2009年3月31日 (火) 掲載

◎ミスはこだて、春の制服披露

 観光都市函館をPRする観光大使「第30代ミスはこだて」の春季制服が30日、函館市役所でお披露目された。先のコンテストで2009年度のミスはこだてに選ばれた工藤真弓さん(26)、當摩久代さん(23)、林未花さん(28)の3人が新しい制服姿で西尾正範市長を訪問し、函館市のPR活動に向け意欲を新たにした。

 函館物産協会(石黒義男会長)が制服を寄贈した。今春の制服はスーツとスカートとをさわやかな白で統一し、スーツのウエスト部分にはキュートなリボンがあしらわれいるのが特徴的。石黒会長は「大使として大いに活躍してほしい」と話した。

 西尾市長と懇談したミス3人は「春らしいすてきな制服を着られてうれしい。函館の魅力をPRしていきたい」と話し、西尾市長も「今年は日ASEAN(東南アジア諸国連合)次官級交通政策会合や開港150周年の記念事業など、例年以上に活動の場が多くなる。健康に留意して函館の顔として頑張って」と激励した。ミス3人の任期は4月1日から来年3月31日まで。(鈴木 潤)



◎8高等教育機関が単位互換制度本格化

 函館市内の8高等教育機関と同市でつくる「キャンパス・コンソーシアム函館」(会長・中島秀之公立はこだて未来大学長)は、2009年度から連携事業の柱の一つとなる「単位互換制度」を本格実施する。加盟機関の学生が他機関の指定講座を受講しても単位が認定される仕組みで、新年度は多彩な約80講座を用意した。これだけの規模での取り組みは、道内では札幌圏に続き2カ所目。加盟機関の連携を充実させ、総合大学的な活動を目指す「キャンパス都市函館」構想の実現に向けた一歩として、関係者の期待が寄せられている。

 多種分野がそろう教育環境を生かして学生に幅広い講座の受講機会を提供し、特色あるカリキュラム開発を図るのが目的。制度の本格導入に向けては、07年度に各機関間で「単位互換に関する包括協定書」を締結。昨年8月、試行的に保健福祉分野での集中講義1講座を行っていた。

 対象は道教大函館校、公立はこだて未来大、函館大谷短期大、函館工業高等専門学校、函館大、函館短期大、北大水産学部、ロシア極東国立総合大函館校の学生。受講料は無料だが、許可制とする。

 講座は前、後期と夏季集中講義の3種類で、主に教養科目となる。道教大函館校の場合、市役所職員が代わる代わる講師を務める「北海道スタディズ」など20、未来大は「認知科学」など14、ロシア極東国立総合大函館校は「ロシア文化史」などが対象。夏季に行う特別開設科目は道教大函館校の「現代地域学論」ⅡとⅢ、未来大の「科学寺子屋授業」で、全8機関が特色ある内容をそろえた。

 各機関は今後、新年度のスケジュールに従って学生に制度を紹介し、受講希望者を募る。

 鶴喰(つるばみ)誠事務局長は「事務局や各校の周知方法を工夫し、多くの学生に参加してもらい成果を上げたい」と話している。

 制度の本格実施は、30日にロワジールホテル函館で行われた理事会の中で決定。理事会ではこのほか、6―11月に合同公開講座「函館学2009」、9月には全国規模の交流フォーラムを開催することも承認された。函館学は全7回で、函館開港150周年を意識した内容となる予定だ。(新目七恵)



◎「コンベンション都市・函館」へ提言

 大規模な会議や大会などコンベンションの誘致や在り方について考えるフォーラム「はこだてコンベンション都市への提言」(函館市西部地域振興協議会主催)が30日、函館市末広町の金森ホールで開かれ、同協議会(二本柳慶一会長)がまとめた函館の望ましい施設の規模や立地、誘致に向けた方策を発表した。

 市内の観光、行政関係者や市民ら約60人が参加。フォーラムでは、4月に函館で開催する「世界料理学会inHAKODATE」実行委員長の深谷宏治さんが「料理学会とはこだて」と題して基調講演し、料理をテーマにした学会の誘致活動や海外の先進事例について紹介した。

