2009年2月6日(金)掲載

◎バレンタイン商戦が本格化

14日のバレンタインデーを前に、函館市内の洋菓子店では従業員らがチョコレートづくりや箱詰め作業に追われ、デパートなど各店では特設売り場が設置されている。販売のピークを迎えるのは今週末や祝日の11日とみられる。バレンタイン商戦が本格化する中、あちらこちらで頭を悩ませる女性の姿が見られそうだ。

 市内のチョコレート専門店「シュウェットカカオ」(五稜郭町7)では、1月中旬からバレンタイン向けの準備を開始した。連日深夜まで作業を続けて約5万個を製造、箱詰め作業も忙しさを増している。

 同店では人気の生キャラメルをチョコレートでコーティングした「キャラショコギフト」(5個入り、735円)が今年の一押し。同店の館山雅紀代表は「寝不足覚悟で頑張る」とし、年間最大の“チョコ需要期”に気合を入れている。下見に訪れた市内の女性会社員(39)は「本命に豪華なチョコをプレゼントする」と話していた。

 一方、棒二森屋(若松町17)では国内外ブランドのチョコレート約200種類、菓子メーカーのCMなどで話題の男性が女性に贈る「逆チョコ」をうたった商品も特設売り場に用意。営業企画課の加登啓敏課長は「期待は大きいが、当日が土曜日なので義理チョコが減るかも」としている。

 丸井今井函館店(本町32)では昨年に続き男性用下着の売り場を設け、バレンタインギフトとして提案。ジーンズ素材風や、ボクサータイプで2000―4000円程度のおしゃれな下着をそろえた。同店は「出足は好調だが、11、12日の販売ピークが勝負どころ」とみている。(山田孝人)



◎沖縄の盆踊り「エイサー」のサークル発足

函館市神山3の沖縄料理店「ゆんたく酒場 十九の春」の店主高島浩一さん(56)と沖縄出身の常連客がこのほど、沖縄の伝統的な盆踊り「エイサー」のサークルを立ち上げ、団員を募集している。高島さんは「沖縄好きが集まって楽しく騒ごうという試み。誰でも気軽に沖縄文化に親しめる機会にしたい」と話している。(宮木佳奈美)

 同店は沖縄好きの高島さんが昨年8月に開店。サークルは常連客の中で以前、名古屋でエイサーのサークル活動をしていた沖縄出身の看護師宮城慶太郎さん(28)=市内在住=、看護師村島範政さん(32)=同?が昨年12月、高島さんに話を持ち掛けて発足した。

 エイサーは旧盆の7月、先祖を供養する行事として古くから行われている沖縄の伝統芸能。歌や三線のメロディーに乗せて太鼓を打ち鳴らし、団体で踊りながらパレードする。現代では大衆の前で踊る華やかなイベントとなり、コンクールも行われ、沖縄各地から有力な団体が集まる「沖縄全島エイサーまつり」が毎年7月に沖縄市で開かれている。

 高島さんは「沖縄の人はエイサーをやると血が騒ぐというぐらい、すごい迫力」とエイサーの魅力を話す。練習は月1、2回で、宮城さんと村島さんが指導する。練習会場は市内で探している最中。団員の性別、年齢は問わない。

 高島さんは「函館は若者が活躍するイベントが少ない。ぜひ若い人に参加してもらい、いずれ函館港まつりに参加できれば」と期待している。問い合わせは高島さんTEL080・2870・0228へ。


◎市定住化サポートセンター、4年間で35組69人移住

首都圏などからの定住促進事業を進める函館市が企画部に定住化サポートセンターを開設し、2月で4年を経過した。4年間で同センターを通して函館に定住した人は35組69人に上り、実績を積み上げている。同センターは「団塊世代を主な対象に事業が始まったが、移住に関する相談者は年代が広くなっている」と話している。(高柳 謙)

 定住者の内訳は、関東22組、道内6組、東北3組、東海と九州各2組。同センターを通さないで移り住んでいる人も相当数いるとみられる。相談者も含めた全体的な声として、首都圏など道外在住者は新鮮な食べ物のほか、病院や交通網など一定の都市機能があることを評価している。道内他地域からは、各地を転勤したが定年後は気候が温暖な函館で暮らしたい、との声が多いという。

 4年間に受けた相談件数は812件。地域別では関東が372件と最も多く、次いで道内150件、関西123件、東海53件など。相談は住宅情報、市の定住事業の取り組み状況、体験移住「ちょっと暮らし」に関する内容が多く、就職や気候・積雪に対する関心も高い。

