2009年3月27日 (金) 掲載

◎こどものくにもうすぐ

 長年にわたり多くの市民に親しまれている函館公園(函館市青柳町17)内の遊園地「こどものくに」が29日にオープンする。開園を間近に控えた同園では、職員らが慌ただしく遊戯施設の点検や塗装作業などに追われている。

 同園は1956年5月に開園。観覧車は65年に七飯町大沼湖畔東大島から移設された国内で稼働する最古のもの。

 冬期間は休業している同園は、今年も例年通り2月中旬から塗装を始め、3月初旬からは本格的に整備作業などを開始。当初は雪が少なかったなどの理由から20日にオープン予定だったが、今週の空模様が雪と予想されたため1週間ほど延期となった。

 昨年におむつの交換台や身障者用のトイレなどが新設され、通路の舗装も整備されるなど、より快適に遊べるようになった。今年は4月中旬に新しいアトラクションの設置を現在検討中という。熊谷有未統括係長は「小さい子どもでも思いっきり楽しめる遊園地なので、今年も多くの人に来園してほしい」と呼び掛けている。

 営業期間は11月中旬までの予定。開園時間は土日、春休み、夏休み、ゴールデンウイーク期間中は午前10時―午後5時。そのほかは午前11時―4時。入園無料、アトラクションの搭乗は有料。問い合わせは0138・22・5039。(山田孝人)



◎ことしも8月に国際民俗芸術祭 スポンサーパスきょうから販売

 世界各地のアーティストが伝統舞踊や音楽を披露する「はこだて国際民俗芸術祭」(組織委主催)が、今年も8月に函館市内で開催される。今回はスペインやアイルランド、台湾などの11団体が参加し、内容や規模は昨年の倍となる。特典たっぷりの枚数限定スポンサー・パスも27日から発売を開始し、芸術監督のソガ直人さんは「ぜひ買ってたくさん足を運んで」とPRしている。

 同芸術祭は各地の文化を鑑賞、体験する喜びを共有し、函館を世界に発信するのが目的。昨年に続き2回目の開催で、市民有志が運営する。

 本祭は8月7―13日の7日間。元町公園を会場としたフリーステージのほか、踊りを体験するワークショップや市民会館での特別公演、緑の島での「国際フォークダンスパーティー」など盛りだくさんの内容を計画している。

 出演団体は昨年からすべて入れ替わり、スペインのバレエ団「アラ・デ・マドリード」やイタリアのフォークダンスグループ「ダンゼリーニ・ディ・ルシニコ」、クック諸島の舞踏グループ「イーマチケ」など。全団体が楽隊を同行するため、出演者は約220人となる見込み。

 キックオフ企画として、5月28日午後7持から函館市芸術ホールでライブを行う。ひのき屋のほか、台湾ブヌン族の女性歌手とモンゴルの馬頭琴奏者も出演する。

 スポンサー・パスは市民向け(1枚2000円)と企業・団体向け(同1万円)の2種類を用意。市民向けは関連イベント(各前売券2000円)や5月のライブ、ワークショップなどすべて無料招待になる。開催期間中、函館バス運行の「レクサ函館」乗り放題なども付く。1000枚限定で、ローソンチケット(Lコード17419)のほか、ヒトココチか市地域交流まちづくりセンター内オタジィラで取り扱う。

 ソガさんは「より国際色豊かに昨年以上のボリュームで開くのでぜひ参加を」と話している。ボランティアスタッフも募集中。問い合わせはヒトココチTEL0138・51・5727。(新目七恵)



◎長期補助金の見直し指摘…函館市包括外部監査

 函館市の包括外部監査人、北川勝弘税理士は26日、2008年度包括外部監査報告書をまとめた。本年度の監査テーマは「補助金等に関する事務執行状況」で、監査対象とした54件の補助金交付のうち、6割が20年以上にわたり支出されていた。北川監査人は「長期にわたる補助金が多く、従来の支出を見直し、時代に合った本当に必要な補助金を新設すべきではないか」と述べた。

 市の行財政改革の中で補助金の見直しが挙げられていることから、目的や効果を検証し、管理が適正に行われているかを監査した。

 市単独の補助金で、各部局の07年度決算額の上位数件ずつを取り上げ、監査した。交付手続きに問題があったり、交付先からの必要な添付書類がない場合は「不適正」として10件を指摘した。手順、手続きは適正でも、補助金の使われ方が好ましくない場合は意見を74件付した。

 市民部の「国民健康保険協力会奨励金」は、町会単位で組織する122協力会に906万円を支出した。手続きは適正だが、本来の交付対象条件を満たしているのは2町会しかない。口座振替などが進み、協力会で収納している国保料は全体の6・37%しかないことから、制度の廃止を検討すべきとした。

 市からの借入金で市社会福祉協議会が実施している応急生活資金貸付事業は、6700万円の貸付残高のうち死亡や破産、居所不明で1600万円が不良債権化していることを指摘。市の新たな財政負担とならないよう、福祉部に早急な検討を求めた。

 企画部の「ロシア極東大函館校支援補助金」は毎年3000万円。対ロシア交流の拠点性を高め、地域の国際性を上げるという交付理由は極めて有意義だが、学生数が定員を大幅に割っているため、経営健全化計画の提出を求め、成果を検証すべきとした。

