2009年2月18日(水)掲載

◎「キャンパスベンチャーグランプリ北海道」で道南から初の入賞

 道内の大学や高専などに在籍する学生を対象にしたビジネスプランコンテスト「第4回キャンパスベンチャーグランプリ北海道」(実行委主催)で、道教大函館校3年の広瀬圭太さん(21)らのグループが「奨励賞」、公立はこだて未来大4年の高橋雄太さん(22)らのグループが「佳作」に選ばれた。道南からの入賞は今回が初めて。

 このコンテストは、新製品の開発や販売、新しいビジネスモデルの提案を募る。広瀬さん、高橋さんらは昨年9月に市が企画した学生対象の起業化支援事業「函館起業塾」に参加。受講者16人が4つのグループに分かれて、新規性のあるアイデアを基にビジネスプランを作成し、同コンテストには任意でエントリーした。全道から38件の応募があり、最優秀賞、優秀賞、奨励賞、努力賞、佳作に合わせて18件が選ばれた。

 広瀬さんらのグループは「“AC(アグリカルチャー)”の定着」がテーマ。学生農業派遣事業として農家に労働力を提供し、学生には即金、食事付き、自然との触れ合いといったメリットを見い出す。事業を通じて農家の後継者不足解消や生産性向上だけでなく、就職難の学生に就業機会を与えたいという現在の経済情勢も反映したプランが評価された。

 高橋さんらのテーマは「ガゴメ・コーポ」。函館特産のガゴメ(トロロコンブの仲間)を製造・販売する企業とタイアップし、消費者からの注文を一括して受け付けるという内容。低額で済む初期投資が特徴で、オンラインショッピングにとどまらず、全国各地で開かれる物産展への売り込み、ガゴメの情報発信も見込んでいる。

 広瀬さんは「最優秀賞を狙っていたので結果に満足はしていない」、高橋さんは「時間が少ない中で上々の出来」とし、2人は「できれば来年もぜひ出場したい」と意気込みを語っている。(浜田孝輔)



◎支庁再編 知事の態度変化に驚きと戸惑い

 【札幌】16日に行われた地方4団体トップとの会談で道町村会が要請した支庁再編条例の修正について、高橋はるみ知事が道議会の同意などを条件に修正に含みを持たせた発言をめぐり、道内部や再編に反対する自治体の間でさまざまな憶測を呼んでいる。(松浦 純)

 修正を求める寺島光一郎道町村会長(乙部町長)に対して高橋知事は「道議会の理解を得ていただく必要がある」と答えた。町村会関係者は「修正は絶対拒否するというのが知事のスタンス。わずかでも修正に含みを持たせた発言は意外だ」と驚きを隠さなかった。道幹部には「4月再編を前提に動いてきた。町村会の主張に歩み寄ることは想定外」との声もある。

 知事の発言には二通りの解釈がある。「道議会が決断すれば知事も従うという見方もできるが、いきなりボールを投げられた道議会はどう応じるのか。発言の真意を見極めたい」(江差町)。

 だが、昨年12月1日に町村会と会談した自民党道連は「知事の意向や議決を経た条例を変えようとすることは理解できない」として、修正を促す町村会と激しく対立した。継続協議の形でその場を収拾させたが、以降は一度も会談は実施されず事実上の決裂状態にある。「知事は道議会の雰囲気を踏まえて修正は困難と言いたかったのではないか」(道幹部)との見方もあり、発言をめぐる解釈は割れている。

 16日の会談で高橋知事は今後の再編スケジュールについても言及を避けた。だが、再編の前提となる公選法改正は、支庁問題の“円満解決”を促す自民党政調会長預かりのまま。「政局の混乱もあり衆院選が終わるまでは棚上げだ」(関係者)。法改正が遅れ、施行期日が定められない再編条例は4月施行が不可能な状態だ。寺島会長は「振興局を『支庁出張所』とする条例を修正すれば公選法改正の必要はなくなる。修正こそが最善の解決策だ。よりよい案があれば知事自身が提案してほしい」として、高橋知事の政治決断を強く促している。

