2009年2月21日(土)掲載

◎極東大でロシア伝統行事「冬追い払え!」

 春を迎えるロシアの伝統行事「マースレニッツァ」が20日、函館市元町のロシア極東大函館校駐車場で行われた。冬を象徴するわら人形「モレーナ」を燃やし、冬を追い払った。

 同大で毎年行われる恒例行事。学生らが仮装し、モレーナを担いで冬を楽しむ「クマ」「ウシ」が、春を呼ぶ「太陽」に追い出される寸劇を披露。最後にモレーナに火を付け、モレーナと決別する歌「ビノグラード」を歌って冬に終わりを告げた。

 この日は学生24人、同校で語学研修を受けている社会人7人ら約40人が参加。校内では太陽を表す「ブリヌイ」(ロシア風クレープ)などのロシア料理を食べ、春の訪れに期待を寄せた。

 「マースレニッツァ」はもともと謝肉祭に当たる農民の祭り。ロシアではわら人形を担いで陽気に練り歩き、ブリヌイを食べて歌や演劇を楽しみ、わら人形を燃やして灰を畑にまくという。

 同校ではロシア文化を肌で感じ、市民にも知ってもらう狙いで実施。研修生の男性(42)は「にぎやかな行事で冬を追い出す独特の雰囲気が味わえてよかった」と話していた。(宮木佳奈美)



◎江差商工会もプレミアム商品券…6000万円分 3月発売へ

 【江差】江差商工会(飯田隆一会長)は、国の定額給付金支給に合わせた商業振興対策として、町内の小売店などで利用可能な「江差町プレミアム商品券」を3月に発売することを決めた。1000円券10枚セットを3割引きの7000円で販売し、発行総額は6000万円分に上る。町は国の第2次補正予算に盛り込まれた「地域活性化・生活対策臨時交付金」などを財源に2000万円程度を補助する方針。同商工会も発行額の一部を負担する。

 額面金額での発行総額は6000万円、販売総額は4200万円に上る。差額分の1800万円分が消費者に還元されるプレミアム分となる。購入金額は1世帯当たり10万円分を上限とし、3月中に商工会などを窓口に販売を始める。売り切れ次第、販売を終了する。3月初旬から町内の小売店などを対象に利用店舗の募集を開始。ギャンブルなど直接的な消費拡大にはつながりにくい分野は利用の対象外とする方針という。

 商品券の利用期間は9月末までを予定。利用期間終了後にも、購入番号による抽選で3000円分の商品券が1000本当たるなどのユニークな特典も設けることで販売額を伸ばし、定額給付金の消費と合わせて地元商店街を活性化させたい考えだ。

 商工会の野澤道敏事務局長は「発行額が大きく町内経済への波及効果が期待される。割引率も大きく町内での積極的な利用を期待したい」と話している。檜山管内では厚沢部町や乙部町の商工会もプレミアム商品券の販売を計画。両町でも同交付金などを財源とする補助を検討している。(松浦 純)



◎売却価格2億8100万…旧ドック跡地

 函館市は20日、旧函館ドック跡地(同市弁天町20)の土地価格を8億900万円、大型クレーン2基の解体撤去費用を5億2800万円とする算定価格を発表した。廃材価格を除いた函館どつくへの売却価格は、土地価格から解体撤去費用を差し引いた2億8100万円となる。

 土地価格は不動産鑑定によるもので、クレーンの解体撤去費用は地元を含む業者3社から出された見積額を参考に市が積算。クレーンについては、休止状態が長く続いたことで腐食が著しく、1993年の北海道南西沖地震の影響による倒壊・脱落の恐れがあることから、撤去するのが妥当との判断で業者3社が一致している。

 廃材価格は昨年9月に1トンあたり3万8000円と試算したが市況のピーク期で、その後は下落してきたため、大幅な下方修正を余儀なくされそうだ。また、敷地内に建つ工場2棟(面積9300平方メートル、800平方メートル)の売却価格は1億3500万円。売却価格を盛り込んだ議案は、27日に開会予定の市議会定例会に提出される。(浜田孝輔)


