2009年3月1日(日)掲載

◎函館PRの新たな“顔”/ミスはこだて3人決まる

 函館観光のPR役を務める「ミスはこだて」のコンテスト(函館国際観光コンベンション協会主催)が28日、函館市大森町のホテル函館ロイヤルで開かれ、いずれも市内在住で、会社員の工藤真弓さん(26)、家業手伝いの林未花さん(28)、函館大学3年の當摩(とうま)久代さん(23)の3人が第30代の新ミスの座をつかんだ。

 今年は応募者19人の中から15人が出席。5人ずつのグループ審査を経て、最終審査に残った8人は一人一人ステージ上で30秒の自己PRや質疑応答に臨んだ。出場者はみな緊張した面持ちで審査委員の質問に答えていた。

 審査委員長の沼崎弥太郎同協会会長は「いずれも立派な方ばかりで審査は難航した。今後は函館の観光大使として活躍してもらいたい」と講評した。

 3人は「多くの人に函館の魅力をPRしたい」(工藤さん)、「全国に函館のファンを増やしたい」(林さん)、「開港150周年の記念すべき年に選ばれてうれしい」(當摩さん)と抱負や喜びを語った。任期は4月1日から1年間で、4月下旬に東京・町田市で開かれる物産展が初仕事となる予定。(森健太郎)



◎希望胸に巣立つ/白百合、遺愛高で卒業式

 函館白百合学園高校(青木タマキ校長、生徒445人)の「第61回卒業式」が28日、同校体育館で開かれた。函館市内の私立高では2月1日の函館ラ・サール高校に続く卒業式で、この日は函館遺愛女子高校でも行われた。白百合高校では教職員や父母が見守る中、卒業生129人が晴れやかな表情で思い出深い学びやを巣立った。

 青木校長が卒業生一人一人に卒業証書を授与。「卒業証書には皆さんのこれまでの努力や思い出が詰まっています。社会ではつらいことがあるかもしれませんが、3年間で得た経験を無駄にすることなく、夢と希望と信念を持って頑張ってください」と式辞を述べた。

 卒業生を代表して上田恭子さんが聖パウロの言葉を引用し、「心や思いを一つにし、仲間と固く結び合うことの大切さを学ぶことができた高校生活でした。たとえ失敗したとしてもその結果をきちんと受け入れ、自分で将来の道を切り開くことができるよう頑張ります」とあいさつした。

 市内の私立高校では、函大付属有斗が1日、函館大谷、函館大妻、函大付属柏稜が3日、清尚学院が8日、公立高は1日にそれぞれ卒業式を行う。(長内 健)


◎函館市・本年度の労務調査/春の新卒採用が大幅低下

 函館市は、市内企業を対象に実施した本年度労務状況調査の報告書をまとめた。新規学卒者を採用した事業所は前年度比6ポイント減の28・8%、今春の採用を予定するのは同25・8ポイント減の18・6%に低下。新たな調査項目とした、パートタイム従業員の正規従業員への転換対応は54・9%、インターンシップ(就業体験)の受け入れについて実績のある事業所は37・5%にとどまっている。市労働課は「企業にメリットを見いだしてもらえるよう、さらなる周知に努めていきたい」と話している。

 新規学卒者の採用を見送った理由としては、「現員で充足している」が55・8%で最も多い。今春の採用を予定する事業者を産業別で見ると、情報通信業が37・5%、医療・福祉が34・1%などとなっている。

 パートタイム従業員の正規従業員への転換対応は、昨年4月に改正された「パートタイム労働法」で規定。対応済みの事業者の産業別では、建設業が31・6%、教育・学習支援が45%、運輸業が45・5%の順で低かった。

 高校生や大学生のインターンシップ受け入れについては、「よく受け入れている」が22・3%、「過去に受け入れたことがある」が15・2%。今後の方針として、「できれば受け入れたくない」と答えたのは30・5%で、従業員数が10―29人規模の事業者が36・5%、30―49人規模の事業者が32・4%など、規模が小さい事業者ほど高い割合となっている。

 このほか、業績不振を理由に突然の契約満了通告をしたとして一部業界で問題となった派遣従業員について、市内の受け入れ事業所は全体の10%。受け入れ理由としては、「人件費の節減」が34%、「正規従業員の一時的な欠員補充」が32%などで、受け入れ期間は「1年以上3年未満」(44・4%)、業務内容は「一般事務」(35・3%)がそれぞれ最も多かった。

