2009年3月3日(火)掲載

◎横浜で両市長、開港150周年 互いに祝福

 【横浜】横浜市とともに開港150周年を祝おうと、函館市の記念事業実行委員会(会長・西尾正範市長)は1、2の両日、横浜港に接岸した東日本フェリーの高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」の中でパネル展や交流セレモニーを開いた。西尾市長と横浜市の中田宏市長、両市の経済界代表らが出席し、未来に向けたまちづくりを誓った。

 横浜を中心とした首都圏で函館をPRし、ともに開港150周年を迎えた2港間で交流を深めようと、函館市が企画した。高速船「ナッチャン」は昨年10月末まで青函航路で運航。和歌山県の造船所でメンテナンスを受け、2月28日に横浜港へ入港した。

 函館市実行委によると、2日の交流セレモニーで西尾市長は「函館、横浜の両市は開港150周年を機に、未来に向けてまちを開く取り組みを進めている。これを契機に両市の連携、交流を深めたい」とあいさつ。中田市長が「開港5都市というが、真に1859年に開港したのは横浜と函館。8月の記念イベントではぜひ函館を訪問したい」と述べ、互いの150周年記念ポスターに両市長がサインし、交換、握手した。

 船内では両日、函館の歴史や文化、観光地、150周年記念事業などを紹介するパネル展も開催し、1日だけで3850人が訪れる人気だった。高速船「ナッチャン」の人気も手伝い、家族連れや船の愛好者らが船を写真に収める姿も見られたという。

 西尾市長のほか、函館商工会議所の森川基嗣副会頭、函館国際観光コンベンション協会の沼崎弥太郎会長、函館港湾振興会の兵頭法史会長ら約15人が出席。セレモニーには両市の関係者約200人が出席した。(高柳 謙)



◎定額給付金、乙部で申請手続き開始、七飯も書類発送

 【七飯、乙部】定額給付金の申請手続きが2日、道南のトップを切って乙部町で始まった。同町の現金給付は17日、口座振り込みは26日の支給開始となる。渡島管内では同日、七飯町が申請書類の発送作業をスタート。早ければ3日にも対象者に郵送され、4日から受給申請受け付けを開始し、実際に対象者に給付金が渡るのは25日ごろからとなる予定。

 七飯町の給付対象者は2万9038人(2月1日現在)で支給総額は約4億4700万円。この日は、約1万2000世帯へ向けた申請書類を七飯郵便局の車2台に積み込んだ。同局では3日から発送をする。

 同町では住民の利便性を考慮し、申請及び給付の方法として(1)窓口申請方式(窓口で申請、口座振込みで受け取り)(2)郵送申請方式(郵送で申請、口座振込みで受け取り)(3)窓口現金受領方式(窓口で申請、現金で受け取り)の3通りを用意。窓口での受け付けは同町役場、大中山出張所、大沼出張所で随時行うほか、3月9日から24日まで、町内21カ所に巡回特設会場を設けるなど円滑な支給に向けた体制を整えている。

 町総務課では「手続きの簡略さと安全性を考え、できる限り窓口申請方式を利用してほしい」と呼びかけている。

 渡島管内の他の自治体では福島町が3日、知内町が5日に申請書類の発送を予定しており、北斗市と函館市を除く7町では中旬までに発送を終える予定。給付時期はまちまちだが、七飯に加え、鹿部、福島、知内などは3月中に開始したいとしている。(小川俊之)

 乙部町では2日、300人を超える町民が申請手続きに訪れた。先週から複数回に分けて申請書類を郵送。町役場のロビーに設けられた専用窓口で、口座振り込みや現金給付の手続きを行った。町内の60代女性は「孫に何か買うことができれば。残りは生活の足しにしたい」と話していた。

 乙部町の支給総額は7308万円。2月1日現在の支給対象は4604人で、このうち65歳以上は1540人、18歳以下は689人。

 町は給付金絡みの犯罪防止に向けて、申請書類は複写ができない特殊な用紙を使い、配達証明郵便で発送。窓口には“振り込め詐欺”への注意を呼び掛ける張り紙を掲示。申請時にも免許証や健康保険証などの本人確認が可能な証明書の提示とコピーを求めた。証明書を持たない町民は、顔なじみの町職員が本人と確認した。担当職員は「顔パスは何よりも確実な方法。地方ならではの利点ですね」と語った。

 同じく申請書類の発送を始めた江差町では5日から手続きを開始するが、2日朝には早くも書類を手にした町民が相次いで町役場を訪れるハプニングもあり、町は申請開始を前に書類を一時預かりとするなどの対応を講じたという。(松浦 純)


◎冬期間気象まとめ、高温多雨で暖冬

 函館海洋気象台は2日、管内の2月と冬期間(2008年12月―09年2月)の気象状況をまとめた。この冬は函館、江差とも高温多雨で雪は少なく推移し、函館の平均気温は平年より1・9度高い0度。06―07年以来の暖冬となり、衣料品などの冬物商戦にも影響を与えたようだ。

 函館の2月は1月に引き続き、冬型の気圧配置が長続きせず、前線を伴った低気圧の通過が多く降水量も増えた。平均気温は氷点下1・2度で平年より1・3度高く、降水量は平年より41・8ミリ多い102ミリだった。江差の平均気温は0・4度で平年より1・2度高く、降水量は51・6ミリ多い114ミリだった。

 冬期間を通しても寒気の南下が少なかったことや、冬型の気圧配置になる日が少なく暖冬となった。平均気温は管内全域で高く、江差は平年より1・6度高い1・5度だった。この90日間で、函館は真冬日が15日(平年30・5日)と半分、1日の平均気温が平年を下回ったのは3分の1以下の26日間だった。氷点下10度を下回ったのは2月19日の1日のみだった。

