2009年4月20日 (月) 掲載

◎城岱スカイラインで初の自転車レース

 【七飯】眼下に大野平野や函館山などを望む山道を駆ける自転車レース「城岱(しろたい)ヒルクライム」(函館サイクリング協会主催、金沢浩幸会長)が19日、町城岱スカイラインで初開催された。頂上付近の城岱牧場のゴール地点を目指し、約7キロの急こう配を34人が疾走した。

 9月に大沼—函館間で行われる全国サイクリング大会に先駆けて、自転車競技の普及と景観を生かした観光振興を図ろうと企画。「自己記録に挑戦」と中学生から74歳まで幅広い世代が道内各地から集った。

 コース近くの役場駐車場で開会式。中宮安一町長が「城岱がレース会場に使えることを歓迎したい。健脚を生かして、楽しんでほしい」と激励した。

 登山道入り口で中宮町長が号砲を放ち、一斉にスタート。参加者は、傾斜7—10度の上り坂で加速にてこずりながらも、力強くペダルをこいで山頂を目指した。

 プロの競輪選手は20分台でゴール。最後の選手は57分でたどり着き、大会規定の1時間を全員がクリアした。

 元競輪選手の藤巻昇さん(61)は「だれでも気軽に参加できる大会があることはとても良いこと」、父がプロ競輪選手で函館大谷高校1年の俵央育さん(15)は堂々の6位入賞。「道南で本格的な大会を開催できるのがうれしい。今シーズンの初レースを力いっぱい走ることができた」と笑顔だった。(石井 克)



◎函館市水道局、湯の川に4年間で泉源9本掘削

 湯の川温泉の湯量減少問題を抱える函館市水道局は、本年度から4年間で泉源を9本掘削し、現在所有する22本の使用を順次中止し、代替・集約化する。適正な揚湯(ようとう)と資源管理が目的で、本年度実施する1本の掘削許可が道から下りた。道内有数の温泉地を支える泉源を替える事業で、総額2億2500万円を見込んでいる。

 水道局は泉源からくみ上げた温泉をホテルや旅館、一般家庭などへ供給している。湯川町と湯浜町の一帯は道の要綱で温泉保護地域に指定され、泉源の新規掘削は認められないが、自治体が温泉を統合管理する場合などでは例外として認められる。

 湯の川温泉は1975年ごろまでは自噴していたが、過度のくみ上げが原因で水位が低下。現在は動力ポンプ(エアリフト)を使用し、井戸の中に空気圧を送りながらくみ上げている。

 同局温泉課によると、新たに掘る泉源は、湯の中に直接パイプを入れる水中ポンプ方式を取り、エアリフトに比べて効率的な揚湯ができる。本年度は約2200万円の予算で、湯川町3の1、市営熱帯植物園内の前庭に掘り、湯脈は地下80メートル、毎分800リットルのくみ上げを計画している。周辺の既存3泉源の代替となり、1日当たりの揚湯量は1100立方メートルほどという。

 掘削は09年度1本、10年度3本、11年度3本、12年度2本の予定で計9本。うち3本は予備の泉源とする。

 湯の川温泉の泉源は水道局所有が22本、民間所有が14本ほどあり、水道局が道立地質研究所に依頼した調査で、2006年度は湯の川温泉全体で1日平均6000立方メートルの揚湯量があった。同研究所は、このままくみ上げると温泉資源の枯渇を招くため、適正な揚湯量を1日当たり4100—5300立方メートルと報告した。4100立方メートルとすると、06年度比で3割減らさなければならない。

 市が所有する泉源は昭和30年代後半から40年代にかけて掘削されたものが多い。井戸によって差はあるが、水位は地上から12—13メートル下で、年間50センチほど低下しているという。現行のエアリフト式でくみ上げる場合、ガリ(湯の花)がパイプの中に付き、閉塞(へいそく)が進み、定期的にパイプを入れ替えるなど対策を進めている。

 泉源の掘削により、同じ湯脈に泥などが混じる恐れもある。同局は「掘削することで他の泉源に濁りが生じたりした場合は、作業を一時中断して対策を取るなどしたい」と話している。

 温泉街のホテルや旅館からは「資源管理のためならば良いのではないか」「温泉を守る対策だろうが、それならば水道局が方針を示した温泉供給料金の大幅な値上げを撤回してもらいたい」などさまざまな声が聞かれる。(高柳 謙)



◎土佐犬 迫力満点!

