2009年4月8日 (水) 掲載

◎知内にヘラサギ飛来

 【知内】知内町の水田で7日、トキ科のヘラサギ1羽が羽を休めているのが見られた。先端が黄色いしゃもじのようなくちばしを持つ姿に町民は「あんな鳥は見たことがない。春の風を浴びて優雅に飛ぶ姿はトキそのものだ」と驚きの声を上げ、カラスも珍鳥に近づき見物している。

 沼地がある重内地区に飛来。同町小谷石の住職、佐藤暁樹さん(53)が5日午後2時半ごろ、探鳥中に見つけた。「とにかくびっくりした。すぐに図鑑で調べた」と振り返る。

 ヘラサギは純白の姿で後頭部に飾り羽がある。モンゴルや中国で繁殖し、渡りの途中で群れから離れたものと思われる。道南では1998年8月に江差町で初確認されているが知内では前例がない。

 日本野鳥の会函館支部の有馬健二支部長(80)は「まれに九州に渡来するが、北海道まで飛んでくることはめったにない。暖かくなってから無事に大陸に戻れることを願う」と話している。(田中陽介)



◎09—11年度の介護保険料、函館市は据え置き

 渡島、桧山管内の18市町の第4期(2009—11年度)介護保険料が7日までに明らかになった。65歳以上の介護保険料基準額(月額)は函館市など11市町が第3期と同額に据え置くか引き下げた。保険料の急激な上昇を抑えるため、国が交付した交付金や各市町で設けた特別会計の準備金を活用し、増額分をまかなったことが要因として挙げられる。ただ、交付金措置は特例。次回の保険料改定に交付されるかは不透明で、保険料の引き下げや据え置きは一時的ではとの指摘もある。(鈴木 潤)

 今回の改定で保険料を引き下げたのは、厚沢部町(4300円)、今金町(4040円)、江差町(5116円)の3町で、引き下げ幅は厚沢部町725円、今金町300円、江差町4円。据え置いたのは函館市(3950円)、鹿部町(3500円)、木古内町(4300円)、八雲町(3700円)など8市町。ただし、八雲町は合併前の旧熊石町の保険料と比較すると234円の引き上げとなる。

 介護保険料は「介護保険事業計画」に基づき3年ごとに見直すことになっていて、今回の改定は2000年の制度導入から4回目。前回は介護給付費がかさむなどしてほとんどの自治体が引き上げをした経緯がある。

 本年度から介護報酬が平均3%増に改定されたことや、65歳以上の保険料負担割合がこれまでより1%増の20%となった。保険料の急激な上昇を抑えるため、各市町に国から特例で交付金が交付された。このほか、06—08年度に給付実績以上に取りすぎた保険料を蓄えた準備金を全額、もしくは一部切り崩し、保険料の大幅な引き上げを抑制した。

 北斗市(4200円)や松前町(3200円)、知内町(3600円)など7市町は保険料を引き上げた。介護サービスを利用する高齢者が増え、介護給付費が見込みよりも膨らんだり、準備金の切り崩しを極力抑えたのが要因。

 各自治体とも介護保険財政は厳しく、函館市の介護高齢福祉課は「今回、介護報酬の増額分を国が負担する形となったが、いずれは各市町村でまかなうことになる。そうなれば保険料を引き上げざるをえない」としている。



◎ヒグマに注意! パネル展などで呼び掛け

 道では、4日から5月10日までを「2009年度春季のヒグマ注意特別月間」として、事故防止の啓発に努めている。このうち、函館市美原の渡島合同庁舎1階道民ホールでは、「ヒグマ・パネル展」(渡島支庁環境生活課自然環境係主催)を10日まで開催している(入場無料)。昨年、渡島管内では9年ぶりに、2件のヒグマによる人身死亡事故が発生しており、同係では「ヒグマの性質や行動パターンを知ることで事故防止に役立ててほしい」と来場を呼び掛けている。

 渡島管内では、昨年4月に北斗市で山菜採りの男性がヒグマに襲われる死亡事故が発生。同7月にも松前町でヒグマに襲われたとみられる男性ハンターの遺体が見つかるなど、痛ましい事故が相次いだ。

 過去45年間に道内で発生したヒグマの人身事故件数を見ると、狩猟や有害駆除中の事故が約4割とトップ。続いて山菜採り中の事故が約2割となっている。しかし、近年は、山菜採りなどで車を使い単独で山奥まで入る人が増えており、ヒグマと遭遇するケースも多く報告されている。