◎「翔民劇団・ななえ」旗揚げ

 【七飯】七飯町民有志らがこのほど、新しい演劇活動グループ「翔民劇団・ななえ」(山下堅一会長)を立ち上げた。町民の手作りにこだわり、20年間にわたって続けてきた「七飯町民劇場」の活動中止を惜しんだ関係者らが企画し、手探りで準備を進めてきた。3月14、15の両日には七飯町文化センター(本町6)で旗揚げ公演となるオリジナルミュージカルを予定しており、メンバーの練習にも熱が入っている。

 七飯町民劇場は1990年の初演以降、世代を超えた町民による舞台を重ねてきたが、スタッフの高齢化や後継者不足などを理由に昨年3月の公演を最後とした。

 新劇団の立ち上げは、町民劇場の最終公演に初参加した町内で代理店業を営む東宏道さん(35)が「世代を超えた交流の場、文化の街の象徴的イベントとしてなくしてはいけない」と感じたのがきっかけ。約7年間町民劇場に参加し、同じ思いを抱いていた山下会長に提案し、2人が中心となって賛同者を集めた。

 脚本は町内在住のミュージシャンMAcCs(マックス)さんに、演出は劇団函館創芸の演出を担当する高間猛さん(43)にそれぞれ依頼し、昨年6月ごろからけいこを始めた。東さんは「役者経験者はいてもスタッフ業務や事務的段取りはほとんど初めてで苦労した」と振り返る。

 作品名は「ななえ・べじたる・ふぁくとりぃ・ミックスジュース!」。七飯町を愛する男性が地元や子どもたちのためにミックスジュースを考案するがトラブル続いてしまい…というストーリーで、家族や故郷の大切さを訴える内容だ。

 本番まで1カ月を切った現在、メンバーは熱心に練習に励んでいる。初舞台となる函館中の沢小4年の松浦百香さん(10)は「演技は難しいけど楽しい。皆を楽しませたい」と話し、町内在住の主婦で、町民劇場に5年間携わった本間麗子さん(70)も「町民劇場の灯を絶やしたくないという思いで参加した。子どもが生き生きとした様子を見て、観客にも元気が伝われば」と意気込む。高間さんは「地域に元気と活力を与える舞台にしたい」と説明する。

 東さんは「七飯に限らずいろいろな場所から参加でき、孫子の代まで続く活動にしたい」と期待を寄せている。

 公演は14日午後6時半、15日午後1時半。入場料は前売り大人500円、小、中学、高校生300円(当日は各200円増)。幼児無料。同センターや大中山コモンなどで取り扱っている。問い合わせは山下会長TEL0138・65・5444。(新目七恵)


◎森町・正職員給与15%削減

 【森】森町は20日までに、2009年度から3カ年、正職員約350人の給与を15%削減するなどの財政健全化計画を町職員労組に提案した。特別職の報酬は町長が25%、副町長と教育長は20%を削減。職員給与の削減で3カ年で12億6000万円の縮減を見込んでいる。

 厳しい町財政を受け、町は町民や町内業者などに財政状況を説明。佐藤克男町長も「町職員の給料削減もしなくてはならない」などと話していた。今回、職員労組に提案した計画では(1)職員給与15%削減(2)ボーナス時に役職に応じて加算される「役職加算」(5%―15%)の凍結―を盛り込んでおり、3月下旬までの回答を求めた。

 町によると、計画が実施された場合、50歳代課長級の年収は約830万円から約150万円減、40歳代係長級は約660万円から約100万円減、30歳代の主任級は約490万円から約78万円減などとなる。削減額は09年度4億4200万円、10年度4億2100万円、11年度3億9700万円を見込み、特別職の報酬と合わせると総額12億7000万円余りとなる。

 組合側は「財政が厳しいのは分かるが、まちの運営に不満・不安がある」と、これまで5回の会合を開き、23日以降に「町長に削減の基本的な考え、根拠を示してもらう」との方向性を固めた。 (笠原郁実)