 続いて、二本柳会長が昨年9月に開催したコンベンション誘致を目指すシンポジウムや、今年1月からの勉強会などで検討した成果を報告。誘致については独立した専門機関を新たに設置するのに加え、地域内でのコンベンション開催の促進を提起した。

 一方、施設については他都市の事例を挙げ、採算性や活用法の観点から、「市民会館と類似したホールは必要ない。既存や民間の施設を活用しながら、展示会や大会、イベントなどで6000人規模を収容できる多目的ホールが必要」と結論付けた。

 最後に、はこだて未来大の松原仁教授や函館朝市協同組合連合会の井上敏廣理事長ら経済・観光の有識者5人によるパネルディスカッションが開かれ、パネリストから「コンベンションは景気に左右されず、安定した来函客が見込める」「新幹線開業を見据え、早急に施設の建設を」などの声が上がり、施設が必要との見解で一致した。同協議会はこれまでの論議を「たたき台」とした報告書をまとめ、6月にも市に提出する考え。(森健太郎)



◎佐藤泰志作品映画化でポスター完成

 函館出身の作家、故佐藤泰志(享年41)の代表作「海炭市叙景(かいたんしじょけい)」の映画化を目指す市民有志の製作実行委員会(菅原和博委員長)は、活動をPRするポスターとチラシを作成した。4月19日に市内西部地区で開催されるイベント「函館西部地区バル街」にも参加し、広報活動を本格化させる考え。実行委は「市民と賛同者が一体となって作り上げたい。ぜひ協力を」と呼び掛けている。

 ポスターはA2版で200枚、チラシは1万部余り作成。函館山や市電など小説のイメージ風景と佐藤泰志本人の写真を背景に、作品や佐藤泰志についての解説文のほか、評論家川本三郎さんや「警官の血」などの著者佐々木譲さんらの映画化に対する期待の声などを盛り込んだ。

 募金協力の詳細内容も掲載。個人向け協力金は1口1万円、法人向けは同5万円から。サポーター募金は同3000円から。映画入場券やエキストラ出演登録権などの特典があり、募金内容や口数に応じて内容が変わる。

 実行委メンバーが配布を始めており、掲示や設置などの協力個人、団体を募集中。道内外の映画祭や上映活動関係者にも郵送する。

 バル街では、案内所を開設する市地域交流まちづくりセンター内に専用ブースを設け、パネル展示やライブパフォーマンスを展開して活動を広くアピールする考え。

 問い合わせは事務局(シネマアイリス)TEL0138・31・6761(午後1時―同4時)。(新目七恵)



◎亀田青少年会館が「子どもセンター」に

 函館市亀田本町19の亀田青少年会館が、4月1日から地域の「子どもセンター」としてリニューアルオープンする。函館市から同施設の指定管理者に選ばれたNPOはこだて市子連(函館市子ども会育成連絡協議会、門口一廣会長)が子どもの居場所作りを進めようと、各種教室や多彩な行事を企画。1日にはオープニング記念として式典や手品ショーを予定している。

 この施設はこれまで財団法人市文化・スポーツ振興財団が運営管理していたが、指定管理者制度の対象となり、昨夏公募があった。はこだて市子連は子ども会活動の活性化を図る中核施設とし、子ども同士が触れ合える場所にしようと応募した。

 運営時間はこれまでと同じ午前9時から午後9時。学校のある平日午後2―5時は「放課後タイム」、金曜日午後は「中高生タイム」、学校のない休み期間や祝祭日は午前9時―午後5時までを「休日タイム」と位置づけ、子ども向け英会話や卓球、かるたなど約10種類の教室を用意する。空き時間は映画上映も行うほか、子育て中の親の情報交換や地域イベントの場として積極的に活用してもらう考え。常任スタッフ10人前後で運営する。

 運営の一部は函館の障害者地域自立支援センター「なかよしパル」に委託し、地域での障害者雇用も進める。地球環境問題に対する子どもの関心も高めようと、5日には手作りろうそく教室を開く。

 門口会長は「地域で子どもを育て、支え合うのが地域づくりの基本。1人でも多くの子どもに利用してもらい、子ども会の必要性をPRしていきたい」と意気込んでいる。

 31日までの問い合わせは菅原康徳副会長TEL0138・55・2082。1日からは同会館TEL同41・4383。(新目七恵)