2009年2月19日(木)掲載

◎森さん最高位受賞…農水省主催「写真コンテスト」

 【福島】農林水産省が主催し、農漁村における男女共同参画の実現を掲げ、そこで働く住民の活気ある姿を紹介する全国規模の写真コンクールで、福島町三岳91の森征人さん(65)の作品が水産部門の最高位に当たる水産庁長官賞を受賞することが決まった。福島の春の風物詩である間引きコンブの乾燥作業に励む漁業夫婦の様子をとらえた写真で、森さんは「この写真が福島の特産品のPRに少しでも役立ってもらえればうれしい。浜で働く漁業者の笑顔から自分も元気をもらった」と受賞を喜んでいる。

 森さんが受賞したのは、各自治体などを通じて応募を呼び掛けた「農山漁村男女共同参画活動いきいきフォトコンクール」。作品のタイトルは「コンブのカーテン」で、昨年4月12日に町内の宮歌地区で撮影したという。

 雪解け後の福島町の海岸でよく目にする光景で、「北海道ならではの風景。仲むつまじく仕事をする夫婦の笑顔も素晴らしい」と高く評価された。

 森さんは約30年前から写真活動を楽しむ。「子どもや家族の笑顔が一番」と題材は人物が中心。地元写真サークルに所属する傍ら、読売新聞社と委託契約し、渡島西部地域の各種話題の記事を多数手掛けている。

 表彰式は20日に東京の同省で行われる。また、自治体表彰として福島町も表彰を受けることから、「古里の魅力を全国に発信する絶好の機会。福島を大切に思う森さんの日ごろからの写真活動が評価されたことは素晴らしい」と村田駿町長をはじめ関係者も一様に喜んでいる。(田中陽介)



◎函館市、夕張に1人派遣…道市長会から要請

 函館市は4月から、財政再建に取り組む夕張市へ職員1人を研修派遣する。夕張市が道市長会に支援を要請し、函館市も自治体同士の互助関係を重視した。函館市議会では職員の研修派遣の在り方が問われているが、市人事課は「夕張からの応援要請に応える形。他の自治体の行政に触れることで職員の資質向上につながる」と話している。

 夕張市は財政再建団体に転落後、退職者が相次ぎ、新年度からは財政再生計画を新たに策定しなければならない。このため、今月初めに職員3人、2年間の支援を道市長会に要請した。福祉部門、市営住宅などの建設部門、国民健康保険、税務などの担当者を希望している。伊達市と岩見沢市も1人ずつ派遣する予定。

 派遣は2010年度までの2年間だが、函館市はまず1年間の研修で職員1人を公募し、状況をみて2年間に延長するか新たに1人を1年間派遣するかを決める。公募は来週にも開始し、30代の一般職を考えている。給料や手当は函館市が負担する。

 市の研修派遣を巡っては、研修名目で業務支援に当たっている面があるとして、函館国際貿易センターに派遣していた2人の次長職を昨年12月末で引き上げた。市人事課は「北海道の中核市として応援の要請に応える。職員の能力を発揮し、学ぶことも大きいはず」と説明する。

 夕張市は現在、道や東京都、民間などから13人の人的支援を受けている。財政難で職員の採用ができない中、民間からの派遣2人は5―6月に任期満了となり、8人の支援を受けている道とも支援体制を協議中という。

 同市総務課は「道市長会から正式な連絡は受けていないが、他市も財政状況や職員体制が厳しい中にあって、協力をいただけることは感謝に堪えない。最低限の市民サービスを維持し、行政執行を続けたい」と話している。(高柳 謙)

 



◎冒頭提案は見送り…地域振興条例

 【札幌】道が年度内の制定を目指して、支庁廃止地域を対象とする財政支援策などを盛り込んだ「地域振興条例案(仮称)」をめぐり、高橋はるみ知事は18日の記者会見で「扱いを決めかねているのが現状」と述べ、24日の第1回定例道議会開会時点では条例案を提案せず、会期中の追加提案も視野に、提案時期を慎重に見極める考えを示した。また、同日発表した新年度予算案にも振興条例関連の予算は盛り込まない方針を明らかにした。

 振興条例は、桧山など道内4つの支庁廃止地域を「特定地域」に位置付け、職員削減などの影響を緩和するための措置を講じるとしている。具体的には、3―5年程度の期間で、年間数億円規模の財政支援を4地域に対して行うとしている。当初は4月に予定していた支庁再編条例の施行に合わせた成立・施行を目指していた。

 だが、道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)は「支庁再編条例は施行のメドが立っていない。支庁廃止地域への支援を定めた振興条例だけを先行的に施行させることは整合性がとれない」と批判。道議会の一部でも振興条例案の取り扱いには慎重論が浮上している。

