2009年2月2日(月)掲載

◎幻想的な街を散策 点灯ウオークラリー

 函館市元町の元町公園や基坂のイルミネーション点灯に合わせ、ライトアップされた西部地区を観光ボランティアの案内で散策する「はこだてイルミネーション・点灯ウオークラリー」(実行委主催)が1日、行われた。市民手作りのキャンドルを並べる「はこだて『光の小径(こみち)』」もこの日から同公園と港が丘通りでスタートし、参加者100人が幻想的な雰囲気の中、夜のまち歩きを楽しんだ。

 2009はこだて冬フェスティバルの一環。冬の函館の魅力を再発見してもらおうと毎年開催。「光の小径」は期間や開催場所を拡大して今年から本格実施され、沿道に配置されたキャンドルのほのかな明かりがまちに彩を添えている。

 参加者は午後6時のイルミネーション点灯を合図に元町公園を出発。3つの観光ボランティア団体のガイドが先導し、八幡坂や二十間坂の由来、教会などの歴史を説明した。途中2カ所のチェックポイントでスタンプを押した参加者は、約1時間でゴール地点のカフェペルラ(元町)に到着。同店で宿泊券などが当たる抽選会に参加した。

 昨年神奈川県から転居してきた市内の主婦佐竹絹子さん(40)は「ライトアップされた町並みを見るのは初めてで、情緒あって歩くのが楽しかった」と話していた。(宮木佳奈美)



◎市立南茅部病院の無料通院バス、3月まで試行延長

 函館市は、昨年10月から試験的に導入した市立南茅部病院への「無料通院バス」の試験運行期間を3月まで延長する。1月までに運行した16日間で、延べ798人の利用があり需要があると判断した。まずは3月末までこれまで通りの毎週火曜日に運行することを決定。来年度も9月まで運行を続け1年間の利用状況を調査する予定で、データを元にその後の継続について判断する。

 同院受診者の9割が南茅部地区内の住民で、同地区内の65歳以上の割合が30%を超えていることなどから導入を検討している。同院の受診者であれば利用可能。南茅部支所に配置されている地域福祉バスを活用し、新たな予算付けをせずに行った。毎週火曜日、古部方面と岩戸方面の2方向に1往復ずつ運行する。

 当初の試行期間は昨年10―12月の3カ月間。この間の往復を合計した延べ利用者数は、同10月は198人、最多だった同11月は236人、同12月は176人。試行期間を延長した1月は188人で、利用者のほとんどは65歳以上の高齢者だった。

 4カ月間の方面別延べ利用者数は、古部方面は533人、岩戸方面は265人。1日の延べ利用者数の平均は、古部方面往復は29―40人、岩戸方面往復は15―20人だった。

 利用状況について同院の加我賢也事務長は「患者は主に金銭面の負担が軽減されたことに喜んでいる。通院する曜日をバスのある日に変更した人もいるほど」と話し、患者数維持のためにも今後の継続を希望する。ただ「病院全体の患者増につながっているかは疑問」という。

 同支所地域振興課は「まずは1年間の利用実態を見てから必要かどうかを判断するが、その時は病院の協力を得なければならないかもしれない」と話している。 (小泉まや)


◎道警函本08年の刑法犯発生状況、認知件数 大幅減少

 道警函館方面本部は昨年1年間の刑法犯発生状況をまとめた。管内の認知件数は前年比692件減の4864件。減少率は道内5方面本部で最大の12・5%減で、ピーク時の2004年と比べ3000件以上減少している。函館中央署管内は同516件減の3422件、函館西署管内は同211件減の769件でいずれも大幅に減少した。

 道内全体の発生件数は5万9741件で1139件減少している。函本生活安全課では03年から取り組む街頭犯罪抑止の活動や道が中心に進める「安全・安心どさんこ運動」を通じた地域と一体になった活動を展開。昨年はサミットの関連もあり、制服警察官による街頭での活動により職務質問による摘発が増えたほか、不審者、不審物に対する市民意識向上が発生抑止につながったと分析している。

 函本管内の大半を占める中央署管内では車上狙いが39件減の411件、侵入窃盗が57件減の374件、自転車盗が155件減の897件など。西署管内では車上狙いが42件減の78件、器物損壊が57件減の54件などと、いずれも生活に身近な犯罪が減少した。両署とも、自主防犯組織や青色回転灯装着車による防犯ボランティア活動、自転車運転者に対する交通ルールと防犯指導、電子メールによる安全情報発信などが成果に表れたとしている。

