2009年3月23日 (月) 掲載

◎函館開港150周年まで100日、機運高めようとイベント

 函館開港150周年記念式典が開かれる開港記念日の7月1日まで23日でちょうど100日。22日には函館開港記念事業実行委員会(会長=西尾正範市長)主催の100日前イベントが行われ、記念行事を盛り上げていこうと活気づいてきた。一方、市民への周知や協賛金、寄付金の獲得など課題も残されている。市民参加の記念行事として機運をさらに高めていく必要がある。(鈴木 潤)

 開港記念日の7月1日には市民会館で記念式典が行われるほか、8月8―16日までの9日間にわたり函館港緑の島を「DREAM BOX150」と称して、「食」「音楽」「スポーツ」のそれぞれをキーワードとした多彩なイベントが繰り広げられる。

 「食」をテーマとしたイベントは「HAKODATE国際フィッシャーマンズマーケット」と称し、水産関連のシンポジウムや全国の水産物展示販売などを予定。「音楽」では、7―14日まで「はこだて国際民俗芸術祭」、8日に「PMFコンサート」、16日にベアフットコンサートなどを開催。「スポーツ」では9日、15日に陸、海の2会場で楽しめる「Dream BOXスポーツフェスタ」を開く。

 また会場の全体のにぎわいを創出するイベントとして、プラネタリウムや開港の歴史展、ヨット体験試乗なども企画している。

 イベント内容は開催の半年前の段階でもなかなか決まらなかった。イベント運営に実績のある神奈川県在住の岩堀恭一氏をプロデューサーに迎え、事業の具体案を固め、2月12日に開かれた実行委員会の会議でようやく内容が決まったという。

 計画の遅れにより思うように情報発信ができなかった分、市民への周知不足は否めず、市議会の定例会でも複数の議員が準備の進ちょく状況や実行委の体制をただす質問が相次いだ。これに対し、西尾市長は「今後は市民への周知を進めたい」と、ばん回を期している。

 記念事業の予算は総額1億2000万円を計上している。このうち市の負担金が4000万で、残りを企業、団体の協賛金や、町会連合会や経済の団体からの募金として募っている。現時点では各種団体からの募金は10団体から2120万円となっており、実行委は「企業や団体に広く協力を呼び掛けていきたい」としている。



◎100日前イベント、一足早く“誕生日”祝う

 函館市末広町の金森ホールで22日に開かれた、100日前カウントダウンイベント「150回目のHappy Birthday(ハッピー・バースデイ)」(函館開港150周年記念事業実行委員会主催)では、市民らが紙芝居やライブなどさまざまな催しを楽しんだ。

 開港記念日の7月1日の100日前は正確には3月23日だが、休日の22日に繰り上げての実施となった。

 会場では、市内のケーキ職人2人が1・5メートル四方の巨大バースデーケーキ作りに挑戦。出来上がったケーキに立てられた150本のろうそくに明かりがともると、来場者は「ハッピーバースデー」を歌い、クラッカーを鳴らして一足早い開港150周年の“誕生日”を祝った。その後、先着300人に切り分けられたケーキが配られた。

 ペリー来航時の函館の様子を物語りにした紙芝居や市内で活動する2人組のアーティストのミニライブも行われ、150周年記念グッズの販売コーナーも開設された。

 家族とともに市内旭町から訪れた秋元桂子さん(43)は「紙芝居や塗り絵のコーナーが楽しかった。これから市民皆で盛り上がって元気になれば良いですね」と話していた。(鈴木 潤)



◎函館子ども歌舞伎創立20周年祝う

 函館子ども歌舞伎(市川団四郎主宰)の創立20周年記念式典、祝賀会が22日、函館国際ホテル(大手町5)で開かれた。後援会(小玉陽造会長)の会員や関係者約180人が出席。節目を祝い、子どもたちへのさらなる支援を誓った。

 函館子ども歌舞伎は1989年2月に開かれた「初春巴港賑(はつはるともえのにぎわい)」で子どもだけで上演した「絵本太功記十段目」がきっかけで設立された。この日の式典などは同後援会が主催。小玉会長は欠席したが、ビデオメッセージであいさつが紹介され「日本一の子ども歌舞伎となったのは、日本一の文化を誇る函館の市民のおかげ」と感謝を述べていた。市川主宰は「自主公演を成功できたのは、すばらしい子どもたちに巡り会えたおかげ。今後も良い芝居を演じ、市民の期待に応えることがわたしの使命」とあいさつした。

