2009年3月7日(土)掲載

◎日新中に「春」到来…旅立ち サクラ見送る

 函館市泊町の函館日新中学校(鈴木利春校長、生徒32人)で、バケツに挿して育てているサクラの花が咲き始めた。サクラは13日の卒業式に合わせて満開にしようと、教職員らが敷地内などでせん定した枝を世話しているもので、生徒たちに一足早い「春」を伝えている。

 サクラは式当日、学校の玄関に並べて飾り、卒業生10人を見送る計画だ。この計画は昨年、同校美工芸部員が卒業する上級生のために初めて企画したところ好評だったため、学校として引き継いだ。

 花は1月下旬ごろ、約100本を用意した。教職員らが空き教室や廊下などバケツの置き場所を変え、温度調節しながら開花時期を調整して丁寧に育てている。現在はつぼみが膨らんだり、小さな白い花が咲き始めている状態で、式当日には満開の花々が楽しめそうだ。

 3年生の谷藤好さん(15)は美工芸部部長を務め、昨年は在校生としてサクラを準備した。今年は先輩として送られる立場となり、「今年もわざわざサクラを用意してくれてうれしい。将来は函館で服飾関係の仕事に就きたい」と話していた。(新目七恵)



◎中心市街地 本町・五稜郭地区も追加…函館市議会

 第1回函館市議会定例会は6日、個人質問に5人が立った。西尾正範市長は、市が見直し作業を進めている中心市街地活性化基本計画について「駅前・大門地区の約48ヘクタールに加え、本町・五稜郭地域も中心市街地としたい。両地区が連携して相乗的な効果が得られる施策が必要」と述べた。

 能登谷公氏(市民クラブ)、志賀谷隆氏(公明党)らへの答弁。

 市都市建設部によると、現在の計画は1999年度の策定。駅前の区画整理やグリーンプラザの整備、借り上げ市営住宅整備などの計画を実現させた。しかし、現実的に商業地の中心は本町・五稜郭地区に移り、駅前地区は衰退。函館商工会議所は昨年、両地区を一体として中心市街地とすることを提言している。

 西尾市長は「駅前・大門地区は今後とも函館の“顔”として商業機能を確保することが必要。本町の大型商業施設の撤退問題を考えると、本町・五稜郭地区も対象区域としたい。その際に自由市場や中島廉売などをエリアに入れるかなど、検討が必要」と述べた。

 新計画は、おおむね5年間の計画期間中に事業が円滑に実施され、効果が検証できる内容が求められている。そうした事業計画を国が認可し、必要な支援や補助をする。

 今後は本町・五稜郭地区の街区を調査し、新しい中心市街地をどの範囲にするかを関係機関と協議して決定。商工会議所や事業者、地権者、地域住民らが主体となって立ち上げる中心市街地活性化協議会に参画し、意見を反映させながら計画をまとめる。

 市街づくり推進課は「商工会議所や経済部と連携し、2015年度の北海道新幹線開業までに一定の成果を出せるよう早期に計画を策定し、5年間の事業に取り組みたい」と話している。

 このほか丸尾隆子氏(共産党)、佐古一夫氏(新生クラブ)、小山直子氏(民主・市民ネット)が質問した。(高柳 謙)


◎カンボジアに小学校寄贈…辻木材が工務店仲間と

 【北斗】来夢(らいむ)ハウス辻木材(七重浜8、辻秀明社長)が、全国の工務店でつくる「安くていい家をつくる会」の仲間と協力してカンボジアに小学校を建設し、寄贈した。2月に現地を訪れ引き渡し式に出席した辻社長(60)は「言葉は通じないが、子どもたちはうれしそうな笑顔を浮かべていた。これからもいろんな形で社会に貢献していきたい」と話している。

 同社では子育て世代を応援しようと4年前から「安くていい家」をモットーに注文住宅を提供し、家を建てて引き渡すごとに「世界の恵まれない子どもたちに幸せのおすそ分け」として売り上げから1棟当たり5000円を積み立てている。

 同じように子育て世代を応援する視点で「子どもたちの教育が何よりも大切」と考え、辻社長は積み立て金を基に全国の仲間と協力して、カンボジアに学校をつくる活動に取り組むNPO(非政府組織)「JHP・学校をつくる会」(東京)を通じて小学校を建設した。

 首都プノンペンから南東へ車で約3時間のスワイリエン県にあるスワイチュルム小学校の校舎として2月6日に引き渡した。建物は鉄骨平屋で広さは165平方メートル。教室3つとトイレが付いている。建設費は約600万円だった。

 辻社長は「お客さんも家づくりが世界の恵まれない人の役に立っていることを誇りに思ってくれるはず。今後も積み立てを続けたい」と話している。(宮木佳奈美)


◎函教大で合格発表

 函館市内の3国公立大学のトップを切り、道教大函館校の前期日程の合格発表が6日、函館市八幡町の同校で行われた。実質倍率1・7倍を勝ち抜いた合格者は190人。午前9時に玄関前で合格者番号が発表され、「春」をつかんだ受験生が喜びをかみしめていた。

 同校前期日程の定員は170人で受験者数は322人。合格者は午前10時からホームページでも発表された。

 この日、玄関前に合格者番号を張り出した掲示板が運ばれると受験生や家族ら15人近くが集まり、自分の番号を見つけ「あった!」と喜んだり、早速家族や先生に電話で結果を知らせる人もいた。

 合格した函館中部高の三上貴也君(18)は「発表を見るまで不安だった。教員を目指して努力したい」と話していた。名寄市から母和恵さんと一緒に訪れた大杉萌さん(18)=名寄高=も「推薦が駄目だったけど一番学びたい学校だったのであきらめなかった。まずは勉強をしっかりしたい」と喜んでいた。

 7日には公立はこだて未来大、北大水産学部の前期日程の合格発表が函館市亀田中野町の同大、札幌キャンパスでそれぞれ行われる。(新目七恵)