2009年2月25日(水)掲載

◎旭岡保育園、獅子舞 怖いよー

 函館市旭岡町の旭岡保育園(柴田英雄園長、園児68人)で23日、大船南部神楽保存会による獅子舞披露が行われた。参加した園児63人は、迫力ある獅子舞を通じて日本古来の伝統芸能に触れた。

 春に小学校へ進学する年長組の激励と、子どもたちに伝統芸能を知る機会を提供しようと、3年前から始まり今回で4回目。同保存会は青森県南部地方から伝わった大船南部神楽を伝承しようと1990年に発足し、毎年6月に行われるひろめ舟祭りなどに参加している。

 始めはお囃子の音色が響き渡り、園児は興味深そうに聞き入っていたが、突然、お菓子を持って現れた花てんぐと、続けて登場した獅子舞にびっくり。カチカチと歯を打ち鳴らしながら近づいてくる獅子舞を見て、怖くて泣き出す子がいる一方で、笑顔で歓声を上げる子も見られた。

 年長組の石川蓮君(6)は「獅子舞と花てんぐは、とても怖かった。でもまた会いたい」と話していた。(山田孝人)



◎森町官製談合、湊前町長に有罪判決

 森町発注の町消防防災センター建設工事をめぐる官製談合事件で、競売入札妨害(談合)罪に問われた森町上台町、前町長で無職湊美喜夫被告(80)の判決公判が24日、函館地裁(柴山智裁判長)であり、柴山裁判長は「町の最高権力者として談合の指示を行い、重要な役割を果たした。強い非難は免れない」として、湊被告に懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。

 判決理由で、柴山裁判長は湊被告が森町建設協会を中心とした長年の談合体質を黙認していたと指弾。「公判においても、責任を部下に転嫁するような発言をするなど、真摯(しんし)に反省しているとは言い難い」と非難した。

 また、東急建設の意向を受けた仲介役の男(60)の要求は「日常的に金品を受領する不明朗な関係」にあり、湊被告が断れなかったと指摘。湊被告が元建設課長(61)や星組渡辺土建の元社長(56)に、共同企業体(JV)の組み替えや出資比率の変更を指示したと認定した。柴山裁判長は「課長らは、30年以上も森町長にあった被告の意向に沿うように行動せざるを得なかった」とした。

 判決によると、湊被告は2005年9月執行の同センター建設工事の指名競争入札で、公正な価格を害する目的で東急建設と星組渡辺土建が組んだ共同企業体(JV)に落札させるため、業者幹部ら他の共犯者と共謀して、談合した。

 同事件をめぐっては湊被告のほか6人が起訴され、いずれも懲役1年―10月、執行猶予3年付きの有罪判決が確定している。



◎湊前森町長に有罪、官製談合指示を断罪

 「談合の成立過程で町長の地位と影響力を利用し、重要な役割を果たした」―。森町の官製談合事件で函館地裁は24日、競売入札妨害(談合)罪に問われた前町長、湊美喜夫被告(80)に対し、町政の最高責任者として談合に加担した事実を厳しく非難した。37年間の長きにわたり、町民の圧倒的な支持を背景に権勢を振るった湊被告には、晩節を自らの犯罪行為で汚す結果となった。

 判決公判は、同日午前9時45分に開廷。車いすを押されて入廷した湊被告は、親族に支えられて証言台の前に立ち上がり、正面に柴山智裁判長をじっと見据えた。柴山裁判長は、判決理由で検察側の主張をほぼ全面的に認め、湊被告が長年の慣行となっていた町内の談合体質を黙認し続けた事実や、部下や町内業者幹部らは町長の意向に逆らうことができなかったとし、絶対的権力に対し“もの言えぬ空気”があったと認定した。