 降雪は長万部や熊石は多かったが、そのほかは少なく、函館は256センチ(平年309センチ)、江差は193センチ(同298センチ)だった。降水量は函館296・5ミリ(同210・6ミリ)、江差は371・0ミリ(同247・6ミリ)でかなり多かった。日照時間は函館でかなり少なく270・6時間(同316・2時間)、江差は平年並みの165・9時間(同157・1時間)だった。

 暖冬傾向により、市内のスーパーやホームセンターでも影響が見られた。イトーヨーカドー函館店(美原1)では冬物衣料品の売り上げが例年になく厳しく、シーズン初めは灯油価格が高かったため、こたつを多めに並べたが売れ行きは伸び悩み、1月末で撤去したという。

 また、イエローグローブ港町店(港町3)では、除雪用品の売れ行きは例年の半分程度だったという。暖房器具は小さなファンヒーター、カーペットの下に敷くアルミのマットや湯たんぽなど、省エネ暖房グッズなどは比較的好調だったが、それでも、平年の8割程度にとどまった。同店では「暖冬だけではなく、昨秋以降の景気の急激な悪化も原因の1つでは」と話していた。(山崎純一、山田孝人)


◎函館高専と知内町教委が教育・研究の発展に向け協定

 函館工業高等専門学校(長谷川淳校長)と知内町教育委員会は2日、双方の教育・研究の充実、発展に向けた「連携に関する協定」を同校で締結した。長谷川校長と同教委の斉藤徹全委員長が協定書にサインし、互いに連携して理系教育の推進などに協力していくことを確認した。

 同校が自治体の教育委員会と単独で協定を結ぶのは初めて。2007、08年度に知内町で歴史や環境に関する出前講座を実施した実績から、今後も長期計画での連携事業がスムーズに実現できるよう組織的な協力関係を構築する狙い。

 協定により、両者は互いに人的、知的資源を活用し、(1)町立学校の児童・生徒を対象に出前講座などの多様な学習機会をつくる(2)町民を対象にした教養講座などの生涯学習の機会を提供する(3)同校教員らの研究課題に協力する―などの内容で連携する。協定締結で、同町立幼稚園から高校までの年間教育課程にあらかじめ連携事業を盛り込めるほか、「連携」をキーワードにすることで各種助成が獲得しやすくなるといった利点もあるという。

 長谷川校長は「これまでも自主的に連携を進めてきたが、組織的に強固な関係が構築できるのはうれしい。理工系教育の面白さを普及し、技術伝承の基盤になる」と強調。斉藤委員長は「科学離れと言われて久しいが、小学校時代からこうした分野に目を向けてもらい、学ぶ楽しみが結果としてよりよい実になれば」と期待している。

 具体的な事業内容は3月中旬ごろから話し合う予定で、ロボットコンクールの開催や町のイベントでのロボット実演なども視野に検討していく。(宮木佳奈美)


◎3月の石油製品 ガソリン、灯油小幅な値下がり

 函館消費者協会(米田イツ会長)が2日に行った3月の石油製品価格調査によると、レギュラーガソリン(1リットル当たり)の平均価格はフルサービスが前月比1・82円安の109・56円、セルフサービス式が同1・87円安の102・13円で、小幅ながら2カ月ぶりに下落した。

 調査対象は函館、北斗両市内の計25店舗。レギュラーガソリンの最高値はフルで113円(前月比2円安)、セルフで108円(同)。最安値はフルで106円(同1円安)、セルフで97円(同5円安)と軒並み下落し、100円を割るスタンドも現れた。  前年同月と比べると、小売価格は40円以上安くなり、同協会は「昨年のような国際相場の乱高下が収まり、原油価格は比較的落ち着いた状況にある。しばらくは小幅な値動きが続くのでは」と分析している。

 また、灯油もホームタンク1リットル当たりの平均価格が同5・91円安の62・99円と2カ月ぶりの下落に転じた。暖冬の影響で販売量の不振が続いていることに加え、消費者の節約・省エネ志向が高まりから、石油元売り各社の在庫が積み上がっていることが背景にあるとみられる。

 米田会長は「プライスリーダーのコープさっぽろが灯油価格を引き下げる動きもあり、今後は50円台に入る可能性もある。今季の消費量も昨季に比べ大幅に下がりそうだ」と話している。(森健太郎)


◎JALのCAら老人ホーム訪問、お年寄りら制服姿で記念撮影

 函館市内の特別養護老人ホーム松涛(今千尋施設長)の利用者約50人が2日、同施設を訪れた日本航空(JAL)のキャビンアテンダント(CA)や地上スタッフらと記念撮影を楽しんだ。お年寄りたちはおひな様ならぬCAの制服を着て大喜びし、笑顔でカメラに収まっていた。

 日本航空函館支店(田口創一郎支店長)が地域でのボランティア活動の一環として、ひな祭りの時期に合わせて初めて企画。JAL国際線のCAや函館空港の整備士ら計6人が訪れた。エプロンのように体の前に掛けるような模擬制服をお年寄りに着せ、機内などの写真をバックに記念写真を楽しんだ。

 制服を着た女性は「上品にしなくちゃ」などと話し、男性は敬礼のポーズを取り撮影を楽しんだ。田口支店長は「気持ちが若くなってくれたようでうれしい。さまざまなの形で地域の人たちと交流を図りたい」。今施設長は「ひな祭りに合わせての企画で、皆喜んでいる。飛行機に乗った気分で楽しんでくれたと思う」と話していた。(山崎純一)