2009年4月19日 (日) 掲載

◎函館でも生キャラメル人気…「花畑」直営店オープン

 人気菓子「生キャラメル」を製造販売する花畑牧場(十勝管内中札内村、田中義剛社長)の直営店が18日、函館市豊川町11のはこだて明治館内にオープンした。開店前から約20人が列をつくり、人気の生キャラメルや直営店限定の商品を買い求める市民や観光客らでにぎわった。

 道内8店舗目となる「函館店」の売り場面積は、同社で最大級となる約80平方メートル。主力の生キャラメル(1箱12粒入り、850円)はバナナやホワイトなど計5種類が店頭に数多く並び、直営店でしか買えないチーズや冷凍ピザ、生キャラメルを練り込んだソフトクリームなども人気を集めていた。

 友人と岡山市から観光に訪れた西久美子さん(46)は「函館滞在中にオープンを知り、早起きして駆け付けた。デパートの物産展でしか買えなかったのでラッキー。いい思い出とお土産ができました」と話し、生キャラメルやチーズなどを紙袋いっぱいに買い込んでいた。

 この日は観光客を中心に約1000人が訪れ、函館店の小椋陽介店長(30)は「商品の人気におごらず、おもてなしの心で函館ベイエリアに根付くような店にしたい」と語った。平日は午前10時—午後6時、土日祝日は午前9時—午後6時まで。(森健太郎)



◎ヘルパー2級資格の取得増加

 介護利用者の身の回りの世話をするホームヘルパー2級資格取得の養成講座や研修の需要が、函館市内の専門学校などで高まっている。全国的な傾向で、これまでは介護職を希望する女性が多かったと言われたが、昨年から中高年の男性ら失業者が求職のために資格を取得するケースが増えているようだ。介護現場は慢性的な人手不足が続きヘルパー養成は求められているが、一方で、もともと介護職を希望していなかった資格取得者が増えることで資質向上も新たな課題となりそうだ。

 ホームヘルパーの資格は厚生労働省で定められたカリキュラムに沿った一定レベルの講習を修了することが条件。実務経験が必要ない2級と、ある程度必要な1級がある。国家資格ではないため試験などはなく、各都道府県によって資格が認定される。養成講座や研修を実施する機関は、都道府県の指定を受けた学校法人や民間企業など。

 市内の介護サービス事業所「マイエルフ」(吉田正樹社長)が運営する函館社会福祉介護学院(美原1)では、昨年秋ごろから、月始めに講座を開設する2級資格の平日短期集中コースの受講者が増え、常に定員(30人)を満たしている状態。受講者の年齢層にも異変が起きていて、これまでは福祉の専門課程を学ぶ学生ら若い世代で、女性の受講が多かったが、中高年や男性が半数を占めるコースもあり、派遣切りや雇い止めなどで失業して受講する人も増えたという。

 ハローワークなどで求人を出している介護サービス事業所の多くが、採用条件をヘルパー2級以上取得としている。この状況に吉田社長はビジネスチャンスとしながらも「以前と比較すると受講者の介護スキルの基準は低い」と指摘する。

 資格を取得し就職しても厳しい労働条件で離職している実情もあるという。同社長は「中途半端な気持ちでは続けられない職場。職業人としての心もしっかり教えていきたい」と話す。

 函館臨床福祉専門学校(美原1、河原武則校長)は、ポリテクセンター函館の委託を受けてホームヘルパー2級の養成講座を開設。失業者の職業訓練の一環として開いているもので、2008年度は前年度より2コース多い5コース(1コース定員15人)で実施した。同校生涯学習課は「前年度と比較すると若い男性が増えたようだ。個々の受講した理由は把握していないが、ニーズがあったのは確か」としている。

 市社会福祉協議会(谷口利夫会長)は、函館短大と共催で毎年秋ごろにホームヘルパー2級の講座を開設し、昨年は学生と社会人合わせて50人が受講。例年と比較して目立った変化はなかったが「どこで講座を開設しているかなどの問い合わせがくるようになった」としている。(鈴木 潤)



◎野外劇のポスターとリーフレット完成

 7月3日に開幕する第22回市民創作函館野外劇「星の城、明日に輝け」を宣伝するポスターとリーフレットが完成した。五稜郭築城の場面で、レーザー光線により星の城を描いたデザインとなっている。また、チケットや公演の概要なども決まり、NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(フィリップ・グロード理事長)は、11回公演で1万2000人の観客動員を目標にPRに力を入れていく。

 ことしの公演は7月3、4、10、11、17、18、24、25、8月7、8、9日の11回。函館開港150周年に合わせ、黒船来航シーンの充実を目指す。にぎわいのある箱館のまちを再現しようと、多くの出演者を募る。

 チケットは4月下旬から発売予定で、前売り大人1800円、高校・大学生900円、小中学生400円。大人一人と小中学生一人の親子セット2000円も用意している。当日は大人2500円、高校・大学生1000円、小中学生500円。このほか、大人2人のペア4000円もある(座席は全席自由)。

 ポスターはB2判で2500枚、リーフレットはA4判(3つ折り)で5万5000枚を作成。函館開港150周年、青函ツインシティ提携20周年のシンボルマークも入っている。全国の観光施設、道内のJR主要駅などに配布される。

