2009年4月22日 (水) 掲載

◎最後に大輪の〝花〟を…函館夜景の日に花火打ち上げ

 市民の力で函館の夜景に大輪の花火を—。8月13日の「函館夜景の日」の午後8時13分に、市内各所から一斉に花火を打ち上げ夜景を彩ろうと「エリア8K実行委員会」(馬場哲也委員長)の第1回会議が20日、大森町のホテル函館ロイヤルで開かれた。同会メンバー10人が集まり、計画内容などを話し合った。馬場委員長(50)は「函館の財産である夜景が1番輝く日にしたい」と話している。

 実行委は2001年から毎年8月13日に、同市大町の緑の島を舞台に花火を打ち上げている市民団体「『夜景の日』を考える会」(佐近弘悦代表)が、函館開港150周年を1つの区切りにしようと、市内の青年団体などに呼び掛けて立ち上げた。同会は今回を最後にイベントを休止する予定。

 計画は「エリア8K—函館夜景に花が咲く」をテーマとし、市内の高校グラウンドなど15カ所から夜景の日の8時13分に一斉に花火を打ち上げ、函館夜景を美しく彩るというもの。時間は2—2分半で、各約250発を予定している。予算は市民からの募金などを充てるという。第1回会議では、計画実現に向けた具体的スケジュールなどを話し合い、今後は打ち上げ場所の許可申請、市内各所への募金箱の設置などを行う。

 夜景の日は1991年、函館青年会議所の理事長福西秀和さん(当時)が発起人となり、夜景の大切さを再認識する記念日を設けようと、8(や)とトランプの“K”にあたる13に当てはめた8月13日に制定された。

 馬場委員長は「募金を通じて多くの人に参加してもらい、みんなで美しい夜景を作り上げたい」と話している。問い合わせは実行委事務局佐近さんTEL090・8637・0070、電子メールはsakon@msa.ncv.ne.jp(山田孝人)



◎「BAYはこだて」きょうリニューアルオープン

 金森商船(函館市末広町、渡辺兼一社長)は22日、ベイエリアの赤レンガ倉庫群で運営する商業施設「BAYはこだて」をリニューアルオープンする。函館初出店のテナント4店舗を含む物販部門を拡充し、125年前の完成当時にあった出入り口も復活させた。施設の大規模な改修は旧日本郵船から土地、建物を引き受けた2003年以来6年ぶり。

 今回改修されたのは、掘割を挟んだBAYはこだての1号館(約1300平方メートル)と2号館(約400平方メートル)のほか、南東側の広場の一部など。昨年末に1号館内にあったレストランなどを閉鎖し、今年1月中旬からリニューアル工事を進めていた。

 函館初進出となる輸入雑貨「マライカ」(東京)や、はちみつ製品販売「杉養蜂(ようほう)園」(熊本市)など、物販店は従来より5店多い計11店が出店。飲食店では地元洋菓子店の「プティ・メルヴィーユ」のカフェや、函館ビヤホールの姉妹店「ベイサイドレストランみなとの森」がオープンする。施設内にはギャラリースペースや授乳室も新設した。

 同社によると、赤レンガ倉庫への年間入館者数は近年130万人前後という。同社の柳谷一美営業部長は「観光客の減少などで厳しい状況にあるが、商業施設として一層の充実を図り、市民にも憩いの場として活用してもらえれば」と話し、初年度は前年比30%増の入館者を目標としている。

 午前9時半—午後7時まで(29日—5月5日は午後8時まで)。22日は先着300人にオープン記念のプレゼントもある。問い合わせは同社TEL0138・23・0350。(森健太郎)



◎ユジノ便一時運休へ…22日から

 サハリン航空(ロシア・ユジノサハリンクス)が運航する函館—ユジノサハリンクス間の定期便が22日から5月6日まで一時運休することが21日までに分った。6日以降も予約状況に応じた運航になる見通しで、定期便としての維持が難しい状況となっている。4月22日に同航空の幹部らが函館市役所を訪れることになっており、同市は「運航継続を求める姿勢に変わりはないが、同航空側との説明を聞いてから対応していきたい」と困惑している。

 日本地区総販売代理店UTSエアサービス(札幌市)によると、同航空は定期便を22日、29日、5月6日を運休し、6日以降については一定以上の予約がなければ運航しないと申し出たという。

