2009年4月18日 (土) 掲載

◎函館空港に花壇 春の彩り…函館開港150周年

 函館空港旅客ターミナル(函館市高松町)の国内線到着ロビーに17日、函館開港150周年の記念花壇が設置された。本格的な春の到来を感じさせる草花が観光客らを出迎え、空の玄関口に彩りを添えている。

 花壇は観光客や市民に潤いを感じてもらおうと、函館空港ビルデング(木村孝男社長)が設置。縦3メートル、横4メートルで、中央に「ようこそ函館へ

 祝函館開港150周年」のプレートが付けられ、プランターなどに植えられたアザレアやベルフラワーなど春の草花8種類が色とりどりの花を咲かせている。

 150周年記念事業の主要イベントが終わる8月下旬まで到着ロビーに設置され、9月以降はターミナル2階ロビーで常設展示する。草花は季節に応じて順次入れ替えるという。同ビルの中村寛施設関連部長は「開港150周年の節目を祝い、空港を訪れた観光客や市民にほっと一息ついてもらえれば」と話している。開館時間は午前7時—午後8時。(森健太郎)



◎自民攻勢、民主引き締め…総選挙・衆院道8区

 民主党・小沢一郎代表の公設第1秘書の起訴、千葉、秋田の知事選で自民・保守系候補の連勝などを受け、衆院道8区でも自民党陣営に勢いが付いている。次期衆院選公認候補の新人、福島啓史郎氏(63)は「情勢が一転し、応援や支持が広がっている」と手応えを語る。一方の民主党現職、逢坂誠二氏(49)の陣営幹部は「支持者からの厳しい意見もあるが、期待も大きい」と引き締めに躍起。無所属新人の佐藤健治氏(51)は地道に活動を続けている。

 5月解散・6月投票の日程も浮上している中、福島氏は「6月投票は五分五分」とみる。政府が提出を予定している事業費57兆円、国費15兆円規模の経済危機対策補正予算案や税制関連法案の審議次第という。

 民主党の支持率低下が最大の転機で、福島氏は「今まで福島は勝てるか半信半疑だったが、民主党がこういう状態になり、本当に自民党を応援しなければならなくなった、という雰囲気になっている」と語る。週末を中心に街頭演説をこなし、支持拡大を訴えている。

 これに事業規模75兆円の経済・雇用対策も動き出し、定額給付金の支給が始まったことも明るい材料と受け止めている。ただ、課題となっている連合後援会の設立が遅れており、早期の発起人会開催を目指している。

 民主党の小沢代表は、政治資金規正法違反の罪で公設秘書が起訴された後も続投を表明した。逢坂氏の陣営幹部は「逢坂さんを応援するが、小沢代表が続投すれば信頼感を損ねるという厳しい意見もある」と認める。

 民主党北海道は3月28日の合同選対全体会議で、各選挙区に準備に入るよう指示。党道8区総支部は26日に定期大会と8区合同選対会議を開き、必勝に向けた体制固めを図る。

 8区合同選対本部の平出陽子本部長代行は「批判はあるが、逢坂さんに対する期待の声の方が大きい。政権与党だから自民党という人が結構多く、民主党が政権を取るならば民主に付くという人も多い」と語り、政権選択がかかった選挙という位置付けを強調。逢坂氏も頻繁に道南入りし、小さな集会にもこまめに出席している。

 3回目の挑戦となる佐藤氏の陣営は「解散に関係なく、候補と後援会関係者が地道に歩いて支持を訴えている」という。加藤清郎連合後援会長は「自民や民主の支持率の変化は全く関係ない。選挙があるからばたばたするのではなく、この4年間下を向いて歩いてきた健治さんを筆頭に、みんなが原点に返って活動している」と語る。(高柳 謙)



◎高いニーズ 利用45件…「くらし支援室」開設から半月

 函館市の「くらし支援室」に、多重債務を抱える市民からの相談が相次いでいる。開設から半月で45件の相談があり、うち7件は司法書士などに対応を引き継いだ。これまで自分一人や家族だけで悩んでいた借金の問題についての相談が多数寄せられており、同室の小山内実室長は「市役所ということで信用、安心して相談できるようだ」と確かな手応えを感じている。

 同室は多重債務に苦しむ市民の相談を無料で受け、これまでよりも踏み込んだ対応で自ら解決に持ち込み、早期に健全な生活を取り戻すよう支援する。市役所1階に室長のほか3人の職員を配置し、プライバシーが守られるよう配慮した個別のスペースで相談を受け付ける。