 高橋知事は会見で「16日に(寺島)町村会長から振興条例の取り扱いを慎重にしてほしいという発言があったと聞いた。振興条例は全部待てということなのか、支庁再編とパラレル(平行)な部分だけなのか。町村会サイドに確認した上で道議会と方向性を見いだしたい」と述べ、追加提案も視野に対応する考えを示した。

 また、新年度予算についても「(振興条例に基づく)振興局地域向けのものは入れていない。年度途中での対応など、地元の思いや機を逸することなく対応する」と述べ、支庁再編条例と振興条例案との整合性を確保した上で、支援策の予算化を進める方針を明らかにした。(松浦 純)


◎新ミス・ツインクル 滝下、松浦さんに

 2009年度のJR北海道キャンペンガール「ミス・ツインクル」の函館地区選考会が18日、JR北海道函館支社(函館市若松町)で開かれ、ともに市内在住で、家業手伝いの滝下ひかりさん(19)と、北大水産学部4年の松浦美里さん(21)の2人が選ばれた。

 今回は全道4地区(本社・札幌、函館、旭川、釧路)で102人の応募があり、函館地区では8人の応募者から書類選考を経て5人が2次選考の面接に臨んだ。選考会後の任命式で、同支社の山内啓勢営業次長が「JR北海道の広告塔として応援してほしい」とあいさつし、2人に委嘱状と記念品を手渡した。

 続いて08年度のミスから「ミス・ツインクル」のたすきを引き継ぎ、「一生の思い出として一生懸命頑張りたい」と誓いの言葉を述べた。任期は4月1日から来年3月末までの1年間で、JR函館支社の各種イベントで活躍する。

 滝下さんは「JRに親しみを持ってもらい、いろいろなことにチャレンジしながら自分も成長できれば」、松浦さんは「常に笑顔でJRをPRし、人と街を元気にしたい」と抱負を語った。初仕事は4月下旬のSL函館大沼号の出発セレモニーの予定。(森健太郎)


◎忠実に再現「らっくる号」のミニカー…3月1日発売

 函館市交通局(若狭正男局長)は3月1日、2連接式の超低床電車「らっくる号」をデザインしたぜんまい式の金属製ミニカー(ダイカストカー)を発売する。オリジナルモデルと、数量限定4000個の函館開港150周年記念ラッピングモデルがあり、いずれも1個1050円。

 らっくる号は、同局にとって初の2連接式車両として2007年3月に運行を開始。昨年6月には、函館開港150周年記念事業をPRするため、同事業のシンボルマークやコンセプトの文字などを車体に装飾した。

 今回発売する商品の特徴は実際の車両を忠実に表すため、取り付ける車輪の数を8本とし、前後にバックミラーを備え、進行方向が分かるように後部にブレーキランプを点灯しているこだわりよう。行き先を告げる方向幕・サイド幕に張るシールも添えてある。サイズは実物の約100分の1。

 販売初日は、交通局駒場車庫(駒場町15)と市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で午前9時―午後5時半に、翌日以降は駒場車庫でのみ取り扱う。交通局運輸課は「函館のイメージアップと事業の周知に貢献できれば」と話している。問い合わせは、同課TEL0138・32・1731。(浜田孝輔)


◎三好さん、桔梗に新築移転…理容室をバリアフリーに

 函館市の理容師三好裕幸さん(38)経営の理容室「M’s generation(エムズ・ジェネレーション)」が、バリアフリー仕様の店舗に生まれ変わり、このほど同市桔梗2に移転オープンした。昨年介護員(ホームヘルパー)2級を取得し、障害者も利用しやすい理容室を目指す三好さんは「障害のあるお客さんが気兼ねなく来店し、自然体のままで気分転換できる空間にしたい」と話している。

 同店は本通で10年間営業。車いす利用者や、半身まひなどで体の不自由な客もいるため、介助の正しい知識を身に付けようと三好さんは資格を取得した。同店の客で、介護員養成校などを運営するマイエルフの吉田正樹社長から「環境を整えるだけでなく、介助技術を持つスタッフがいた方がバリアフリーになる」とアドバイスされたのもきっかけだ。

 三好さんは「介助への意識が変わり、自然なサポートができるようになった」と自信を見せる。新店舗は入り口にスロープを取り付け、段差を解消。車いすでも出入りしやすいように間口を広く取った。また店の前には売り上げの一部を精神障害者への支援に役立てる自動販売機を設置し、地域福祉にも貢献する。

 営業時間は午前9時―午後7時。予約優先で時間外も相談に応じる。月曜、第3日曜休み。問い合わせは同店TEL0138・83・8839。(宮木佳奈美)