 就職に関する相談では、団塊世代や退職者層は「生活の糧」よりも、経験を生かした何らかの仕事や社会貢献、趣味を広げる場などを求める傾向が強いという。逆に30―40代の若い世代は移住やUターンをするにも生活する基盤が必要で、仕事があるかどうかが大きなポイントになる。

 昨年4月には定住者と支援する市民たちで「移住アドバイザー会議」を立ち上げた。移住者交流会では南茅部地区へのバスツアーを企画するなど精力的だ。

 同センターは「定住や移住を考える人たちはバイタリティーがある。さまざまな年代に対応できる生活環境や雇用の場などが求められており、今後も受け入れ態勢の整備を進めたい」と話してい

村役場入り。町役場議会事務局長、助役を経て、2005年の町長選に出馬し、無投票で初当選。(聞き手・笠原郁実)


◎新幹線シンポ、開業控え課題や活路探る

2015年の北海道新幹線新函館駅の開業を見据え、地元の官民の代表らでつくる新幹線開業はこだて活性化協議会(森川基嗣会長)が主催するシンポジウム「新幹線開業をいかしたまちづくり」が5日、ホテル函館ロイヤル(函館市大森町)で開かれた。有識者の基調講演やパネルディスカッションを通じ、6年後の開業までの課題や活路を探った。

 同協議会が昨年11月に策定した開業効果を最大限に発揮するための「アクションプラン」(行動計画)を広く知ってもらうのが狙い。この日は函館・近郊の行政、経済界、業界団体の関係者約200人が参加した。

 函館商工会議所地域振興課主任の永澤大樹さんが、函館市の失業率や離婚率が同じ人口水準の都市と比べ目立って高いことなどを挙げ「観光客が抱くイメージや期待と実情のギャップを埋めていく行動が函館再興の鍵」と述べた。

 続いて日本政策投資銀行参事役の藻谷浩介さんが講演し「開業効果は1年目だけ」「終着駅効果なんてない」と歯切れの良い語り口で分析データを紹介。「陸上交通が便利になれば日帰り客が増えてしまう。ワンランク上の付加価値で泊まること自体を目的化させることが街の魅力向上につながる」と語った。

 最後に同協議会の交通アクセス、観光・産業振興の各部会の代表らによるパネルディスカッションも行われた。(森健太郎)


◎候補者に聞く 鹿部町長選【届け出順】…将来を担う「人」づくり

●田名部弘勝氏(63)。

 ――出馬の動機は。

 若い漁業者から「町民の声が町政に届いていない」というまちの将来を心配する声を聞き、「町政が一つになっていない」と強く感じたため、出馬を決意した。。

 ――最も訴えたい政策は。

 第一に漁業や商工業など関係団体との協力体制を整えるなど、町民の声を反映させ、開かれた、そして町民が納得できる町政にする。。

 第二に社会教育や社会体育などを通じ、将来を担う「人」づくり。

 第三に高齢者などが「町に住んで良かった」と感じる柔軟な対応を手掛けたい。

 町は一つの家族。安心して子どもを産むことができるまちになるような少子化対策、幼保一元型の幼稚園づくりなどの施策を研究し、早急に取り組みたい。町財政の安定も欠かせない。町民に町財政の状況や運用について、理解を求めながら広く公開し、町民が集える、親しまれる役場づくりにも取り組みたい。また、漁業は町経済の支え。漁業を通じた安定的なまちづくりを進めたい。

 ――有権者の反応は。

 20年間の無投票選挙で町長と話したこともなければ、選挙したこともない若者も多い。前回選挙戦のあった年に生まれた子供が選挙権を得た今こそ、変える時。お茶懇や青年たちとの交流の中で、町政変革への期待感を感じる。交流の中で頂いた言葉を私の宝物として、今後に生かしたい。

 ――新町政で目指すものは。

  顔の見える、町民を元気にできる町政を目指す。大きな声も小さな声も同様に扱い、「まちづくりの中心は町民である」ことを忘れずに取り組みたい。

 (聞き手・笠原郁実)

 たなべ・ひろかつ 1945年臼尻村(現・函館市)生まれ。64年、函館商業高校を卒業後、銀行勤務を経て69年、鹿部村役場入り。水産経済課長や民生課長を経て、2007年3月まで町社会福祉協議会事務局長を務めた。