 4月21日までに函館市には正式な連絡はなく、港湾空港部空港課が同社や関係機関に問い合わせをし、運休を確認した。

 谷沢広副市長は「サハリン便は市にとって有益な便で経済効果も期待できる。失うことは痛手」としている。

 22日に同航空の幹部との面会では、運休に至った経緯や今後の運航方針の説明のほか、財政支援も想定されるが、市としては財政状況や他社との公平性から経済支援は難しい状況。

 現在、函館—ユジノサハリンクス線の運航は週1往復。市によると、2008年度は101便が運航し、乗降客数2785人、搭乗率25・5%と低迷。ウラジオストク航空が昨年から成田ユジノサハリンクス間の定期チャーター便を始めたことなども影響を及ぼしている。(鈴木 潤)



◎道南から8200人参加…全国学力テスト

 小学6年生と中学3年生を対象にした文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が21日、全国一斉に行われた。渡島、桧山両管内では一部実施を延期する学校もあったが、約8200人が参加した。

 道教委によると、道南の小学校2校は対象となる6年生がいないため実施しない。インフルエンザなどで桧山管内の小学校1校、修学旅行と日程が重なった渡島管内の中学校1校は後日実施することになった。私立では、インフルエンザなどによる学級閉鎖で急きょ中止となった渡島管内の中学校1校のほかはすべて参加。道立特別支援学校は2校が実施した。

 テストは昨年同様、国語と算数・数学の2教科で、基礎的知識を問うA問題と知識の活用力を調べるB問題がある。生活習慣に関するアンケートも行い正答率との関連性も調査し、文科省は8月中の結果公表を目指す。

 テストは午前8時半過ぎから各校で始まり、函館市美原の国立道教大附属函館小学校では児童78人が参加。担当教員が問題と解答用紙を配ると、子どもたちは少し緊張した様子で取り組んでいた。

 全国学力テストは学力低下への懸念から、2007年に43年ぶりに再開された。北海道は全国平均より低い傾向が見られ、道教委や各教育局は改善策などを打ち出している。過度な競争につながるとして文科省は市町村、学校単位での公表を実施要領で禁止しているが、一部で情報公開を進める動きもあり、結果の開示や試験の在り方をめぐり議論が分かれている。(新目七恵)



◎定期便維持で考え一致…A—netの丘珠撤退検討 札幌市・井上部長 今後の対応説明

 航空大手、全日空(ANA)のエアーニッポンネットワーク(A—net、東京)が、函館など道内5市町と丘珠空港(札幌市)への発着便を新千歳空港(千歳市)に集約することを検討している問題で、札幌市市民まちづくり局総合交通計画部の井上力部長が21日、函館市役所を訪れ、谷沢広副市長にこれまでの現状や札幌市の今後の対応を伝えた。対談は非公開で行われたが、両市とも丘珠空港への現就航便を維持する考えで一致し、情報交換していくことを申し合わせた。

 井上室長はANA側の申し出を受けて、16日から中標津町や釧路市など丘珠空港を発着する空路を持つ市町を訪問していて、函館が最後の5カ所目。

 対談後に記者会見した井上室長は「今回は市で知り得た情報を関係市町に正確に伝えることが目的」とし、就航便維持に向け協力要請ではないことを強調した。谷沢副市長との対談については「札幌市の考えや航路がなくなった場合の影響面など理解されたと受け止めている」とした。

 今後の協力体制の方向性については、それぞれの事情や立場、航空事業者のかかわりの違いがあることから明言を避けたが「航空事業の公共性の観点で搭乗率の向上や路線発展に向け知見を高めあうことは可能。5市町で意見交換するのは極めて重要」との見解を示した。

 札幌市は丘珠空港ビルに出資し、空港周辺も整備しいて、A—netの搭乗率、空港ビル収益のシェアも高いことから、「空港ビルの存亡にかかわり、高速交通網や空港整備を主とした都市政策にも影響する」としANA側に再考をするよう求めている。

 谷沢副市長は「札幌市と互いに共有の課題を持っている。丘珠への路線の方がビジネス客を中心に利便性が高く安定路線と認識している。関係市町とも情報を共有しながら対応していきたい」と述べた。(鈴木 潤)