2009年2月12日(木)掲載

◎キタコブシ膨らむ

 函館山では、キタコブシが花の冬芽をふくらませている。銀色に輝く姿は、例年よりも1週間ほど早く、今年の暖冬傾向を現しているようだ。

 キタコブシはモクレン科。北海道と本州中部以北の日本海側で見られる。普通のコブシより花や葉が大きい。

 函館山では4月中旬ごろ、直径約10センチもある白い大きな花が咲くが、11日の函館の最高気温は3月中旬並みの3・9度など、2月に入ってからは同様の暖かさが続いており、山の早春の到来は早まりそうだ。(山崎純一)



◎新外環状 来月にも着工…平成20年代完成目指す

 函館IC(函館市桔梗町)から函館空港IC(仮称)=同上湯川町=までの約10キロを結ぶ高規格道路「函館新外環状道路(空港道路)」の常盤川橋(仮称)の架橋基礎工事が3月中にもスタートする。同環状道路の本格的な工事は今回が初めてで、函館開発建設部では平成20年代中(2017年まで)の全線開通を目指したいとしている。

 同環状道路は函館新道から函館空港方面へのアクセス機能の強化などを目的に計画が進められ、2006年11月の都市計画変更手続きにより整備が決定。以後、測量などを中心にした着工準備が進められてきたが、本年度の2次補正予算のゼロ国債分に同環状道路の地域連携推進事業費が盛り込まれたことから、架橋基礎工事に取り掛かることとなった。

 常盤川橋は同環状道路と函館江差自動車道を直結するために、函館IC付近の常盤川をまたいで建設される全長約31㍍の橋で、10年度中の完成を目指す。函館開建では現在、函館IC方向から最初のICとなる赤川IC(仮称)までの地域住民を対象とした説明会なども行っており、同橋の工事と合わせて用地買収もスムーズに進めていきたいとしている。

 同環状道路は当初、道新幹線の新函館―新青森間が開業を予定している平成17(2015)年までの完成を目指す動きもあったが、函館開建では「現時点では新幹線の開業に間に合わせるのは難しい状態。しかし、流通や観光の活性化など様々な観点から地元にとって重要な位置付けをされている幹線なので、平成20年代中を目標に、一日も早い全線開通に向けて努力していきたい」と話している。 (小川俊之)


◎子どもの学力向上 親も考えよう!…市教委が家庭向けリーフレット発行

 函館市教育委員会と市学力向上プロジェクト推進委員会はこのほど、保護者向けのリーフレット「考えてみませんか?子どもの学力!!」を発行した。市教委が実施する標準学力検査や、文部科学省が行った全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果などを踏まえ、家庭生活や学習、読書の習慣が学力に影響を与えると考え企画し、各小中学校を通じて保護者に配布した。

 市教委教育指導課によると、同市の子どもの学力は全国平均と比較してやや低い傾向にあることから、各学校ごとに学力向上の取り組みを進めている。一方で、家庭における生活習慣はこの基礎にあるとし、保護者と共に子どもの学力について考えるきっかけにしようと作成した。

 3つのテーマに沿い、データを示しながら各取り組みの必要性を示した。「早寝・早起き・朝ごはん」では、生活リズムは学力向上の第一歩と位置付け、朝食や睡眠をしっかりとること、テレビや携帯電話、パソコンなどの使用にルール作りをすることを勧めている。

 「家での勉強は学年×10分以上」では、学習習慣の定着が学力向上につながるとして、毎日決まった時間に集中して勉強することや、学習道具を整理整頓することをポイントとして挙げた。また、「読書は生きる力を育(はぐく)むビタミン剤」では、読書で感性が磨かれたり表現力や理解力、想像力が高まったりすることが学力向上につながるとした。

 これらができているかをチェックする項目を設け、学年別の家庭学習のヒントを示して取り組みやすくした。同課は「まずは、子どもの生活や学習習慣についての認識を持ち、共に学力向上に向けて頑張りましょう」と呼び掛けている。

 A3判で、両面カラー印刷。2万3000部を発行。リーフレットの内容は市教委のホームページでも公開中。アドレスはhttp://www.city.hakodate.hokkaido.jp/board_of_edu/(小泉まや)


◎模擬手術体験したよ…函病キッズセミナー

 中学生に医師の仕事を模擬体験してもらう「外科手術体験キッズセミナー」が11日、函館市港町の市立函館病院(吉川修身院長)で開かれた。同院がこのセミナーを開くのは初めて。市内の中学生28人が参加し、実際の医療機器を使用した検査や模擬手術などを通じて、医療の現場について学んだ。

 一般の人には分かりにくい外科医療について理解を深め、医師の仕事に興味を持ってもらおうと企画した。

 参加者は始めに、外科医師の仕事や生活、医療機材の説明などの講座を受講し、続いて6班に分かれ、色を付けた寒天の中に入った野菜や果物をエコー(超音波検査)の画像を見て当てたり、自動体外式除細動器(AED)を使った救急蘇生(そせい)や縫合糸(ほうごうし)の結び方、実際の手術テーブルに寝かせたマネキン人形の腹部に鶏肉を置き、超音波メスを用いた模擬手術など6項目を体験した。

 参加した函館ラサール中2年の安田桐那君(14)は「エコー画像を読み取ることが難しかった。将来は医師を目指したい」とにっこり。同院の木村純副院長(54)は「救急蘇生などは実際の生活の中で役に立つ。また、医者はこういう仕事をしているというイメージをつかんでほしい」と話していた。(山田孝人)


◎海鳥知れば地球環境が見える…22日に公開シンポジウム

 海鳥に関する研究成果を、国内外のスペシャリストが発表する公開シンポジウム「海鳥の目から海洋を見る」(日本海鳥グループ主催)が22日午前11時から、函館国際ホテル(大手町5)で開かれる。同日から25日までの間、同ホテルで開催される「第36回太平洋海鳥グループ年次大会 in 函館」の関連事業で、同大会実行委の伊藤元裕さん(北大大学院2年)は「身近な存在である海鳥について興味を広げられる機会なので、学生から一般まで幅広く参加してほしい」と呼び掛けている。入場無料。

 海鳥研究家の国際組織である太平洋海鳥グループの年次大会がアジア圏で行われるのは今回が初めて。世界各国から約170人の研究者が出席を予定しており、日本海鳥グループの代表で北大水産科学院の綿貫豊准教授らが準備を進めている。

 公開シンポジウムは、一般の人たちにも海鳥への理解を深めてもらおうと企画したもので、国内外の4人の研究者が講演を行い、英語の発表には同時通訳が付けられる。また、同日午後6時から同ホテルで行われるレセプションにも自由に参加できる(入場無料)

 綿貫准教授の下で海鳥の研究をしている伊藤さんは「海鳥について学ぶことは、環境問題や生態系などを含めた地球全体を知ることにもつながる。決して難解な内容ではないので、興味のある人はぜひ足を運んでほしい」と話している。同シンポジウムについての問い合わせは伊藤さんTEL090・2765・9793まで。(小川俊之)