 道内の屈強な土佐犬が参加する「全道土佐犬選抜闘技大会函館場所」(道土佐犬普及会函館支部主催)が19日、函館市浅野町4の浜出特設リングで開かれた。約110匹が一堂に会し、熱い戦いを繰り広げた。

 同大会は毎年4—11月まで、年7—8回道内各地で行われ、45キロまでの中型犬とそれ以上の大型犬に分けられる。この日は朝から約120人の観客が訪れ、木製のおりに囲まれた土俵を注視。激しくぶつかり力を競い合う“力士”の取り組みに、一番一番大きな声援を送っていた。また、市内の中村金二郎さん(48)の愛犬「滝龍号」(たきりゅうごう)の名犬横綱昇進を祝い、化粧まわしを着用したお披露目や、5分間の前役戦(闘技)も行われた。

 親子で観戦に訪れた市内の市川英雄さん(55)は「土佐犬はすごく我慢強くて、迫力も感じる」と興奮気味に話し、長女の奈保子さん(26)は「見ている方が悲鳴をあげそう」と、取り組みに見入っていた。同支部の三戸俊裕支部長は「多くの人に見てもらえてうれしい。土佐犬育成の普及につながれば」と話していた。

 今年は6月20、21日の両日に市内港町で全国各地から300匹以上が集う、函館では初めての全国大会も開催される予定。(山田孝人)



◎西部地区を飲み歩く…「バル街」盛況

 函館の旧市街地・西部地区の飲食店をスペインの「バル」に見立てて飲み歩くイベント「第11回函館西部地区バル街」(実行委主催)が19日、「2009世界料理学会inHAKODATE」(20、21日)のプレイベントを兼ねて行われた。11回目の今回は初参加の奥尻町など、過去最多となる64店が出店し、市民や観光客がはしご酒を楽しんだ。これに伴った様々なイベントも同地区周辺で開かれ、休日の西部地区は大勢の人出でにぎわった。

 昨年10月にワイン工場が完成したばかりの「奥尻ワイナリー」は「ラコンチャ」(末広町)の店舗を借りて出店した。午後5時半の開店を待ちきれない人で行列ができ、急きょ30分前倒してオープン。奥尻島のブドウで作った白ワインの「シャルドネ2007」と奥尻ほっけを使ったピンチョー(つまみ)と、料理もお酒も“島育ち”の品を提供した。

 立ち寄った市内の大場誠司さん(46)は「ブドウの味が濃厚で飲み応えがある。料理もさっぱりしておいしい」と満足した様子。奥尻町役場商工観光課の満島章さんは「函館の人に直接PRできる機会は少ないので、これだけ多くの人が来てくれてうれしい」と話していた。

 アクロス十字街前では、深谷宏治実行委員長が切り分けた生ハムやパン、赤ワインなどを振る舞われ、一時は300人以上が長蛇の列を作った。上川管内美瑛町からバル街のために来函した自営業三浦大輔さん(34)は「前回食べられなかった生ハムを味わえてよかった。あと10軒ははしご酒するつもり」と、少し赤みがかった笑顔で話していた。(山田孝人)



◎江差追分発表大会 山本さん優勝

 【江差】江差町江差追分協議会(菊地勲会長)主催の第30回江差追分発表大会が19日、町文化会館で開かれた。全国大会出場経験者が競う、一般第1部では、江差町の山本康子さん(48)=鴎声会=が優勝した。

 数ある歌詞の中でも「忍路高島 及びもないが せめて歌棄 磯谷まで」を選んだ山本さん。秋に開かれる全国大会の予選会を来月に控えて「練習あるのみです」と意気込みを語った。一般第2部は、江差追分少年全国大会で2度の優勝経験がある中島琴美さん(15)=かもめ会支部=が、初出場ながら見事に優勝を果たした。