 



◎不景気 ぶっ飛ばせ! 大門横丁で20日にバル開催

 函館市松風町7の屋台村「大門横丁」で20日、各店自慢の1品・1杯を500円で楽しめる「大門横丁あったかバル」が開かれる。同日から28日までは「テイガク給付金スタンプラリー」と題し、6軒を“はしご”した来店客に食事券がプレゼントされるキャンペーンも企画されている。

 同横丁を運営するはこだてティーエムオーと、テナント26店でつくる大門ハイカラクラブの主催。今回のバルは「暗い景気をぶっ飛ばせ!」をテーマに、当初の年間予定になかった「緊急不況対策」(主催担当者)。各店で温かいおつまみ「ピンチョー」1品とドリンク1杯のセットがワンコインで味わえる。

 また、同日から28日までの期間中、横丁内の6店舗で飲食してスタンプを集めると、「定額」ならぬ「低額」給付金として、3月末まで各店で使える1000円分の食事券がもらえる。同ティーエムオーは「各店とも赤字覚悟で臨む国の対策に先駆けたイベント。ぜひ足を運んで明るく楽しんでもらいたい」とPRしている。

 バルは午後6時から同10時まで。問い合わせは同ティーエムオーTEL0138・24・0033。(森健太郎)


◎奥尻町長選告示 現職、新人一騎打ち、町議補選は明上氏が無投票当選

 【奥尻】任期満了に伴う奥尻町長選(22日投開票)が17日に告示された。午後5時の締め切りまでに現職の和田良司氏(62)=無所属=と、新人で前町議会議長の新村卓実氏(56)=同=が立候補を届け出た(届け出順)。2001年以来8年ぶりの町長選は現職と新人による一騎打ちとなった。同日は新村氏の出馬に伴う町議会議員補欠選挙(定数1)も告示され、新人で会社役員の明上雅孝氏(59)=同=以外に立候補の届け出がなく、無投票で初当選した。

 和田氏は同町出身。町立青苗中卒。1963年に町役場入り。水産課長などを経て01年4月、鴈原徹前町長の下で助役に就任。任期中の03年1月に退任。町内の社会福祉法人理事や老人ホーム施設長などを経て、05年の前回町長選で無投票当選。選挙戦では財政再建の実績を掲げて、行財政改革の継続を訴えている。

 新村氏は同町出身。千葉商科大卒。1983年に町議に初当選。町長選出馬に伴い辞職するまで7期務めた。町議会議長は通算4期。2007年8月に桧山支庁管内町村議会議長会副会長に就任した。新村氏は公共事業削減や住民サービスの低下を批判し、町政の刷新と民間主導による町内経済の活性化を掲げている。

 期日前投票は18日から21日まで町選管で受け付ける。投票は22日午前7時から午後6時までで、即日開票される。(松浦 純)


◎福祉灯油、申し込み前年度上回る

 函館市の、燃油価格高に対応した「緊急福祉灯油購入助成事業」の申し込みが好調だ。10日までに申請し、助成が決定した世帯数は、対象となる1万3000世帯のうち55・22%(7179世帯)となった。昨年度に助成した55・18%(7173世帯)を既に0・04ポイント上回った。助成が決定した世帯のうち、7割が2年連続であることから、市福祉部は「2年目とあり、事業の周知が徹底されたのではないか」とみている。

 同事業は市民税が非課税で、75歳以上の高齢者がいるなどの条件を満たす世帯を対象に、昨年度初めて実施したが、助成率の低さが市議会などで指摘されていた。2年目に当たり市は、1年目に行った封書での申請を継続したほか、新たに地域の民生委員や高齢者福祉施設などに声掛けを依頼して助成率向上に努めてきた。

 市は「民生委員や町会の協力のため申請数が増えた」とみており、まだ申請を済ませていない約45%の対象者に向けては民生委員を通して注意を促す文書を配布し、さらに助成率を高める考え。

 申請の受け付けは27日(郵送の場合は28日の消印有効)まで。問い合わせは市社会課TEL0138・21・3256。(小泉まや)