 祝辞として西尾正範市長が「子どもに伝統文化を受け継ぐ過程で豊かな心を育てるのは全国に例がなく、市も子ども歌舞伎育成を支援していきたい」、函館文化会の関輝夫顧問が「第一の功労者である小玉さんが出席できないのは残念だが、皆さんの隣に小玉さんが居るつもりで式典、祝賀会を進めてほしい」と述べた。続いて長年の活動に協力した団体・個人計13組を表彰。この日出席した10組に市川主宰らが感謝状を手渡した。

 その後行われた祝賀会では、来賓の市教委の多賀谷智教育長が「日本古来の美しい心を身につけて活動する子ども歌舞伎の団員は函館の希望。街に希望の光を放ってほしい」と祝辞を述べ、祝宴に入った。ステージでは昨年11月に市民会館で開かれた「創立20周年記念第八回函館子ども歌舞伎」の主なシーンが再現されたほか、このほど完成した「ビデオで綴る20年」が上映された。出席者は懐かしい舞台に見入っていた。

 同後援会はこの日を機に、活動を後世に残そうと記念誌「感動と歓び更なる夢に」を作製。第1回からの自主公演を写真で振り返っている。A4判で800部を発行し、後援会員、関係者に配布した。(山崎純一)



◎函館市新年度、市政モニター実施へ

 函館市は新年度、広報・公聴体制の一部を変える。市政に対する意見や提案を随時寄せてもらう市政モニター制度を創設し、施策の浸透度を把握しながら住民要望に応えた市政運営を目指す。広報も効果的、効率的にし、毎月発行の広報誌「市政はこだて」に年4回の「水道局だより」と年1回の「環境ニュース」を組み込み、印刷費や配達経費の削減を図る。

 市政モニターは西尾正範市長の公約。市の公聴体制は広報課が「市民アンケート」「市長への提言」を年1回ずつ実施しているほか、市民部で随時受けている「市民の声」、移動市長室や各種団体との意見交換などの場がある。

 市広報課によると、1967年からテーマを定めて実施している市民アンケートの回答率が低くなり、一方で近年は計画の策定や事業の実施、条例策定などの際にパブリックコメント(意見公募)を実施し、市民からの意見聴取がしやすくなった面もある。このため市民アンケートを廃止し、新たに市政モニター制度を実施することにした。

 モニターは公募で、地域や年齢層、男女比のバランスを取りながら委嘱する。任期は2年で、年2回のモニター会議のほか、日常的に地域で課題になっている市政の課題などを随時報告してもらう。テーマが大きくなる場合には全市的なアンケート実施などを柔軟に考えるという。

 広報面では、年4回発行の水道局だよりを市政はこだてに組み込む。市水道局庶務課によると、たよりは情報を吟味することで8ページから4ページに減らし、印刷経費で710万円、配布手数料で260万円程度の節減効果を見込んでいる。

 市環境部が年1回発行している環境ニュースも市政はこだてに組み入れることで、経費節減を図る。

 市の広報は全戸配布で、広報課によると、種類が多い半面、別々に契約して配布することからコスト面の課題があった。(高柳 謙)



◎支庁再編・改正案の提案時期が鍵に、あす直接会談

 函館地方中古自動車販売事業協同組合(JU函館、矢代善彦理事長)の中古車展示販売会「春のスタートダッシュフェア」が21日、函館市西桔梗246の同組合特設会場で始まった。

 同組合が毎年春と秋の年2回開いている展示販売会で、今回は同組合に加入する中古車販売会社14社が約400台を展示、販売している。

 会場には、トヨタやホンダなど各メーカーの人気車種や新型車、高級車が並び、価格も支払い総額20万円から100万円台とさまざま。ハイブリット車や福祉車両も取りそろえ、来場者は運転席をのぞいたり、販売員に質問するなどしながら好みの車両を品定めしていた。

 車両の展示販売のほか、ラジコンカーの体験コーナーや購入者を対象に加湿器などが当たる抽選会も行われた。

 矢代理事長は「組合としても社会福祉に貢献したいとの思いでフェアを続けている。多くの人が楽しめるようイベントも企画した」と話している。

 同フェアは22日も午前9時から同会場で開催し、ラジコンカーレース(同8時半から出場者受け付け)やイカロボット体験講座(同10時から)などが行われる。(鈴木 潤)