2009年3月30日 (月) 掲載

◎こどものくにがオープン

 函館公園(函館市青柳町)内の遊園地「こどものくに」が29日、今期の営業を開始した。親子連れなど多くの市民が来園し、元気に遊具に乗り込んで楽しむ姿が多く見られた。

 この日の市内の最高気温は7・5度。天気もおおむね晴れで、寒い日が続いたここ数日にくらべて、ポカポカ陽気の休日となった。子どもたちはオープンを待ちかねたかのように、新幹線やメリーゴーラウンド、観覧車などの遊具を順々に楽しんでいた。

 親子で来園した市内の長田英俊さん(27)、千春さん(29)夫妻は「小さな子供でも安心して遊べる遊園地。天気も良くて楽しめた」と話し、長男の脩利君(2)は「とてもおもしろかった」とにっこり。

 営業期間は11月中旬までを予定。開園時間は土日祝、春休み、夏休み、ゴールデンウイーク期間中は午前10時―午後5時。それ以外は午前11時―午後4時。入園無料だが、遊具の搭乗は有料となる。問い合わせは同園TEL0138・22・5039。(山田孝人)



◎函館ヒーローズがスタート

 道南発の音楽ヒーロー発掘を目指すコンテスト「函館ヒーローズ2009」(実行委主催)のエントリーライブが29日、函館市五稜郭町の五稜郭タワーアトリウムで開かれた。道南で活動するアマチュアミュージシャンがオリジナル曲を熱唱し、熱いステージを繰り広げた。

 同コンテストは今年初めての試み。芸術イベントを手掛ける函館芸術会議の木村公一議長、落語家の三遊亭洋楽さんらが中心となり、市内のライブハウスなどが参加して実行委を立ち上げた。音楽を通じたまちおこしを目的とする。

 参加者はデモテープなどの1次選考を経て、今回を含めて3回行われる2次選考のエントリーライブを行う。決勝は7月12日に金森ホール(末広町)で開かれ、観客の人気投票で優勝者2組を決定。優勝者には賞金が贈られるほか、全国PR用のCD作成、ライブ場所の提供など、さまざまな支援が受けられる。

 今回は5組が登場し、それぞれ2曲ずつ披露した。大勢の来場者でにぎわった会場では、観光客も足を止めて見入るなど、注目を集めていた。市内の林敏さん(53)は「みんな心がこもった歌声だった。弾き語りの人が多く、幅広い世代に受け入れられるのでは」と話していた。

 次回のエントリーライブは4月19日、第3回は5月31日。入場無料で場所はいずれも同タワーアトリウム。また、同ライブは4月30日まで出場希望者を募集している。問い合わせは実行委事務局TEL0138・48・9277。詳細はホームページで。アドレスはhttp://hako ̄hee.jp/(山田孝人)



◎表情キラリ 似顔絵の消しゴム印…重永満恵さんが製作

 函館市内の主婦、重永満恵さん(61)は趣味で知人の似顔絵の消しゴム印を作り、喜ばれている。顔の特徴や表情を上手にとらえ、製作依頼が舞い込むほど評判だ。市内の絵手紙サークル「赤いポスト」の会員で、自分の似顔絵の印を押して絵手紙を出すこともあり、「面識がない人には親しみがわくと喜んでもらえる」とほほえむ。。

 重永さんは2002年に同サークルに入会し、日本絵手紙協会公認講師の和田洋子さん(72)に絵手紙を習い始めた。絵手紙には絵と文字だけでなく、自分の名前の印、絵手紙を華やかにする「遊印」と呼ばれる花や動物などで四季を表す印を添える。。

 最初は自分の名前や遊印を作っていたが、会ったことのない絵手紙友達に自分を知ってもらおうと、自分の似顔絵のゴム印を作ったのがきっかけ。「身近に人の顔を彫っている人がいなかったのでやってみた」と重永さん。先方からは好評で「わたしにも彫って」と自分の写真を送ってくる人も。サークルメンバーからも頼まれ、03年の作品展に出すため、1カ月かけて全員の似顔絵のゴム印を作り、1人1人にプレゼントした。。