 調査は、従業員10人以上の事業所1609社を対象に昨年8月末時点で実施。499社から回答を得た。(浜田孝輔)


◎交差点進入時の不注意に警鐘

 昨年6月と8月、北斗、函館両市内で発生した死亡交通事故にかかわり、自動車運転過失致死罪に問われた2件の裁判がこのほど、函館地裁で開かれた。いずれも交差点進入時に、横断歩道上の自転車の高齢者をはねて死亡させた事故で、同地裁は、基本的な注意義務を怠ったことが原因であるとして、被告の男にそれぞれ、執行猶予付きの禁固刑を言い渡した。現場の状況からは被害者に落ち度はなく、両被告が横断歩道手前で一時停止するなど細心の注意を払えば、最悪の結果は防げた可能性が高いことがうかがえる。

 北斗の事故は、同市中央3の国道228号T字路交差点で発生。トラックを運転していた大工の男(76)は、対向車を見送った後に右折を開始したが、右から横断歩道を渡っていた自転車の男性(当時84)に接触。函館の現場は、同市大川町の市道八幡通と道道の交差点で、会社役員の男(65)の乗用車が八幡町方向から港町方向に左折した際、左から来た自転車の男性(当時76)を巻き込んだ。

 交差点進入時の速度は時速10―15キロ程度だったが、被害男性2人は転倒し、路面に頭を強く打って死亡。両被告は、対向車に気を取られるなどして自転車に気が付かなかったとしていた。北斗の裁判では、検察官が「運転中の確認事項が10あるとすれば、それを1つ欠いただけで発見できないことがある。車の運転はそれくらい大変なことだ」と指摘する場面もあった。

 函館中央署管内では昨年、この2人を含めて交通事故で9人が死亡。人身事故の発生件数は減少しているが、交差点での事故や、高齢者の被害も依然として多い。同署交通第一課の塩入信一課長は「交差点や横断歩道手前では後方も含め、付近の歩行者や自転車に十分な気を配ることが重要」とし「車の運転時には免許を取得したときの注意力を思い出してほしい」と話す。

 また、昨年の道交法改正で幼児や児童らが自転車に乗る際の努力事項としてヘルメット着用が盛り込まれたが、塩入課長は「万が一の事故から自分の身を守るために、大人もヘルメットを着用することが望ましい。道路の横断時には、歩行者側も周囲の状況をよく確認することが必要」と話している。(今井正一)


◎大農高3年生2人が危険物取扱者と電卓3段資格取得

 【北斗】大野農業高校(北澤住人校長、生徒336人)の農業科3年生の吉田智哉君(18)がこのほど、消防試験研究センター(東京)が行う危険物取扱者乙種の6類全部を取得、食品科学科3年の野村佑衣さん(18)が全国経理教育協会(同)の電卓計算三段の試験に合格した。同校から乙種の全類取得者は12年ぶり、同三段取得者は11年ぶり。卒業を前に地道な努力を実らせた2人は「うれしい。高校生活の思い出」と喜んでいる。

 吉田君は高校1年の9月に危険物取扱者の丙種資格を取得したのをきっかけに乙種全類の取得を目指した。2年生だった昨年1月、ガソリン、灯油など一般的に需要の多い4類を取得したのを皮切りに各類に挑戦。12月25日の1類で全類合格を達成した。

 小学生時代に珠算を習っていたという野村さんは高校2年の時、電卓計算の資格も取りたいと決意。段位取得に向けて昨年12月の試験を受験し、三段をクリアした。

 2人とも授業の実習や就職活動をしながら資格取得に励み、資格指導担当の教諭からアドバイスを受けながら空き時間を有効に使い、勉強を続けてきた。

 吉田君は「苦手分野を中心にテキストの問題を反復した。全部取れて良かった」と話し、野村さんも「計算が好きなので勉強は苦にならなかった。機会があればさらに上の段を目指したい」と意欲を見せる。

 この春卒業し、4月から吉田君は水戸市内の会社が経営するガソリンスタンドに、野村さんは新函館農協に就職する。2人は「資格を生かしていきたい」と活躍を誓っている。(鈴木 潤)