2009年2月8日(日)掲載

◎遊んで、食べて冬満喫

 遊びを満喫し、食で満腹―。まずまずの天候に恵まれた7日の道南は各地で冬のイベントが行われ、大勢の家族連れなどでにぎわった。七飯町では「大沼函館雪と氷の祭典」が開幕。函館市では冬フェスティバル恒例の「赤ふんダービー」に声援が送られ、江差町で始まった「なべまつり」ではあつあつの鍋を求めて行列ができた。

 ◎運動会、力合わせ氷切り…大沼函館雪と氷の祭典

【七飯】第43回大沼函館雪と氷の祭典(実行委など主催)は7日、七飯町大沼国定公園広場に多くの家族連れが来場。高さ約5・5メートルのジャンボすべり台や人気キャラクターの雪像、初開催の氷上運動会などで冬の休日を満喫していた。

 大沼から切り出した天然氷(60センチ角、厚さ25センチ)計3300枚を使用し、ジャンボすべり台をはじめ大沼で誕生したヒット曲「千の風になって」のモニュメントレプリカなどが並んだ。町民手作りの中雪像は幼児向けのすべり台が増え、来場者を楽しませた。

 今年は大沼体験観光づくり実行委員会(渡辺邦浩委員長)が体験活動を通じて大沼のよさを感じてもらおうと、親子「氷上運動会」を初開催。3人1組、8組が参加し「スノーシューかけっこ」や「ワカサギ釣り大会」などユニークな3種目で順位を競った。大沼の歴史を後世に伝えようと天然氷をノコギリで切断する「氷切り競争」は会場のステージ上で行われ、来場者らの歓声を受けながらタイムを競い、最短15秒の記録に惜しみない拍手が送られた。

 同級生3人で参加し、氷切り競争に出場した渡辺八大さん(大沼小5年)は「初めて氷を切って肩が痛い」と顔をしかめながらも声を弾ませた。

 最終日の8日は午後3時から、黒毛和牛や函館牛乳の無料試食と試飲を実施。カフェレストラン「ターブル・ドゥ・リバージュ」前の湖畔では11日まで天然氷で制作したドーム「青空のカフェ*星空のカフェ」内で飲食や観望を楽しめる。また、今年は緊急雇用対策の一環として、同祭典のジャンボすべり台や各種雪像を安全性を見極めながら3月10日ごろまで開放する予定。(笠原郁実)

◎クジラやゴッコ汁に舌鼓…美味百彩なべまつり

 【江差】冬の江差を彩る一大イベント「第9回 冬 江差 美味百彩(びみひゃくさい)なべまつり」(主催・江差観光コンベンション協会)は7日夕、江差町本町の旧生涯学習センターで開幕。町内はみぞれ交じりの雨が降る空模様だったが、屋内の会場では大勢の来場者があつあつの鍋料理に舌鼓を打っていた。

 会場のブースには檜山管内をはじめ、松前町などから参加した飲食店、旅館、農漁協などの31団体が、腕によりをかけた和・洋・中の鍋料理約40種類がずらり。大勢の来場者が、道南伝統のクジラ汁、ゴッコ汁、三平汁をはじめ、地元産の新鮮な海産物などを生かした幾つもの鍋料理を食べ比べていた。同協会の打越東亜夫会長は「江差や松前に伝わる伝統の鍋料理は全道に発信できる魅力がある。8日も大勢のお客さまに心ゆくまで味わって欲しい」と話している。

 入場無料。8日は午前11時―午後2時。鍋料理は1杯300円。鍋料理1杯につき道南産米の「ふっくりんこ」(新函館農協提供)などの賞品が当たる抽選会を行うほか、町内の商店街有志によるもちつきやお汁粉の無料サービスも行う。正午からは津軽三味線と民謡ショーも予定している。

 会場は江差信金本店(本町132)を目印に、建物南側の町道を山側に進むとよい。現地では無料駐車場を用意している。問い合わせは協会事務局TEL0139・52・4815へ。(松浦 純)



◎支持求め 最後まで舌戦…鹿部町長選 きょう投票

 【鹿部】任期満了に伴う鹿部町長選挙は8日、投開票が行われる。現職で2期目を目指す川村茂氏(58)と、新人で元町職員の田名部弘勝氏(63)=届け出順、いずれも無所属=の一騎打ちとなり、2人は声をからして公約を訴え、5日間の舌戦を終えた。同時に行う町議選を含む開票は午後9時から町役場で実施し、町長選は同9時40分ごろ、大勢が判明する見通し。

 町長選は1989年以来20年ぶりの選挙戦。川村氏は町財政改革や漁港整備など1期目の政策継続を訴え、田名部氏は町民との対話を強調し、若年層を含む住民参加の町政などを主張した。

 両候補は7日、町内をくまなく遊説し、最後の支持を呼び掛けた。

 1989年に行われた町長選の投票率は96・73%。今回と同様、定数10に対し12人が立候補した2005年の町議選は88・30%で、町選管によると期日前投票は町長選、町議選とも639人が済ませた。05年の前回町議選は352人だった。

 2日現在の同町の有権者数は3873人(男性1872人、女性2001人)。投票は8日午前7時から午後8時まで町内5カ所で行われる。(笠原郁実)


