2009年3月10日(火)掲載

◎函工高工業化学科1年生が危険物乙種第4類に全員合格

 函館工業高校(昆野茂校長)工業化学科1年生40人が本年度、危険物取扱者免許の乙種第4類に全員合格した。1年生の全員合格は今年で5年連続となる。入学当初から掲げていた「全員合格」の目標を達成した生徒らは喜びを爆発させている。

 この資格は危険物の取り扱いや定期点検業務などの際に必要で、特に乙種第4類はガソリンや軽油など各類の中で取得者が多い。同校では石油関連の就職に必要な上他の類の取得に有利なため、生徒の取得支援に力を入れている。

 生徒たちは授業終了後の補習にも積極的に参加し、互いに教え合うなどして勉強を続けた。試験は年4回あり、クラスメイトの半分以上は1回目で合格。2月の最後の試験で残りの1人が見事合格を果たし、5年目の全員パスを達成した。

 城地和宏HR委員長(16)は「不得意な人も最後まで頑張っていた。資格取得を通してクラスの友情が深まった」と振り返る。相澤浩恵副委員長(16)は「夜まで居残りして勉強して、教えてくれた先生にも感謝したい」。馬場隆副委員長(16)も「これからもしっかり勉強して頑張りたい」と話している。

 井元太一科長(45)は「補習に参加した生徒は全員が夜まで一緒に残り一生懸命で、保護者も協力してくれた。クラスの団結力も生まれた」と喜んでいる。(新目七恵)



◎「デイサービスな菜」で「はこだて武蔵」がラーメン振る舞う

 【七飯】七飯町藤城のNPО法人「デイサービスな菜」(牧野喜代志理事長)で9日、同町鳴川のラーメン店「はこだて武蔵」(小川博店長)のラーメンが振る舞われる「地域交流会」が開かれた。利用者や町民約120人が参加し、親ぼくを深めた。

 2007年6月に開店した同店が地域住民への感謝も兼ね、ボランティアでラーメンを食べてもらおうと初めて企画。同施設の呼び掛けで、ななえ福祉会藤城保育園の園児、近隣のお年寄りらが集まった。

 この日、同店スタッフが用意したのはしょうゆ、塩ラーメン。香ばしい香りに包まれた会場で、子どもたちは60―80代の利用者らと会話を楽しみながらおいしそうにラーメンをほお張った。

 佐藤快星君(6)は「すごくおいしかった」と笑顔。中渡ナツエさん(74)は「かわいい子どもたちとの食事なんて普段ないからとても楽しいよ」と話していた。

 小川店長(52)は「日ごろお世話になっている皆さんのためにも、今後もボランティアができれば」と話していた。(長内 健)



◎ホワイトデー商戦本格化

 14日のホワイトデーを前に、函館市内のデパートや洋菓子店では、バレンタインデーのお返しを買い求める市民が目立ち始めている。売り場には青やピンク色の飾りが施され、愛らしいラッピングに包まれた定番の焼き菓子や、ハンカチなどの小物がずらり。今週半ばには恋人や家族、同僚に喜ばれる品を熱心に品定めする男性客の姿があちらこちらで見られそうだ。

 同市若松町17の棒二森屋では、7日から特設売り場を設置。焼き菓子を始め、バームクーヘンやミルフィーユなど約300種類を用意した。今年は同市内の洋菓子店「パティスリーばら苑」のマシュマロ(525円)などが注目商品という。売り場では商品を選ぶ男性のほか、2人で品定めを楽しむカップルの姿も。同店担当者は「今年のバレンタイン商戦は2月初旬の出足が鈍く苦戦気味だった。その影響がお返しのホワイトデーにも出るのでは」と、気を引き締める。

 同市本町32の丸井今井函館店では、本命へのプレゼントとして8000円前後のネックレスなどが人気という。このほか、1000円程度のカラフルなデザインのエコバックやハンカチなどをそろえた。同店営業企画室の木村貴幸室長は「最初に女性1人で下見して目星をつけ、後日2人くる場合が多い」と話す。

 同市万代町3の洋菓子専門店ウィンド・ミルではホワイトデーに向けた特別商品として、くるみとチョコレートを使った「パウンドケーキ」(1050円)を売り出す。若杉誠士副社長は「どっしりとした食べ応えのある生地が特徴」と、14日までの限定商品をPRしている。

 各店とも500―1000円前後の商品が主力。商戦のピークは12、13日ごろとみている。(山田孝人)


◎歴史講座「道南の旧街道」 郷土史家・中村さんが講演

 函館市中央図書館主催の郷土の歴史講座「道南の旧街道」が8日、同図書館(五稜郭町)視聴覚ホールで開かれた。札幌市在住の郷土史家、中村正勝さん(83)が撮りためた旧街道などのスライドを解説し、会場を埋め尽くした市民約230人が“歴史散歩”を楽しんだ。

 中村さんは上磯町(現北斗市)出身で、郵便局勤務の傍ら道南の街道の変遷について歴史資料を調べたり、現地に赴いたりして調査。江戸時代から昭和後期に渡島管内にあった旧街道の写真や複写した道路絵図など約390枚分を閲覧用のスライドにまとめ、昨年夏に同図書館に寄贈した。

 講演では1965年から80年ごろにかけて調査・撮影した旧街道や街道沿いの神社、石碑、木造橋などを一枚ずつ解説しながら紹介。旧砂原町と七飯町を結んだ本願寺道路がバイパス機能を果たしていたことや、敵からの応戦に耐え得るよう直線道路がほとんどないことに触れ、「道路の変遷をたどることでその時代の建物や風情が見えてくる。道路は先人たちの残した血と汗の結晶」と熱弁を振るった。(森健太郎)