2009年2月23日(月)掲載

◎今年のシラカバ花粉飛散予測、函館は平年の半分以下

 北海道道立衛生研究所(札幌市)はこのほど、2009年春のシラカバ花粉飛散予測を発表した。函館地域における花粉の総飛散量は平年の半分以下となる見込みで、花粉症に悩まされている人にとっては比較的過ごしやすい年になりそうだ。

 シラカバ花粉の飛散予測は、道内各地域の林業試験場が前年に行ったシラカバの雄花の観察結果を同研究所が分析したもの。函館地域では函館市内の街路樹と横津岳、大沼地域の3カ所を調査対象となり、いずれも雄花の数が平年に比べて少なかったため、花粉の飛散量も減少すると予測された。

 一方、全国的に猛威をふるうスギ花粉については、道内では道南地域のみでしか観測されないため同研究所では予測を行っていない。しかし、環境省による全国規模の予測では、東北地方で平年を上回る飛散が予測されており、函館地域でも十分な警戒が必要と考えられる。

 函館地域では、渡島保健福祉事務所(函館市美原4)が01年から花粉捕集器を使ったシラカバとスギの飛散調査を実施しており、昨年の総飛散量はシラカバが624・1個(1平方センチメートルあたり)、スギが959・8個(同)といずれも過去最高を記録していた。

 例年、函館地域での花粉の飛散時期はスギが3月下旬から4月下旬、シラカバが4月下旬から5月下旬だが、今シーズンは暖冬傾向のため、飛散開始時期が早まる可能性が高い。渡島保健福祉事務所では「花粉症はその年の飛散量にかかわらず、長年の体内での蓄積が影響して発症することが多いので、十分な対策をとってほしい」と注意を呼びかけている。(小川俊之)



◎奥尻町長選 新村氏が初当選

 【奥尻】任期満了に伴う奥尻町長選は22日、投開票が行われ、新人で前町議会議長の新村卓実氏(56)=無所属=が1319票を獲得し、現職の和田良司氏(62)=同=を144票の小差で破り初当選を果たした。

 当日有権者数は2889人。投票総数は2536票。無効票は42票。投票率は87・78%で、2001年3月の前回選挙より2・03ポイント増加した。

 新村氏は、財政再建を優先した和田氏による町政運営で、町内経済の疲弊や行政サービスの低下を招いたと指摘。経済活性化を最優先課題とすることを公約に掲げていた。また、和田氏と町議会との対立による副町長の不在などの町政上の混乱を批判。人心一新による町政刷新を訴え、商工業者、建設業者などの支持を集めた。

 新村氏は同町出身。千葉商科大卒。1983年に町議に初当選。町長選出馬に伴い辞職するまで7期、町議会議長は通算4期務めた。現在は会社役員。

 敗れた和田氏は2001年4月、鴈原徹前町長の下で助役に就任したが、政策的な食い違いがあるとして任期中に退任した。05年の前回町長選で再選を目指した鴈原氏が、義弟である和田氏の出馬表明を受けて「町を二分すべきではない」として、出馬を断念した経緯もあり、鴈原氏の支持者を中心に選挙のしこりを残したことも響いた。鴈原氏は函館市を相手先に含めた市町村合併に前向きだったが、和田氏は合併論議を白紙化して行財政改革に取り組んだ。財政再建を町の緊急課題とする和田氏の実績を評価する声も根強かったが及ばなかった。(松浦 純)

奥尻町長選挙開票結果(数字は当選回数)
 当 1319  新村 卓実56 無新(1)
   1175  和田 良司62 無現(1)



◎道内企業倒産 6年ぶり700件超

 民間信用調査会社の東京商工リサーチ北海道支社がまとめた2008年の道内企業倒産状況(負債総額1000万円以上)によると、倒産件数は前年比22・1%増の734件、負債総額は同9・2%増の2413億1500万円だった。件数は02年の720件以来、6年ぶりに700件台の大台を超えた。

 負債総額10億円以上の大型倒産は35件で、前年より5件下回った。中小・零細企業の倒産が多かったため、件数に比べ負債総額の伸び率は小さくなった。また、上半期の倒産件数は同24件増だったのに対し、下半期は米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な景気後退の影響を受け、同109件増と急増した。

 負債総額の最高額は北見市のゴルフ場経営などの「グラウンズ」の232億円。2位は建築工事業の「松本建工」(札幌市)の134億円8900万円、3位は総合建設業の「北野組」(旭川市)の118億8000万円だった。前年は上位に1社も入っていなかった建設関連企業が上位10位のうち半数の5社を占めた。

 業種別では建設業が279件で最も多く、公共事業の削減や住宅販売の不振などを受けた形となった。消費の低迷が直撃したサービス業が110件、小売業が89件と続いた。原因別では販売不振が510件で全体の約7割を占めた。

 今年の見通しについて、同支社は「政府の経済対策の浸透で減少に転じる可能性もあるが、景気回復の見通しが立たない現状では一時的な『対症療法』にとどまる恐れがある。景気回復には時間がかかり、対応が遅れれば中小・零細企業を中心に倒産が続くこともある」と分析している。(森健太郎)


◎気温上昇 雪解ける

 22日の道南は低気圧が通過し、朝は湿った大雪となった。函館海洋気象台の速報値によると、函館の積雪は午前11時24分に2月としては最も多い24センチに達した。しかし、午前中で雨に変わり、午後からは気温が4・4度まで上がるなどで雪は解け、午後6時の積雪は15センチとなった。

 市内の道路の様子も一日の中で様変わりした。午前中は雪に覆われていたが、午後からは、わだちや大きな水たまりができ、歩行者は車が跳ねる水をよけたり、足元に気をつけながら歩いていた。市内大森町の男性は「除雪をしたが雪が重く大変だった」と話していた。(山崎純一)


◎函館高専で入学試験

 函館工業高等専門学校(長谷川淳校長)の2009年度一般入学試験が22日、行われた。全5学科の受験者は398人で、実質倍率約3・4倍の狭き門の突破を目指し、真剣な表情で問題用紙に向き合っていた。

 試験は函館と札幌の2会場で実施。この日は函館、札幌ともに断続的な降雪に見舞われたが、交通機関などに大きな混乱はなく、受験生にも影響は見られなかった。5学科合計の募集定員は200人だが、1月に行われた推薦入試ですでに82人の合格が内定しており、一般入試の実質定員は118人。これに対し昨年度より80人多い429人が志願し31人が欠席した。

 午前9時半から第1教科の「理科」がスタート。受験生は合格を目指して、頭を絞りながら問題に取り組んでいた。試験は全5教科がこの日のうちに終了。合格発表は27日午前10時から同校学生玄関前に合格者の受験番号を掲示するほか、同校ホームページに掲載される。(小川俊之)