 似顔絵はまず写真を見てパラフィン紙に顔の輪郭や目、鼻、口のほか、シワやほくろなど細かい特徴も描く。その絵を消しゴム版画用のゴムに写し、カッターで彫り、4、5時間ほどで完成させる。「白目の部分が細かくて大変なので完成してから欠けてしまうとショックが大きい」と言うほど根気のいる作業だ。。

 ゴム印を作り始めた03年には喜んでもらえるのが楽しくて1日に何個も作り、これまでに40個以上は彫った。「人の顔は難しい。似なかったらあげても仕方がないから」と笑う。。

 絵手紙を始めたのは「下手でいい、下手がいい」のモットーに引かれたから。重永さんは「絵に一言添えて、気楽に出せるのに相手に喜んでもらえるのが絵手紙。もう一つの趣味のハーモニカと絵手紙だけは一生続けたい」と話している。(宮木佳奈美)



◎賃金減り、仕事増える 労働環境厳しく…函館市本年度市民アンケート

 函館市は本年度の市民アンケートの結果をまとめた。調査項目は「労働環境に対する意識」。3年前と比較した賃金(年間所得)は「下がった」42%、「変わらない」31%、「上がった」25%で、仕事内容は「変わらない」41%、「量が増えてきつくなった」40%、「量が減って楽になった」16%だった。函館の労働環境が厳しさを増している傾向がうかがえる。

 毎年テーマを決めて実施しているアンケートで、市民の意識や動向を把握し、行政運営に役立てる。市内全域から年齢や男女別を案分し、無作為に2000人を抽出し、送付。就業していない場合は家族の就業者について回答してもらった。回答率は30・9%。

 就業形態では「正規の職員・従業員」57%、「パート・アルバイト」27%、「契約・嘱託」11%、「派遣社員」1・4%など。

 「正規の職員・従業員」以外と答えた就業者に理由を聞いたところ、「正社員・正職員の仕事に就くことができなかった」が37%でトップ。ただ「家計の補助や学費等を得るため」24%、「時間など自分のペースで働くことができる」21%、「育児や介護などと両立しやすい」12%―などもあり、正社員を望む労働者は多いが、さまざまな事情で正規以外を選択していることがうかがえる。

 「現在働いている事業所で今後も働き続けたいか」との質問では、「ぜひ続けたい」30%、「できれば続けたい」31%と6割が肯定的な考えだが、「よい転職先があれば移りたい」27%、「今すぐにでも辞めたい」1・6%との回答もある。派遣社員に限ると「ぜひ続けたい」と考えている人は8人中ゼロだった。

 意見や提言では「賃金やボーナスが減ったが、反比例して仕事が増えた」「しっかり収入がある所とない所の格差が大きいと思う」「地場産業の育成と新規企業誘致がなければ函館市は衰退するのでは」などの声があった。(高柳 謙)



◎大沼多目的会館「ポロトポント」きょうオープン

 【七飯】30日にオープンする大沼多目的会館「ポロトポント」の落成式が29日、新築された同施設(大沼町502)で行われた。これまでの七飯町大沼出張所と大沼公民館の機能を併せ持った施設で、関係者らは「地域活性化などのために積極的に活用してほしい」と利用を呼びかけている。

 大沼地区には、同出張所(大沼町736)が1968年に、大沼公民館(同699)が1975年に建てられ、地域住民に利用されてきた。しかし、老朽化と施設内の不便さを訴える声が地域住民から高まり、2002年の6月の議会に大沼地域全町内会が請願書を提出。このほど、念願の完成にこぎつけた。

 同施設の延面積は400・50㎡の1階建てで、出張所業務としては、以前と同様に町民生活課窓口で住民票の証明書発行など各種手続きが行える。このほか、大ホールの第一研修室(138㎡)をはじめ、2つの研修室、和室、調理室などがあり、各種行事を目的に合わせ利用が可能。すでに、サークルや講座開講などの予約が入っている。同施設の愛称は、町内在住者111件の応募から、アイヌ語で大沼・小沼を意味する「ポロトポント」が選ばれた。

 落成式には、町内関係者ら約60人が出席。中宮安一町長は「今まで以上に地域に密着した形で業務を行える。会館も地域活性化のためにどんどん活用してほしい」と式辞を述べた。その後の祝賀会には地域住民らも加わり総勢約160人が門出を祝った。(石井 克)