2009年2月20日(金)掲載

◎函館市もプレミアム付き商品券発行へ

 函館市の西尾正範市長は19日、経済界と協力してプレミアム付き商品券を発行する考えを明らかにした。開港150周年に合わせ、市が10%、経済界が5%を負担する案があり、1000円で1150円分の買い物ができる。西尾市長は丸井今井の存続問題浮上から、多様な策で地域の商店街を守る考えを重ねて示した。

 同日行われた市議会公明党の要望に対して答えた。瀬尾保雄団長が「経済活性化を目指し、全国的に定額給付金と合わせて独自のプレミアム付き商品券を発行する動きがある。市も検討してほしい」と要請。西尾市長も「実施する方向で検討したい。“元気になろう商店街”などのキャッチフレーズをどう考えるか、協賛店の募集はどうするかなどを経済界と協議して決めたい」と答えた。

 市によると、今後、函館商工会議所と亀田商工会、東商工会、函館市商店街連盟の5者で検討を進め、プレミアムの比率、発行額、協賛店の目標などを協議する。西尾市長は「定額給付金と合わせ、4月ごろの発行を目指し、関連経費は新年度予算案に追加したい」と話している。函館商工会議所も「市から実施の意向は聞いている。詳細はこれから協議するが、協力して対応したい」と語る。

 プレミアム付き商品券は、地元商店街での購買促進を図る目的で、渡島管内では七飯町で発行を計画している。七飯町の場合、町商工会が地域限定で発行しているななえアップル商品券に町の予算で2割のプレミアムを付け、1万円で1万2000円分の買い物ができるようにする。1万円で5000セットを予定。市議会公明党によると、道内では札幌市や根室市、釧路管内標茶町、後志管内倶知安町をはじめ多くの自治体で計画が進んでいる。

 市議会公明党はこのほか、定額給付金と子育て応援特別手当の十分な周知と遺漏のない支給などを要請した。 (高柳 謙)



◎函館市公立保育園民営化・2011、12年度に3園

 函館市の公立保育園民営化の後期計画がこのほどまとまった。湯川と深堀の2園は統合したうえで2011年度に、赤川は12年度に、13年度以降は残る第二港と花園、湯浜の3園を順次民営化する内容。一方で旧4町村地域の3園(大澗とのばらの統合園、尾札部、臼尻)については、「後期計画の進ちょく状況を見据えて検討する」と触れるにとどめた。

 公立保育園の民営化は、2003年度に策定した「函館市アウトソーシング推進計画」に基づき、効率的な行政運営や保育ニーズの多様化などに対応しようと進めている。前期計画では同年度の桔梗保育園をはじめ、09年度までに6園を民営化する。

 後期計画では、園児が減少している湯川(2月1日現在の園児数は40人)と深堀(同44人)を統合。現在の2園の敷地が統合園にとっては狭くなるため、函館深堀中学校のグラウンドに隣接した市有地約1750平方メートルに新施設を設置する。現在の園からは深堀が320メートル、湯川は720メートルの距離。09年夏までには移管先を決定し、10年春には施設工事を始める。

 赤川(同85人)は3歳児未満保育や同地域でのニーズが高いことなどから、現在の施設周辺に移転設置し、単独で移管する。このほかの第二港、花園、湯浜の3園(同合わせて196人)については、13年度以降の行財政政策を踏まえて順次民営化する。6園すべての民営化で、57人の職員を削減できるという。

 市子ども未来室は、湯川と深堀、赤川に通う園児の保護者に対し、計画の説明会を18日までにそれぞれ2回実施した。妹尾正白室長は「基本的に賛成ではないが、市の財政状況から『やむを得ない』と受け止めていただいている」と話す。

 また計画に盛り込まれてはいないが、町会が設置者となっている銭亀沢地域の季節保育所(5施設)のうち、豊川、古川、志海苔の3施設が3月末で閉鎖し、石崎と銭亀の2カ所に統合される。 (小泉まや)



◎函館市と4ホテル、津波時に防災協定

 津波災害時に市民や観光客の安全を確保しようと、函館市とJR函館駅周辺の4ホテルが19日、防災に関する協定を結んだ。津波で浸水があった場合、ホテルが無償で宴会場やラウンジ、廊下などを避難場所として提供し、最大で3000人超を受け入れることができる。

 市役所を訪れ、協定を結んだのは函館国際ホテルの岡田要社長、ホテルグランティア函館駅前から田中哲也函館五稜郭マネージャー、ラビスタ函館ベイの高橋浩司総支配人、ロワジールホテル函館の金田幸二総支配人。

 協定書を交わし、4人と握手した西尾正範市長は「駅前周辺は海抜が低く地盤も弱い。災害時にどう行動するかが大事で、協力は非常に心強い」と謝辞を述べた。

 防災を担当する市総務部によると、1960年のチリ地震では函館湾に1メートル―1.5メートルの津波が押し寄せ、死者はなかったが約1500戸が浸水被害を受けた。道が2006年度にまとめた調査によると、函館では三陸沖北部で大地震が発生すれば、大手町付近で3メートルを超す津波が予想されている。

 市は07年度に、地域の小中学校を拠点とする避難所マップを作製。浸水が想定される一帯の中で、特に西部地区のウオーターフロント地域に避難所や中高層の公共施設がないため、民間のホテルに協力を要請し、快諾を得た。津波被害が想定される場所を記した「津波ハザードマップ」も本年度中に作製する。民間の協力を得て、ホテルなどを津波時の避難場所に指定している例は、道内では釧路市がある。

 協定を締結し、ラビスタ函館ベイの高橋総支配人は「市民や観光客の皆さんに何かあった時に目指す場所として、役割を果たしていきたい。災害がないことが何よりだが、いざという時は人命を第一とした取り組みで地域に貢献したい」と話していた。 (高柳 謙)


◎公立高推薦、連携型選抜の内定状況発表

  道教委は19日、2009年度の道内公立高校推薦選抜と中高一貫校の連携型入学者選抜の合格内定状況を発表した。渡島、桧山両管内では推薦選抜で計509人、連携型選抜で計64人の合格がそれぞれ内定した。

 道内の推薦入学の内定者数は前年度比84人減となる5377人、連携型は同19人増の366人。推薦選抜は139校が実施し、このうち全日制は総募集人員9663人に対して6309人が出願し、5267人の合格が内定した。連携型選抜は9校で実施し、367人が出願して366人の合格が内定した。

 道南では、出願者がいなかった南茅部、木古内、福島商業、森、瀬棚商業、桧山北を除く12校で推薦選抜、長万部普通科と商業科、上ノ国普通科の2校3学科で連携型選抜を実施した。七飯普通科、市立函館普通科、函館工業情報技術科、函館商業情報処理科は、それぞれ内定者数が推薦標準枠を超えた。(新目七恵)