2009年4月23日 (木) 掲載

◎歩み、功績 もっと伝えたい…益田喜頓さん生誕100年記念事業の日程など確認

 今年生誕100年を迎えた函館出身の喜劇俳優、故益田喜頓さん(享年84)の記念事業を実施する実行委員会(委員長・金山正智市文化・スポーツ振興財団理事長)の第3回総会が22日、函館市民会館で開かれた。益田さん原作の市民ミュージカル「案山子(かかし)物語」の函館公演をはじめ、各種行事の日程が承認されたほか、完成したポスターを23日から周知することなども確認。金山委員長は「喜頓さんのイメージが伝わる素晴らしいポスターができた。函館が生んだエンターテイナーの足跡を振り返ると共に、その多彩な姿を楽しんでほしい」とPRしている。

 函館市栄誉賞第1号受賞者でもある喜頓さんの数々の功績をたたえ、広く一般にしのんでもらうことなどを目的に2007年11月、市や文化団体など9機関・団体で実行委が発足。事業計画が決定した昨年6月からミュージカル出演者を一般公募し、集まった市民らへダンスレッスンが8月からスタート。今年2月には配役も決まり、メンバーは現在週3回の本格的なけいこに励んでいる。

 函館市民会館を主会場とした記念事業は、8月23日の函館公演(昼夜2回)、9月1—8日の8日間の展示会「喜頓メモリアル・アラカルト」、同5、6日の映画会「喜頓シネマ上映会」、同20日の浅草公演(昼夜2回)。11月中旬には関係者を集めた交流会「喜頓さんを偲ぶ会」も開く予定だ。

 案山子物語は愛と平和をテーマに、「じっちゃんかかし」と孫娘の「ペコ」が台風に乗って世界中を巡り、そこで出会った人たちと交流を深める物語。これまで函館で2回、札幌で1回上演され好評を博した。

 総会では各種イベントの進ちょく状況やスケジュールなどを確認。ダンス指導を務める函館ミュージカル劇場運営委員の島崎啓子さんは「素人の人が大半で時間はかかっているが、目に見えて上達している」と出演者の成長ぶりを報告。金山委員長は「事業を何としても成功させたい。一致団結して頑張ろう」と呼び掛けた。

 公演チケットは5月中旬にも販売開始する予定。(長内 健)



◎ユジノ便運休 状況を説明…サハリン航空

 函館とロシア・ユジノサハリンクスを結ぶサハリン航空定期便が22日から運休した。同航空のコマーシャル・ディレクター、スピチェンコ・ワレリー氏は同日、函館市役所を訪れ、5月27日まで定期便を運休することを正式に伝えるともに、利用客の伸び悩みで今年1—3月の累積赤字額が10万ドル以上に膨らみ、経営危機に陥っている状況を明らかにした。同氏は27日以降の運航方針は明らかにしなかったが、定期便の維持が難しい状況に陥っている。

 スピチェンコ氏は同航空日本総販売代理店UTSエアサービスの郭成浩社長とともに訪れ、谷沢広副市長と高橋良弘空港港湾部長に同便の運休に至った経緯と会社の窮状を説明した。谷沢副市長も定期便の存続を望む立場で路線維持に協力していく考えを示した。

 会談後の記者会見で、スピチェンコ氏は状況説明が目的で、支援要請ではないことを強調。今年1—3月までの利用客が前年より44%減り、赤字路線に陥った要因として①世界的な経済危機の影響②サハリンの石油、ガスを開発する「サハリン2」が終了したことで、ビジネス客が減少③利用客がウラジオストク航空が運航する東京—ユジノサハリンスクの直行便(チャーター便)に流れた—の3点を挙げた。赤字額が10万ドル以上となった状況について「解決しなければ問題」と危機感を募らせた。

 運航の再開には具体的に言及はせず「便を継続させるために解決策を探している」と述べるにとどめた。

 説明を受け、高橋部長は「ユジノサハリンクスとは姉妹都市も結び、ロシアと函館は深いつながりがある。将来展望を含めれば路線は大事。今後市として何ができるのか検討していきたい」と語った。

 同定期便は1994年に就航し、現在は週1回の運航。年間利用客は1998年度の7092人をピークに減少傾向となっており、2007年度、08年度は3253人、2785人と低迷している。 (鈴木 潤)



◎小学生に外国語の楽しさ伝えます…函館市教委サポーター8人に委嘱状

 函館市教委が本年度から独自に取り組む「函館市小学校外国語活動サポーター派遣事業」の委嘱状交付式が22日、函館市湯川町の同市南北海道教育センターで行われた。一般公募で申し込んだ8人が委嘱を受け、5月から始まる活動への意気込みを新たにした。

 この事業は新学習指導要領の改定に伴い、小学校高学年で2011年度に完全実施される「外国語活動」の導入に向け、各校の取り組みの充実を図ることが目的。英語が母国語の外国人や英語に堪能な日本人などをサポーターとして任命し、指導補助などに取り組んでもらう。委嘱期間は来年3月31日まで。

 今回24人から申し込みがあり、市教委内で検討した結果8人に委嘱することになった。市内では公立小学校全47校が本年度から外国語活動を導入する計画。サポーターは1人1—7校を担当する。

 この日、平馬隆司学校教育部長が8人全員に委嘱状を手渡し、「函館の子どもたちに外国語の楽しさ、喜びを伝えてほしい」とあいさつした。 函館市に住むフィリピン出身の山口・コンコルジャ・シャーロットさん(36)は「個人的に英語を子どもたちに教えていて今回申し込んだ。外国人と楽しく遊ぶ経験をしてほしい」と話していた。(新目七恵)



◎夜景 バスで見に行こう…五稜郭、函館駅25日から運行

 函館バス(函館市高盛町、寺坂伊佐夫社長)は25日から、五稜郭地区やJR函館駅発着で函館山山頂を巡る「函館山五稜郭登山バス」と「函館イルミネーション・夜景観光バス」の運行を開始する。

 五稜郭登山バスは一日1往復で、ホテルネッツ函館・ホテル法華クラブを午後7時に出発。ホテルウイング、ホテルグランティア、松風町、函館温泉ホテルを経由して午後7時50分に函館山着。折り返し便は函館山を同8時20分に出発する。運賃は本町・五稜郭地区乗降が往復で大人900円、松風町、函館温泉ホテル乗降が大人720円。小学生以下はそれぞれ半額となる。

 夜景観光バスは一日1往復で、ガイドが添乗する展望デッキ付きバスに乗車。函館駅前を午後6時50分に出発し、明治館や金森倉庫、元町を巡り、函館山で30分の自由時間がある。帰りの同駅前着は同8時50分。1日24人限定で、運賃は大人1000円、小学生以下500円。

 それぞれの運行期間は25日—5月6日と7月13日—8月30日は毎日運行。5月7日—7月12日と8月31日—11月1日は金・土・日、祝日のみ運行する。問い合わせは同社函館営業所TEL0138・51・3137。