 中央署は「子どもに対する犯罪に住民は不安を覚える。引き続き発生件数を減らし、体感治安向上に努めたい」とし、西署は「路上駐車の取り締まり徹底が器物損壊減少につながる。車内にバッグを置かない、必ず施錠する習慣を呼び掛けたい」としている。(今井正一)


◎函館西高が中古眼鏡集めライオンズクラブの活動に協力

 函館西高校(対馬敏幸校長)の全生徒と教職員が、渡島、桧山など5支庁地区の60ライオンクラブ(LC)でつくる「ライオンズクラブ国際協会331―C地区」(小玉誠ガバナー)のボランティア活動に協力し、不要になった中古眼鏡約80個を集めた。眼鏡は今後、発展途上国の視力弱者らに送られる。生徒らは「少しでも役立てば」と話している。

 この活動は昨年9月から始まり、各LCでポスターやチラシ、回収箱を設置するなどの収集を続けてきた。各地区で集められた眼鏡は苫小牧の事務局にまとめられ、米国のリサイクルセンターを通じて必要な地域に送られる計画になっている。同校には昨年12月、函館ライオンズクラブ(竹内捷次会長)理事の本間麟太郎さん(70)が、同校の同窓会長を務める縁から協力を依頼。同校では生徒指導部の加賀屋伸教諭(45)を中心に担任を通じて各クラスに参加を呼び掛けるなど、全校単位収集活動に取り組んできた。

 集められた眼鏡は大小さまざまで、黒縁の年代物やサングラスなどもある。生徒が昔使っていたり、家族が不要になったものなどが中心で多くはケース付き。中には、1年生の保護者が職場で集めて学校に寄贈したケースもあったという。

 2年生で生徒会長の秋本幸希君(17)は「少しでも皆の為に役立つのはうれしい。自分も友達に協力を呼び掛けたり、兄のも含め数個を集めた」と話している。

 函館LCの市民社会公衆安全環境保全委員会の志賀松晋委員長(55)は「高校生がすばやく反応し、純粋な心を返してくれて驚いた」と喜んでいる。4日には同校で函館ライオンズクラブへの贈呈式を行う予定だ。(新目七恵)


◎高清水さん4月にフラダンス教室開校

 昨春、函館市役所を退職し、行政書士を開業した函館市内の高清水恵さん(46)が新たに4月から、ハワイのフラダンス教室「ハーラウ オラパクイカライ オホクアウラニ」函館校を開く。10年前から趣味で続けてきたフラダンスへの熱意が認められ、東京、名古屋に続く国内3校目を任されることになったもの。ホスピタリティー(もてなしの心)講座の講師も務める高清水さんは「アロハ(愛)の心でフラダンス、ホスピタリティーを広め、行政書士として暮らしや心の豊かさを求める人を応援したい」と張り切っている。

 高清水さんがフラダンスを始めたのは1998年。ハワイの自然に触れるツアーに参加した時、川下りの船上で見たフラダンスと美しい景色に感動したことがきっかけで、帰国後は仕事や育児の合間を縫って市内のフラダンス教室に通った。「年齢に関係なく初心者から経験者まで皆で一つになれる。姿勢が良くなり、自然と笑顔が出てくるようになった」とフラダンスの魅力を語る。

 昨年3月に市役所を退職し、本格的にフラダンスを勉強しようとハワイへ。オアフ島の東海岸にある小さな町・カネオヘでフラダンス教室を開くシェイ・ホクアウラニ・ニヒパリさんにたどり着き、同年7月から今年1月まで、毎月1週間ほどホクアウラニさんの下を訪れ指導を受けた。

 ホクアウラニさんは以前訪れたことがある函館に好印象を持っていたこともあって高清水さんを歓迎。フラダンス講師のほか、会社経営、妻、母と多彩な顔を持ち、「年齢的に教室で受け入れてもらえるだろうか」という不安を抱えた高清水さんを、「技術ではなくハートだよ」と励ましたという。高清水さんはホクアウラニさんの勧めで函館校の開校を決めた。

 「講師になれるとは思っていなかったが、ずっと好きでやってきたことだから夢のよう。ハワイで習ったことを地元の人たちに橋渡しするのが自分の役目」と高清水さん。今後は少なくとも年1回はホクアウラニさんが函館校を訪れることになっており、生徒が直接、指導を受ける機会も設ける。「技術だけでなく、歌の意味などその背景も伝え、函館に居ながらハワイをイメージしてもらえるよう工夫したい」と意欲を語る。

 教室は高清水さんの事務所(山の手2)のほか、市内各所で講座を設ける。2月から体験レッスンを実施する(1回500円)。申し込みは随時受け付ける。問い合わせは高清水さんTEL0138・85・6611。(宮木佳奈美)