 同室によると、設置した1日には早くも7件の相談が寄せられ、ニーズの高さをうかがわせる。15日までに相談があった45件中40件は本人や家族の多重債務についての内容で、ほか5件は金利についてやローンの分割払いについての質問だった。

 多重債務の相談は、クレジットカードや消費者金融の借金が多すぎて返済不能となった場合のほか、法定金利以上の利息を求めるヤミ金融業者から借り入れた場合などの相談が多い。これまで7件を、協力を得ている司法書士事務所に引き継いだ。

 弁護士や司法書士への相談では料金が発生することもあるが、金融庁の様式の相談カードに事前に内容を記載し持ち込むため、直接相談するよりは相談時間が短くなる。小山内室長は「司法書士などの前では説明しにくいことも、市役所職員ということで話しやすいようだ」と言う。

 解決方法としては①債権者と弁護士間で返済方法を和解する「任意整理」②裁判所が債権者と債務者の利害関係を調整する「特定調停」③裁判所が認可した再生計画に基づいて債務を返済する「個人版民事再生」④裁判所を通じ債務の支払いを免責してもらう「自己破産」—の4つの方法のうち、各事例にとって最も良い方法を模索する。

 相談者の年代は20—70代と幅広く、1件につき複数回の相談を重ねる場合も多い。市外在住者からの相談も数件寄せられ、中には家族で悩んだ末に訪れるケースもある。小山内室長は「相談者にとってベストな方法を考えます。お金のことで不安や悩みのある人は気軽に来てください」と呼びかける。

 同室の相談時間は午前9時から午後4時。事前に電話連絡、予約すると待ち時間がない。問い合わせは同室TEL0138・21・3160。(小泉まや)



◎遺愛高・森田さんが地理オリンピック「銅」

 函館遺愛女子高校(福島基輝校長)3年生の森田愛海さん(17)が、3月に実施された第2回地理日本選手権(通称・地理オリンピック、実行委主催)で銅メダルを獲得した。参加者約200人中、入賞は道南で唯一。メダルと賞状を手にした森田さんは「大学受験に向け、今まで通り頑張りたい」と意気込んでいる。

 地理オリンピックは全国の高校生が国際的な標準レベルの地理の問題に取り組み、能力向上と国際的視野を養うのが目的。アジア・太平洋地区地理オリンピックの代表選考なども兼ねている。

 森田さんは理系の必修科目として高校2年から地理を学習。受験のため、昨年12月からは教科担当の川嶋聡教諭から論述の個人指導も受けている。今回は、自分の実力を知りたいと挑戦した。

 試験は地理の基本知識や見方、考え方を問う記述問題(60点)と、図や表などの視覚的資料を使って出題するマルチメディア問題(40点)。全体の8割は日本語、残り2割は英語の出題、解答となる。入賞となる総得点67・6点以上の金メダルは8人、同62点以上の銀は16人、同54点以上の銅は34人が輝いた。

 森田さんは「思ったより解答文が長く、空白の回答欄もあった」と振り返り、銅メダル獲得を「考えていなかったので意外だった」と話す。「地理は難しいけど、普段から新聞や雑誌の活字を読むのでそこで得た知識が勉強とつながる」と語る。

 川嶋教諭は「一度やったことは忘れない優秀な生徒。誠実に勉強しているので今回の結果はとてもうれしい」と喜んでいる。(新目七恵)



◎春の息吹き感じ山頂に…函館山登山道が開通

 いよいよ本格的な観光シーズン到来—。冬季間通行止めとなっていた函館山登山道(道道立待岬函館停車場線、5.8キロ)が17日午前11時に開通し、約5カ月ぶりにゲートが開かれた。待ちかねたドライバーが一斉に山頂を目指し車を走らせた。

 今年は暖かい日が続き、雪解けも早かったため昨年より1日早く開通。函館市青柳町5の登山道ゲートでは、開門前から約10台の車両が列をつくった。青柳町会は手作りしたフクロウのお守りなどをドライバーに配布し、交通安全を呼び掛けた。また、同市北消防署員や元町婦人防火クラブからも約12人が参加し、パンジーの鉢植えや山火事などの防火ポストカードなどを配り、火の用心を訴えた。

 今年の一番乗りは、昨年も一番だったという北斗市の山本博幸さん(35)。「朝5時半前には到着した。2年連続はやっぱり気分がいい」とはにかんでいた。また2年連続2番手となった市内在住の江口光一さん(45)は「少しの差でまた一番を逃してしまったが、緑がきれいになっていると思うので自然を楽しみたい」と話していた。

 同登山道では25日から10月15日まで、バスやタクシーを除く一般車両は午後5時から同10時まで、夜景見物での混雑を避けるため通行禁止となる。(小杉貴洋)