2009年3月2日(月)掲載

◎「ハイカラ衣裳館」営業開始

 華やかなドレスを身にまとい、館内見学を楽しめる旧函館区公会堂(函館市元町11)の貸衣装「ハイカラ衣裳館」が1日、今季の営業を開始した。早速、同館を訪れた観光客らがドレスやえんび服に着替え、異国情緒あふれる特別な気分を味わった。

 衣装は全74着あり、女性向けのドレスが中心だが、男性用や子ども用も用意され、観光客だけではなく市民の利用も多い。観光客数の落ち込みに伴い公会堂の入館者数は減少しているが、昨年の衣装の利用は過去最高となる前年比1645人増の1万4319人。新たに導入したヘアメークも約7000人が体験するなど好評だった。

 宮城県仙台市から観光で函館を訪れていた大崎昌喜さん(32)と美香さん(32)夫妻は、衣装を身にまとい“りりしい紳士”と“麗しい貴婦人”に変身。2人は「似合っています。普段、着ることがないので楽しいですね」と話し、互いの写真を撮り合うなどつかの間の貴族気分を満喫していた。

 衣裳館の営業は12月25日まで。衣装レンタルは20分1000円、ヘアメークは1000円。公会堂の入館料別。問い合わせはTEL0138・22・1001。(今井正一)



◎公立高校で卒業式、恵山高で最後の13人旅立つ

 道内の公立高校で1日、卒業式が行われた。渡島・桧山管内でも全日制26校、定時制3高の合わせて2817人(2月1日現在)が巣立ちの日を迎えた。このうち今年度で閉校となる市立恵山高校(日向稔校長)では、最後の卒業生13人が父母や教職員らが見守る中、胸を張って式に臨んだ。

 1970年の開校以来、地域とともに歩んできた同高。この日の卒業生を含め、1112人を社会に送り出してきた。一人ひとりに卒業証書を手渡した日向校長は「地域発展のための基礎学習機関としての意義を全うし、この学校は今日で39年の歴史に幕を閉じる。みなさんが有終の美を飾るにふさわしい誇れる卒業生であることを確信している」と式辞を述べた。

 卒業生を代表して、三好忠弘生徒会長は「母校がなくなってしまうことは寂しいが、13人の同級生が全員無事に卒業できたことは本当にうれしい。仲間に支えられ充実した学校生活を送ることができた。先生と生徒の強いきずなで結ばれた最高の学校だった」と惜別の言葉を述べた。

 また会場には、昨年11月に同校で出前授業を行った料理研究家の枝元なほみさんも駆けつけた。枝元さんは「もう一度みなさんに会いたくて、飛んできました。美しい海と恵山に囲まれた素晴らしい自然環境の中で3年間勉強できたことを大きな財産として、今日を新たな始まりとして羽ばたいてください」とエールを贈った。(小川俊之)


◎4月から函館市、緊急雇用継続し50人

 緊急雇用対策で1月から3月まで臨時職員53人を採用している函館市は、4月以降も対策を継続し、50人を6カ月間採用する。現在の53人は3月末で予定通り契約を終了するが、続けて就労を希望する場合は改めて申し込むことができる。市人事課が現在、各部からの募集人数や職種を集約しており、3月中旬ごろには募集する予定。

 同課によると、現在の緊急雇用で継続が必要な業務は継続し、新規に必要な業務と合わせて50人を採用する。予算は半年間で約4500万円。応募者の居住地や年齢、採用条件などは今後、労働政策室と協議して決める。募集は函館公共職業安定所を通して行い、採用は各部が面接して選考する。

 緊急雇用とは別に、年度初めから採用する事務補助など通常の臨時職員の募集も続ける。同課によると、本年度は4月1日採用で34人(1年間や数カ月単位)を募集したが、緊急雇用の50人は別枠のため、例年通りの募集となる。人数は未定。

 また、市は4月から臨時職員の日額給料を上げる。一般的な事務補助の場合、現在は5430円だが、1年間働く臨時職員の冬期加給金や手当なども加えた年額を実労日数で割り、日額6060円とする。加給金などがなくなり年額ベースでは同額だが、期間が短い採用の場合、日給が630円上がるメリットがある。(高柳 謙)


◎旧英国領事館が改装オープン

 函館市が改装整備を進めていた旧イギリス領事館(同市元町33)が1日、オープンした。外国船でにぎわう往時の函館を知り、国際色豊かな味わいある町として発展してきた開港の歴史をたどることができる。

 現在の建物は1913年から34年まで実際に領事館として使用し、92年からは開港記念館として改装し、一般開放された。近年、入館者の落ち込みが続いていたことから、開港150周年記念の一環として、港とともに発展した函館の歴史を紹介する施設として、展示物の刷新を図った。

 オープンセレモニーには、市内の観光関係者ら約50人が出席。西尾正範市長や阿部善一市議会議長、同館内に事務局を持つ函館国際観光コンベンション協会の沼崎弥太郎会長らがテープカットした。西尾市長は「イギリス領事館は函館開港の歴史を紹介する観光の大事な資源。実際に触って楽しむことができる施設になった」とあいさつした。

 この日は、無料開放されたこともあり、大勢の市民や観光客らが訪れ、新たに公開された領事の執務室内や開港当初のにぎわいを伝える床一面の「箱館真景」などを楽しんでいた。

 入館料は一般300円、学生以下150円。問い合わせはTEL0138・27・8159。(今井正一)


◎全書芸の全国書初大会で小林さん最高賞

 函館市東山の小林奏美(かなみ)さん(道教育大附属函館小4年)はこのほど、全日本書芸文化院(全書芸)主催の第60回全国書初作品大会で、最高賞の文化院賞に輝いた。画仙紙に課題の「雪ふる里」を、体を使い、力強く、躍動感に満ちた明るい文字を書いたことが高く評価された。

 今年の同大会には、小学から高校までの学生の部に約8500点の応募があったが、このうち小学4年生の文化院賞はわずか12人。本道からは小林さんと千歳の児童が選ばれた。

 小林さんは1年のとき、友だちが書道をしているのを見て自分もやってみようと思い、自宅近くの岡田静園さんの書道塾に通い始めた。岡田さんは「教えたことに対する理解力があり、芸術性にあふれた字を大胆に書く。50年間書道を教えているが、小林さんの才能には驚いている」と話す。めきめきと力を伸ばし、現在は同文化院小学生の部で3段の実力をつけている。

 練習は昨年11月ごろから開始。始めは一文字ずつを半紙で書き、12月に入ってから画仙紙に書いた。岡田さんは「字を明るく見せるために、リズムを大切に書くこと」と指導。小林さんは書道のほか、ピアノと歌にも取り組んでおり、岡田さんの言葉の意味をしっかり理解し、のびのびと書いた。自分の体ぐらいある大きさの紙に字を書くことに「文字の間隔を考えながら書くことが大変だった。4文字の中で『里』が一番難しかった」と振り返る。計21枚したためた中から自身で選んだ1枚を出品した。

 受賞の知らせを聞いた小林さんは「びっくりした。(習字は)まだ続けていきたい」と笑顔。岡田さんは「入賞率が3%未満の中、その中の最高賞は立派。これからも頑張ってほしい」と期待を寄せていた。(山崎純一)