 キャスト、スタッフすべてがボランティアで行われる函館野外劇では、黒船来航シーンのフラッグダンス役、箱館戦争シーンの殺陣役を募集している。

 資格は4月下旬から週末を中心とした練習に参加できる人で、住所、年齢、性別、職業は問わない。希望者は同会事務局や公式ホームページ(HP)から申し込み用紙を取り寄せ、5月中旬まで事務局に送る。

 このほか、野外劇を支える個人、団体の会員を募集している。個人会員は昨年まで1口3000円だったが、ことしから同1000円となった。団体は同1万円。個人3口以上、団体1口で招待券1枚が贈られる。申し込みは同会事務局。

 公演、チケットなどの問い合わせは事務局(〒041—0853 函館市中道1の10の4)TEL0138・56・8601。HPアドレスはhttp://www.yagaigeki.com(山崎純一)



◎「ワンちゃんふれあいパーク我楽」25日にオープン

 犬と触れ合える「ワンちゃんふれあいパーク我楽(がらく)」が25日、函館市赤坂町5にオープンする。経営者の藤野孝子さん(65)が飼っているチョコレート(濃茶)色の珍しいパグのほか、ポメラニアン、チワワ、プードルなど約10匹の犬と遊べる。藤野さんは「犬と触れ合って癒やされてほしい。アパートやマンションに住んでいて犬が飼えない人たちにぜひ遊びに来てもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 ふれあいパークは、志海苔ふれあい広場と志苔館跡のちょうど中間に位置し、津軽海峡を見下ろせる景観のよい場所にある。敷地面積は約660平方メートルで、この中で犬に触れられるほか、子供向けに恐竜や新幹線の乗り物を用意し、写真撮影もできる。休憩所もあり、コーヒーや焼き芋も販売。バーベキューの道具も有料で貸与する。

 また藤野さんはこれまで市内で運営していたペットホテルを移転させ、敷地内に長期、短期で犬を預かる「ワンちゃんアパート」を開設し、預かった犬を自由に遊ばせる場所も提供。料金は短期で小型犬が1泊2000円、中型犬は同2500円、長期は1カ月2万円。食事無しで、普段食べている餌を飼い主に持参してもらう。

 入場料は大人300円、子供100円。営業時間は午前11時から午後4時まで。雨天時休み。問い合わせは藤野さんTEL090・1528・4499へ。(宮木佳奈美)



◎藤巻さんがレース展望を解説…函館けいりん

 函館けいりんの春の注目レース「第4回藤巻兄弟杯争奪戦」(FⅠ)が開かれている市営函館競輪場で18日、元競輪選手藤巻昇さん(61)によるレース展望の解説や、朝市ナイトバザール、カニ汁のサービスなど多彩なイベントが行われ、大勢のファンでにぎわった。19日も実施する。

 藤巻さんは1966年にデビュー。75年から函館をホームに活躍し、競輪界の大御所として名をはせ、2005年7月17日に出走した函館競輪場でのレースを最後に引退。同じく選手だった弟清志さん(58)とともに選手時代の功績をたたえ、06年から「藤巻兄弟杯」が開かれている。ことしは17日に開幕した。

 解説は第10—12レースの発売中に行われた。現在はスポーツ報知北海道総局評論家である藤巻さんのレース展望を参考にしようと、専門紙などを手に集まったファンは、藤巻さんの「このレースは2番の選手が、まくりを許さず逃げ切る展開が予想される」などの話に聞き入っていった。

 このほか、イベント広場などでは、函館朝市特製のかに汁が先着300人に無料で振る舞われたほか、朝市出店による海産物などが割安で販売された。

 藤巻杯の最終日は19日、第1レースは午後3時半発走予定、最終の第12レースは午後8時35分発走予定。藤巻さんのレース展望解説は第9レース発売中の同6時40分ごろと第12レース発売中の同8時ごろに行われる。かに汁の無料配布は同4時25分から、ナイトバザールは同3時から行われる。(山崎純一)



◎大腸がんの治療法を紹介…市民健康教室

 第26回市民健康教室「大腸がんについて」(函館市医師会、市立函館保健所主催)が18日、函館市民会館で開かれた。同市内の総合病院などに勤める医師5人が、大腸がんの先進的な治療法などを実例、映像を交えて紹介した。

 1977年から毎回テーマを決めて開催している。この日は約300人の市民が来場した。

 函館五稜郭病院の診療部長兼消化器内科科長の矢和田敦医師は「大腸がんの概念、疫学、診断」を伝えた。大腸の構造やがん化する仕組みについて説明し、「ポリープががんとなる場合も、突然がんになる『デノボ』の場合も、遺伝子の変化が原因となる」と話し、「大腸がんが近年日本で増加する原因は食の欧米化にあると考えられる」として食生活の改善を勧めた。

 函館協会病院副院長の榮浪克也医師は、早期がんに限られる治療法として、肛(こう)門から挿入する内視鏡を使った手術方法を紹介。電気メスのような道具を使ってポリープを切る様子を映像で見せ、「粘膜のみの早期の場合は転移の可能性も低いが、自覚症状がないため検査を受けるなどし、早期発見・治療を」と呼び掛けた。(小泉まや)