2009年3月11日(水)掲載

◎長崎屋函館店→低価格総合スーパー 「MEGAドン・キ」開業…7月下旬に業態転換

 大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」(東京)が、傘下の総合スーパー長崎屋函館店(函館市美原1)を7月下旬にも低価格総合スーパー「MEGAドン・キホーテ」として業態転換することが10日、分かった。店内の食品売り場の一部を半年間、賃料、共益費無料で提供する全国初となる起業家向けの新事業も展開。消費不況に伴う逆風下の流通業界で反転攻勢をかける。

 MEGAドン・キは低価格販売を売りに、海外ブランド品や輸入雑貨をはじめ、日用品から家電製品、生鮮食品など約12万点の品ぞろえが特徴。昨年6月、千葉県内に1号店が誕生し、道内では「旭川店」が同11月に開店。函館は4月に開業予定の西帯広店に続く道内3店舗目となる。

 長崎屋函館店は1980年にオープン。地上2階地下1階建ての売り場面積はテナントも含め約2万2600平方メートル。店の内装を中心にリニューアルする予定で、既存のテナントやポイントカードはほぼ継続する。現行の営業時間の延長も検討している。

 通称・産業道路沿いに位置する長崎屋函館店の主要購買層は50代前後だが、近隣にはファミリー層も多く、同社が主力とする30代前後の客層も取り込む狙いだ。同社は「日常的に使ってもらえる低価格商品を拡充していきたい」とし、長崎屋が得意とする生鮮食品を生かしながら他店との差別化を図る。

 新事業は、精肉、鮮魚、青果、総菜の生鮮4部門のテナントを全国から募集し、「一国一城会」と銘打った“私設商店街”をつくる計画。出店に伴う保証金も無料で、開業7カ月目からの賃料は3・3平方メートル当たり月額1万円程度とする。

 函館店の地下1階にある食料品売り場の直営部分約3700平方メートルのうち、約1300平方メートルを30区画に分けて提供。開業時に必要な設備資金や光熱費などは自己負担だが、金融機関から借り入れる際、ドン・キ側が融資枠無制限で連帯保証人となる破格の条件だ。

 同店は生鮮品の生産地が近く、施設の立地条件も整っていることから第1号の候補地に挙がった。今後は「MEGAドン・キ」業態の食品売り場を中心に道内各店や全国に広げたい考え。出店希望者は同社ホームページ(http://www.donki.com/ikkokuichijyokai/)から登録し、4月中旬に札幌市内で実技や面接審査を行う。

 既存の「ドン・キホーテ函館七重浜店」(北斗市七重浜7)は営業を続ける。同社は「対面販売や顔が見える安心感を売りに、函館の地域活性化につなげたい」と意気込んでいる。問い合わせは同社経営戦略本部広報課TEL03・5381・7592。(森健太郎)



◎丸井今井存続願い署名1万3000人分提出…本町地区5団体

 民事再生手続き中の道内最大手百貨店、丸井今井(札幌)函館店の存廃問題をめぐり、函館市内の本町・五稜郭地区の商店街5団体の代表が10日、これまでに街頭や加盟店などで集めた市民ら1万3000人分の署名を市に提出した。

 この日、市役所を訪れたのは五稜郭商店街振興組合(小島正彦理事長)、協同組合五稜郭(久保一夫理事長)、新都心五稜郭協議会、五稜郭商工親和会(ともに中野豊会長)、本町仲通り会(三品賢治会長)の役員ら約10人。備前悟経済部長にそれぞれ署名簿を手渡した。

 署名活動は2月3日から順次開始。五稜郭商店街振興組合は2月中旬にも1万845人分の署名を市に提出している。備前部長は「予断を許さない状況だが、存続に向けて皆様と頑張りたい。スポンサー候補の動きがあれば、市としても要望する」と述べた。

 丸井今井のスポンサー支援候補には高島屋(大阪)と三越伊勢丹ホールディングス(東京)が名乗りを上げているが、5団体の関係者からは「地方店存続に意欲的な高島屋の方が脈がある」、「丸井今井でなくても大型店であればいいとの声もある」との意見も聞かれた。(森健太郎)



◎情報処理検定試験プログラミング部門・函商高の高田、玉田さん1級に満点合格

 函館商業高校(三浦法久校長)情報処理科3年生の高田恵美さん(18)と玉田早紀さん(18)が、全国商業高校協会主催の第40回情報処理検定試験のプログラミング部門1級を満点で合格した。1級を満点合格したのは、道内の高校生で9人、函館市内では同校の2人のみ。

 この試験はコンピューターのプログラミングの基礎や情報の活用能力を習得させる内容で、1―3級がある。最も高度な1級の同部門は、専門用語や計算などを問う60分間の筆記試験で、今回の合格率は51・7%だった。

 同校では生徒の高度な資格取得を支援するため、本年度から3年生の選択授業に取り入れ、31人が受講した。1月の試験には希望した2年生を含む43人が臨み、うち24人が合格した。同校の1級満点合格者は7年ぶりという。

 満点合格者には主催団体から表彰状とトロフィーが送られ、9日に函館市昭和町の同校で贈呈式が行われた。

 春から市内の会計事務所に務める高田さんは「暗記に力を入れ、補習にもできるだけ参加した。自分の勉強が結果に表れてうれしい」と喜ぶ。玉田さんも「合格する自信もなかったので、満点は信じられなかった」と振り返り、「4月から札幌の医療事務の専門学校に進むので、他の検定取得のためしっかり学びたい」と話している。

 情報処理の授業を担当する岩上公作教諭(37)は「2人は試験の前日まで補習に出るなど頑張っていた。地道に取り組んだことが今回の結果につながった」と教え子の快挙を喜んでいる。(新目七恵)