2009年4月24日 (金) 掲載

◎五稜郭タワーのガラス清掃

 五稜郭タワー(五稜郭町43)の展望台で23日、ガラス外側の清掃作業が始まった。多くの来場客が訪れる大型連休前に、より鮮明な景色を楽しんでもらうための準備を整えた。

 清掃は専門業者に委託しており、毎年4、7、10月の年3回実施。塔頂部に格納している3人乗りの可動式ゴンドラに作業員が乗り込み、展望台上部と窓枠に沿って設けられたレールの上を移動しながら作業を進める。

 ガラスは5角形の展望台の1辺に24枚、計120枚が設置されている。最大のものは縦3.2メートル、横1.4メートルある。作業員はモップやぞうきん、水切りを手に、手際よく清掃を行った。来場客は「すごい怖そう」「乗ってみたい気もする」などと話しながら、作業に見入っていた。作業した男性は「高い所は慣れている。美しい眺めを展望台から楽しんでほしい」と話していた。(山田孝人)



◎函館大学が2010年から再編、入学定員150人に削減

 学校法人野又学園の函館大学(溝田春夫学長)が23日、2010年度からの再編計画を発表した。入学定員を50人削減し、商学科と英語国際ビジネス学科の2学科を商学科のみの1学科に統合。入学金と年間の学費を改定し、合計19万円値下げする。少子化が進み、地域経済の厳しさも増す中、学生の実態に合わせて教育資源を集中させ、財政健全化を図る考えだ。

 同日、函館市役所で会見を行った溝田学長らによると、同大の入学定員は現在200人。しかし、02年度から毎年定員割れの状況が続き、過去5年間の入学者数平均は154人に落ち込んでいた。

 新しい商学科(入学者定員150人)は企業経営、市場創造、英語国際の3コースで構成。英語国際コースは英語国際ビジネス学科の教育内容を引き継ぐ形となる。

 学科再編に伴い、全コースで3年間にわたる科目「商学実習」を新設。学生が企業・ビジネスについて研究し、現場にも出向いて実践力を身に付けるのが狙い。また、高校情報の教職課程を返上する一方、従来の中学・高校英語、高校商業に加え、中学社会と高校公民の一種免許を取得できるようにする。

 学費改定ではより多くの学生を確保するため、入学金を従来の15万円から10万円に変更。年間の学費は112万円から98万円とする。

 野又学園は05年度決算以降赤字の状態が続いており、昨年度は約1億円の赤字となった。学校別には公表していないものの、同大単独でも04年度から赤字の状態が続いているという。学生定員減に伴い、文科省の設置基準に基づく教員定員数も減る。現在32人の教員は15年度までに24—26人となる見込みで、人件費を含めた経費の節減により経営改善を図っていく。

 溝田学長は「厳しい経営状況を踏まえての決定。(学科再編などで)4年後には収支の均衡を図りたい」と説明。新科目について「学生に商学の面白さを理解してもらい、街の発展にも貢献したい」と話した。

 野又学園は現在、函館を中心に9つの教育機関と自動車学校1校を経営。このうち、函館ビジネスアカデミー専門学校と日本ビジネス綜合専門学校(札幌)は昨年度から募集を停止している。(新目七恵)



◎A—net撤退問題、ANA幹部が市に事情説明

 全日空(ANA)の子会社、エアーニッポンネットワーク(A—net、東京)が、函館など道内5市町の空港と丘珠空港(札幌市)とを結ぶ路線を新千歳空港(千歳市)に集約する方針を固めた問題で、ANAの幹部社員が23日、函館市役所を訪れ、会社の方針を正式に伝えた。市は対馬正樹港湾空港部次長が対応し、丘珠空港の路線維持を望む考えを示した。

 市役所を訪れたのはANA企画室ネットワーク戦略部の平沢寿一部長代理ら3人。丘珠空港からの撤退方針に至った経緯について、平沢部長代理は、世界的な経済危機による経営環境の悪化を第一に挙げた。