◎卒業「料理」に人だかり…函館短大付設調理師専門学校・食彩感謝祭

 函館短大付設調理師専門学校(函館市柏木町7、下野茂校長)の学生による卒業研究発表会「第8回食彩感謝祭~グルメ通りへようこそ~」が7日、同校で開かれた。手作りの料理やケーキ、パンの販売などが行われ、大勢の来場者が買い求めていた。

 昨年4月に入学した調理師学科と製菓衛生師科の学生たちが1年間の学習の成果を一般に披露する行事で、毎年この時期に行っている。会場には卒業作品として、巧みな技術が光る日本料理の飾り切りや、豪華な盛り付けが目を引く西洋料理、多彩な彩りが特徴の和菓子、華やかで印象的なデコレーションケーキなどが来場者の目を楽しませた。

 販売コーナーでは、豚肉の煮込みや洋風コロッケ、いかめし、ガトーショコラ、シフォンケーキ、抹茶ロールなど作りたての総菜やお菓子類などが並び、おいしそうな香りを漂わせていた。来場者はお目当ての商品を次々と次々と買い求め、あっという間に売り切れになる商品も。また特設レストランでは「いかシュウマイ定食」が限定80食で販売されたが、こちらもすぐに売り切れとなった。

 孫と一緒に初めて訪れた七飯町の吉田はるかさん(67)は「わずか1年で、これほど素晴らしい技術を身に付けた学生の皆さんの努力には頭が下がる。おいしそうな料理やお菓子が並んでいたので、思わずたくさん購入してしまった。さっそくクルミパンを食べてみたがとてもおいしかった」と笑顔を見せていた。(小川俊之)


◎市民歌舞伎 けいこに熱…15日に初春巴港賑

 函館の新春名物として親しまれている市民歌舞伎「第31回公演 初春巴港賑(はつはるともえのにぎわい)」(実行委、市文化・スポーツ振興財団主催)が15日午後1時から、函館市民会館大ホールで開かれる。今年は「一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)」「白浪五人男(しらなみごにんおとこ)」「奥州安達原三段目(おうしゅうあだちがはらさんだんめ)」の3つが演じられる。公演を間近に控え、出演者のけいこにも熱が入っている。

 「初春―」は1973年2月、市民劇場の主催で始まった。現在は、道南の経済、観光、医療、文化など各方面で活躍する著名人が出演。これまで延べ約1700人がステージで“迷演技”を披露し、観客を沸かせてきており、今年も口上を含め約50人が登場する。

 毎年、おなじみ「白浪―」のほかは、人情の奥深さを伝える2演目を用意している。「一本刀―」は、母の墓前で土俵入りすることを目指す駒形茂兵衛が、長い時を経ても受けた恩義を忘れず、義理人情を果たそうとする物語。歌謡曲などを交え、華やかに演出する。

 「奥州―」は「初春―」では初めて演じられる。源平栗坂の合戦で八幡太郎義家に敗れた奥州の安倍一族が、復讐を図るという内容。一瞬のうちに衣装を変える「引き抜き」と呼ばれる技を使うなど、アクション性に飛んだ演出を披露する。

 出演者は昨年12月から週1―3回の練習を始め、2月から総仕上げに入っている。指導する市川団四郎さんは「分かりやすいストーリーで親しまれている作品がそろった。娯楽性を含んだ展開や、派手な衣装変えなどを織り込んだ演出を楽しんで」と話している。入場券は1500円で、同会館、市芸術ホール(五稜郭町37)などで発売中。問い合わせは同会館TEL0138・57・3111。(山崎純一)


◎鈴木、高橋、谷口さん…はこだて・冬・アート展開幕

 市民美術展「第9回はこだて・冬・アート展」(函館市文化・スポーツ振興財団主催)が7日、市芸術ホール(五稜郭町37)で始まった。今年は絵画、書、写真、彫刻などに173点の応募があり、専門家部門7点を除く166点がすべて入選となり、最高賞の「はこだて・冬・アート賞」に鈴木律子さんの水彩「殻日」など3点のほか、32点が入賞した。展示は15日までで、8日午前10時から表彰式や受賞者などによるギャラリートークが行われる。

 「冬・アート賞」の鈴木さんの作品は、知人から贈られたカボチャを題材にした。大きなカボチャを受けたおかげで健康な生活を送られる喜びを感じさせている。このほか書で同賞を受賞した高橋水瑶さんは、近代詩文書で薄田泣菫の「ああ大和にしあらましかば」をしたためた。同じく、海藻と岩と波を巧みに表現した谷口隆博さんの写真「夏の海」が受賞した。

 このほか書では漢字など、絵画は静物や身近な風景などの力作が展示されている。

 入賞者は次の通り。(敬称略)

 ▽はこだて・冬・アート賞=鈴木律子(絵画/水彩)高橋水瑶(書)谷口隆博(写真)▽NHK函館放送局長賞=千葉白姚(書)▽函館市文化団体協議会会長賞=安田祐子(絵画/油彩)▽はこだて・冬・アート展ポスター賞=小玉美菜▽優秀賞=五十嵐木綿子、伊勢谷泰則、大川庄助、小川由貴、尾本宏美、木村昌代、鈴木志帆、中西眞美子▽奨励賞=五十嵐正純、石井翔太、唐戸綾花、土谷幹、鬼海勇、寺岡由貴、斉藤陽子、中澤寿弥、坂美沙子、西山富、澤田麻奈美、古川貴志、白岩大祐、山田彩、高木咲枝、要田真美、田村瑠美、米谷良子(山崎純一)