 恵山支所の「敬老会事業費補助金」は90万円だが、敬老会の出席率は21・74%。領収書を照合しても、本来目的の敬老会開催の経費なのか疑問を持つものが多い、との意見を沿えた。

 北川監査人は26日、監査報告書を西尾正範市長に提出。市は指摘事項や意見を所管部局に伝え、改善に向けた検討を指示する。

 監査機能を高める包括外部監査は中核市の義務規定で、市は05年度から実施している。 (高柳 謙)



◎条例改正案めぐりで空転…支庁再編

 【札幌】開会中の第1回定例道議会は最終日の26日、高橋はるみ知事と道町村会、道市長会など地方4団体が合意した支庁再編条例(総合振興局設置条例)の改正をめぐる予算特別委員会の知事総括質疑に入ることができず丸一日空転。会期を27日まで再延長した。道は26日の改正案提案を断念。あらためて27日中の提案を目指す。知事与党の自民党道民会議では、提案の是非をめぐる会派内の意見集約が難航し、予特委での知事答弁を見極めた上で対応を執行部に一任する方針を決めた。野党の民主党・道民連合は会期末間際の提案に反発。提案の延期や継続審議を求める空気も広がっている。

 予特委は26日、高橋知事に対する総括質疑を予定していたが、自民党の意見集約が進まずに質疑の準備が大幅に遅れ、午後9時半を過ぎた時点でも審議が空転している。26日中に本会議開会のメドが立たないため17日に続いて会期を27日に再延長した。道は27日中にも改正案を提案する構えだが、新年度予算案をめぐる予特委での質疑、本会議の議事や常任・特別委での審議が控えているほか、年度末を目前に大幅な会期延長も困難なため、会期内での条例成立は依然として不透明な情勢だ。

 本年10月に新支庁体制に移行する方針を示した知事サイドは、条例施行までの周知期間を3―6カ月としており「6月定例会での継続審議が現実的だ。10月まで3カ月の周知期間を確保できる。委員会付託など所定の手続きを踏まずに採決しても禍根を残す」(関係者)との声もある。

 自民党では、高橋知事が道町村会など地方4団体の要求を“丸のみ”した形での合意に反発が拡大。再編推進派は「改正案では看板の掛け替えに過ぎない。改革の実効性が確保できない」と主張。慎重派の道議は「改正案は現体制と変わりがない。条例を破棄して一から議論をやり直すべきだ」として、再編議論のやり直しを要求している。さらに「施行前の条例を大幅修正することは前代未聞。条例を可決した議会の権威を損ない議会軽視につながる。与党と言えども改正案を丸のみすべきではない」との意見も上がるなど、会派内の調整は混乱。事態の収拾に向けて同日夜に開かれた議員総会では、予特委での知事答弁を踏まえて対応を執行部に一任することを決めた。しかし、野党の民主党・道民連合などは、十分な審議を行わずに採決を強行することに反対しており、27日の議会審議も予断を許さない情勢だ。(松浦 純)



◎来月5日「公民館マチネ」…プロ、アマ23人出演

 函館市公民館活性化ネットワーク「イキ!ネット」(松石隆代表)主催のクラシック演奏会「公民館マチネ」が4月5日午後2時から、市公民館(青柳町12)で開かれる。第10回を迎えた今回は函館開港150周年記念連携事業と大作曲家ヘンデルの没後250周年に合わせ、ヘンデルの管弦楽組曲「水上の音楽」、オペラ「リナルド」の抜粋を用意。プロの演奏家からアマチュアまで総勢23人が出演する演奏会で、メンバーは練習に励んでいる。

 公民館マチネは、1933年に完成した市公民館を市民会館や市芸術ホールに次ぐ演奏会場としてPRすることなどを目的に2007年2月にスタート。以来、さまざまな演奏形態でコンサートを開き、クラシック好きや市公民館に愛着を寄せる市民らの好評を得てきた。

 出演はチェンバロ奏者で音楽監督も務める森洋子さん、函館出身のソプラノ歌手、佐藤朋子さん、野寺美友紀さん、東京で活躍するテノール歌手の長尾譲さんといった豪華な顔ぶれ。器楽演奏は松石代表(フルート)や渡辺拓也さん(バイオリン)ら公民館マチネ合奏団が担当する。また、プログラムの曲目解説は日本を代表するヘンデル研究者で道教大函館校の三澤寿喜教授が執筆。出演者、スタッフの大半が函館出身者や在住者で占められていることも大きな特色。

 森さんは「『公民館マチネ』を始めてから会場を活用する各種イベントが少しずつ増えてきているし、訪れる市民も多くなっていると思う。オペラと器楽合奏はもちろんのこと、雰囲気のある公民館そのものも楽しんでほしい」とPRしている。

 チケットは1000円。市公民館、松柏堂プレイガイド各店、ヤマハアベニュー五稜郭店などで販売中。また函館バスとの協賛で当日は臨時便「公民館マチネ号」を運行する。問い合わせは事務局TEL090・1389・2813。(長内 健)