 同空港は冬場の運航率が80%で新千歳空港と比べ低いことや、滑走路が短く、現在使用しているプロペラ機の故障時の代替機に中型ジェット機が使用できない。その上、プロペラ機の後継機種がないなどの問題点が指摘されており、平沢部長代理は「新千歳へ移転した際、イレギュラー対応が臨機応変にでき、客への信頼度を高められる」と語った。

 新千歳空港から札幌中心部へのアクセスも「JR札幌駅直通の快速列車が15分間隔で接続され、運航率の高さとJRの定時制を組み合わせると丘珠と遜色(そんしょく)ないサービスができる。関係自治体に丁寧に説明し理解を求めたい」とした。対馬次長は「事情は理解させていただいた。推移を見守りながら対応したい」と述べた。

 この日は札幌市内で、札幌市や函館市、釧路市など関係6市町の空港担当課長による会議が開かれ、今後の対応策を協議した。(鈴木 潤)



◎旧東高校新聞の縮刷版完成

 旧函館東高校(現市立函館高校)新聞局OB有志でつくる「青雲時報縮刷版刊行委員会」(岩佐章夫委員長)は、当時の高校生が発行してきた学校新聞「青雲時報」の1977年から2007年分(101—169号)を集めた「続・青雲時報縮刷版」の販売を始めた。学校祭や部活動などのカラー写真、同校の歴史などをまとめた詳細な年表も掲載している。

 1977年には100号発行の節目を記念した縮刷版を発刊したが、今回は当時のメンバーら13人が閉校を機に「続編を残すのがわれわれの責任」と企画。同校青雲同窓会からの資金援助を受け、昨年8月から全国各地のOBらに資料提供を呼び掛けたり、週2回の編集会議を重ねるなどして今月完成した。

 縮刷版には「行灯(あんどん)行列」や体育祭など同校のメーン行事のみならず、「青少年の自殺を考える」(123号)、「特集 本のない街函館市」(143号)など高校生独自の視点で見つめたまちの課題や時事問題の記事もあり、読み応えのあるものとなっている。また、市立函館高の学校新聞(創刊号—第6号)も掲載した。

 同委事務局長の上田昌昭さん(65)は「東高校の歴史を伝える貴重な縮刷版。当時の青春時代を思い起こし、懐かしんでもらえれば」と願う。

 A4判、344ページ。創刊号から全号を収録したCDも添付。1部2000円(送料別500円)で販売中。残り約500部で増刷はしない。申し込みは上田さんまでTEL090・8276・9487。(長内 健)



◎桧山管内7町、ラスパイレス指数92%

 【江差】桧山管内7町では2008年度、町職員の給与水準を示す「ラスパイレス指数」は、7町平均で前年度比0・4ポイント増の92%だった。管内では、財政難の影響で同指数の低下傾向が続いており、04年度以降の過去5年間でわずかながらも上昇に転じたのは今回が初めて。

 同指数は、地方公務員の給与額を、同等の職種や経歴に当たる国家公務員の給与額を100として比較・算出する。08年度の管内平均は92%。全道町村平均の95・1%を3・1ポイント下回った。08年度の全道市平均は93・9%。全道市町村平均は94・9%。道職員は92・6%、札幌市職員は100・1%だった。

 08年度の同指数を町別に見ると、江差町91・7%(対前年度比1・0ポイント減)、上ノ国町90・8%(増減無し)、厚沢部町93・3%(同0・4ポイント減)、乙部町93・1%(同1ポイント増)、今金町95・8%(同0・64ポイント増)、せたな町91・7%(同0・37ポイント減)だった。

 奥尻町は、管内で唯一90%台を割り込む87・5%(同2・0ポイント増)だった。道内で90%を下回ったのは20市町村あり、道南では奥尻、鹿部、松前の3町。財政破たんした夕張市は68・6%、深刻な財政難に陥る赤平市は75・5%、歌志内は76・0%だった。

 管内7町平均の同指数は、2000年度前後から減少傾向が続いている。過去5年間の推移を見ると、04年度は93・4%、05年度92・5%、06年度92・1%。07年度91・6%と減少している。ピーク時の01年度には101・5%と、全道町村平均を大幅に上回った江差町も、04—05年度の職員給与削減の影響で同比率が低下。01年度と08年度を比較すると、9・8ポイントもの減少率となっている。(松浦 純)