 閉廷後、報道陣の問いかけにも応じず、湊被告は無言のまま、函館地裁を後にした。湊被告の弁護人は「控訴は判決をよく読んだ上で、検討したい」と話した。

 一方、昨春の疑惑発覚から同事件に振り回された森町内では、前町長の判決を過去のこととして淡々と受け止める声が聞かれた。この日、佐藤克男町長は公務出張のため不在。輪島忠徳総務課長は「町長も何もコメントすることはないと思う」と話した。

 長年、湊被告を支持していたという同町内の主婦(64)は「がっかりの一言。今の町長はお年寄りを大切にするし、町をよくしていこうという気持ちが伝わってくる」と話し、町政のこれからを期待した。別の農業の男性(81)は「有罪判決は個人的には何とも言い難いが、町発注の工事を地元業者に還元したいという気持ちは分からなくもない。ただ、事件は町民のための行政を行うきっかけとなったのではないか」と話していた。(今井正一、石井克)


◎市議会経済建設常任委、水道局の温泉事業経営健全化対策案を条件付きで了承

 函館市議会経済建設常任委員会(小山直子委員長)が24日に開かれた。市水道局(中林重雄局長)が示す温泉事業の経営健全化対策案について、温泉供給事業の料金値上げは実施時期や改定率の見直し、公衆浴場事業の谷地頭温泉売却は慎重な選定方法などを求めることを条件に、了承するとした。

 温泉供給料金の値上げは、水道局が2010年度から5年間の経過措置の後に、現行より7割値上げすると提案。委員会では昨今の厳しい経済状況を踏まえて、値上げの実施時期と経過措置の期間、改定率の見直しなどについて湯の川温泉旅館協同組合(金道太朗理事長)と話し合うとともに、財源不足解消のために一般財源化されている入湯税での充当についても協議するよう促した。

 谷地頭温泉売却は、公衆浴場としての住民サービス確保や、近隣老人施設への温泉供給維持などを売却の条件に盛り込むよう要望。熱帯植物園の一般会計移行は全会一致で了承した。中林局長は「委員会の提言を検討材料にするが、年数をかけるほど累積赤字が膨らみ健全化が遅れてしまう」とし、対策案に理解を求めた。

 このほか、株式会社はこだてティーエムオーへの研修派遣については継続調査とすることを決めた。(浜田孝輔)


◎3月7、8日に「舞台セミナー」

 函館市文化・スポーツ振興財団が主催し、市民らが演劇や舞台づくりを学んできた「函館舞台塾2008演劇教室 第10回舞台セミナー」の卒業公演が3月7、8の両日、市芸術ホール(五稜郭町37)で開かれる。今年の演目は「赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス」(別役実作)。キャストの受講生10人は本番に向け、最後の練習に力を入れている。

 このセミナーは、函館の演劇と舞台活動のすそ野を広げようと1999年にスタート。本年度は昨年5月14日に開講、毎週水曜の夜に同ホールリハーサル室で、劇団自由飛行館のみのゆづるさん、赤坂佳子さんらから、演劇の基礎やダンスを学び、同8月中旬から同演目のけいこに励んできた。

 物語は、童謡として知られている、オオカミが赤ずきんちゃんを食べてしまうのではなく、オオカミにくすぐられても笑わない赤ずきんちゃんを、魔法使いのおばあさん、森番やうさぎたちなどが笑わそうとする。みのさんは「子どもから大人まで楽しめる物語。人間とコミュニケーションを持とうとするオオカミの活躍を楽しんで」と話す。

 キャストは社会人を中心に女性9人、男性1人。みのさんはそれぞれのキャラクターについて良く考えて演技することを求めてきた。2月中旬から本番とステージで練習を開始し、立ち位置など舞台上の構図を確認している。みのさんは「何回も受講している人も多く、このセミナーを出ても役者として活躍できる力をつけてきた。節目を祝うのにふさわしい居を楽しんでもらえる」と来場を呼び掛けている。

 開演は、7日は午後6時半、8日は同2時。入場料は500円。問い合わせは同ホールTEL0138・55・3521。(山崎純一)