拡大にもつながれば」と話している。(浜田孝輔)


◎「ふっくりんこ」でシュークリーム…大妻高

 函館大妻高校(外山茂樹校長、生徒475人)食物健康科の1年生37人が31日、函館市柳町の同校で道南産米「ふっくりんこ」の米粉を使った創作シュークリーム作りに挑戦した。和風カスタードクリームやクリームチーズ入りなど趣向を凝らした10種類余りが完成。今後、JA新はこだてが協力して函館や北斗の菓子店での商品化を目指す。

 同校は食育の一環として生徒がふっくりんこの田植えや収穫、脱穀作業を体験。昨年12月、生産者に感謝の気持ちを表そうと関係者を招いた創作料理発表会を初めて行った。出品料理の中でも小麦粉の代わりに米粉を使ったシュークリームは好評で、同JAの田山光幸米穀課長が同校に商品化の計画を持ち掛けた。

 17日には全員で基本の作り方を学び、この日はその後グループ別に考えたオリジナルレシピの試作会となった。  生徒は8班に分かれ、作業を分担しながら楽しげに調理していた。約2時間後、イチゴムースやチョコアイスを挟んだものなど工夫を凝らした試作品が出来上がった。

 ゴマやきなこ味のカスタードクリーム入りを作った斉藤美緒さん(16)は「米粉なので和風にした。サクサクした皮とよく合う」とし、抹茶生クリームと粒あんなどを入れた佐藤美佳さん(16)は「初めてで予想より膨らまなかった。今度はしっかり作りたい」と話していた。

 完成後、試食した田山課長は「米粉を100%使い、地元の女子高生がアイデアを出した点が大事。調理を学ぶ学生としてもレシピが採用されれば自信につながる」と説明。商品化に向けて関係者と交渉を続ける考えだ。(新目七恵)


◎学生、企業も“就活”熱心…合同説明会

 公立はこだて未来大と道教大函館校、北大水産学部主催の合同企業セミナーが31日、函館市大手町の函館国際ホテルで開かれた。来春卒業予定の大学生と大学院生約200人が参加し、今後の就職活動に役立つ情報を収集した。

 同セミナーは学生の就職活動が本格化するこの時期に毎年実施しており、今回で5回目。参加企業は50社で、業種は民間企業を中心にIT(情報技術)系や流通、小売業など多種多様。

 学生は各企業のブースを回り、メモを取りながら採用担当者の説明を熱心に聞いていた。企業側もパソコンを使って会社概要や仕事の魅力などをPR。トヨタカローラ函館の青山司主任(30)は「何事にも意欲的な学生を採用したい」と話していた。

 公立はこだて未来大システム情報科学部3年の永井雄太さん(22)は「志望業種は決まっていないが、この機会にさまざまな企業の情報を得たい」と意気込み、道教大函館校人間地域科学課程3年の岡田依知奈さん(21)は「就職活動のアドバイスも受け、勉強になった」と話していた。

 同大進路開発講座の岩船寛さん(67)は「内定取り消しや派遣社員の大量解雇など厳しい雇用環境だが、就職説明会には積極的に参加し、情報収集してほしい」と話していた。(長内 健)


◎八雲在住の女優・阿知波さん講演

 函館演劇鑑賞会(青木路夫代表幹事)の第33回総会が31日、函館市末広町の市地域交流まちづくりセンターで開かれた。4月に例会上演を予定している舞台「佐賀のがばいばあちゃん」に主演する八雲町在住の女優阿知波悟美さん(49)が記念講演し、「佐賀弁の温かさも楽しんで」などと作品の魅力を語った。

 阿知波さんは今金町出身。桧山北高卒業後に上京し、専門学校を経て劇団NLTに入団。舞台のほか、ドラマや映画など幅広い分野で活動している。

 黒のスーツ姿で会場に現れた阿知波さんに、参加者から「待ってました!」の声が掛かった。阿知波さんは函館について「子どもの時のあこがれの街で日舞を習いに通ったり、デパートに行くのがうれしかった。今でも大好きな場所」と話し、役者を志したきっかけや入団するまでの経緯を振り返った。

 原作本が話題になった「佐賀のがばいばあちゃん」の舞台化に関して「文庫本は面白かったが脚本化は難しいと感じた。主役にも不安があった」と明かし、「演技のモデルは祖母と劇団の代表だった故賀原夏子。大笑いするうちに後からじわじわ温かくなる芝居にしたかった」と舞台への熱い思いを語った。身振り手振りを交えたユーモラスな語り口に会場からは何度も笑いや拍手が沸き、和気あいあいとした雰囲気に包まれた。

 上演に関する問い合わせは同会TEL0138・51・7376。(新目七恵)