 同係では「山菜採りや川釣りでは単独行動になりやすく、ヒグマに襲われる危険性が高い。できるかぎり仲間と行動し、自然に会話したり鈴などの大きな音の鳴る道具を携帯し、ヒグマに自分たちの存在を示すようにしてほしい」と話している。

 同パネル展では、ヒグマの生態や被害の状況、安全対策を写真やイラストなどで紹介しているほか、畑への侵入防止のために設置する電機柵のチラシなどを配布。来庁者らは興味深くパネルを眺めている。(小川俊之)

 



◎渡島地方税滞納整理機構の徴収額、4年連続1億突破

 函館市を除く、渡島・桧山管内の1市16町で構成し、市町税の滞納整理を引き受ける一部事務組合「渡島地方税滞納整理機構」の2008年度最終徴収実績額が1億878万円となり、4年連続で1億円の大台を超えた。徴収率は31・25%。07年度の最終実績と比較すると、徴収額で約630万円減、徴収率で約3・4攞減となった。

 同機構は、自治体単独ではは処理が難しい滞納事例を専門的に処理する機関として、渡島管内の自治体により2004年4月に渡島地方税滞納整理機構として発足。07年4月からは桧山管内も加わり現在の体制となった。

 作年度は各市町から310人(法人を含む)、3億4809万円分の処理困難な事案を引き受けた。同機構では滞納者の財産調査や早期滞納処分を行うとともに、財産の差し押さえや、納税誓約を通じて徴収を進めてきた。

 徴収額のうち、預貯金、給与、生命保険などの差し押さえによる強制徴収は3639万円。納税誓約額は6004万円で、このうち4485万円が年度内に納付されている。また、同機構が徴収を行うことによる事前予告効果額は1億2797万円で、効果額の合計は2億5194万円。昨年度の同機構に対する加入市町の負担金3967万円に対し、対効果割合は6・35倍となっている。(小川俊之)



◎「弥生俳句会」句集第13号完成

 函館市の俳句結社「弥生俳句会」(大江流代表、会員約25人)はこのほど、随筆・合同俳句集「弥生」の第13号を完成させた。会員16人がエッセーや随筆のほか、5—10句を所感を添えて発表。大江さん(77)は「卒寿を迎えた人までが元気良く筆を走らせ、文章を学んできた成果発揮している。幅広い年代に励みを与えると思うので、一読してほしい」と話している。

 会は17年前に結成。月に1、2回俳句会を開くほか、かみ締めた言葉で文章を書くことが俳句づくりの基本であるとし、随筆・俳句集を年1回制作している。「以前は句集をメーンにしていたが、それぞれの文章力が高まり、感動する内容の文章が多くなったので随筆を主にした」と大江さん。

 会員はほとんど70歳以上。森町在往で、昨年卒寿を迎えた君島登子さん(90)は、本州に住む父、母、長女が亡くなる前の不思議な体験を紹介。父は3日続けて夢に出てきて、3日目に「早く逃げろ」と言い、その夢の翌日に、危篤、死亡の電報が続けて来たという。父がいる山形に駆け付けたところ、遺体は腰のあたりまで温かさが残り「わたしに会いたかったのだろう」と無念さをしたためた。大江さんは「君島さんの文章力から感化されることは大きい」と話す。

 大江さんは、現代社会活性の鍵を握るのは中高年のパワーと説く。「人生に責任を持って生きてきた会員が、まだまだこれから使命を果たしたいという気持ちを燃やしている。そんな気持ちを思い起こし、忘れないでほしい」と話している。

 A5判、102ページ。100部を発行。希望者には実費(1部800円)で販売する。問い合わせ、申し込みは大江さんTEL0138・46・0586。(山崎純一)



◎本年度の函館市内コンベンション、前年度並みの107件

 函館国際観光コンベンション協会は7日までに、2009年度の市内で開催するコンベンション(大会や会議など)の調査結果をまとめ、発表した。市内各種団体、組合など計698団体から問い合わせた結果、全道から国際規模まで合わせたコンベンションの総数は前年度よりも1件多い107件、参加人数は3万3777人になる模様。参加人数は前年度より2万3991人減としているが、本年度から集計基準を変更したことによるもので、市民参加の大会を除外したため。同協会は「前年度までの基準で集計すると大幅な増加になる」としている。

 件数の内訳は規模別に、国際が9件(前年度比4件増)、全国が43件(同11件増)、全道が55件(同14件減)。参加人数の内訳は同じく、国際2661人(同1691人増)、全国1万4407人(同7343人減)、全道1万6709人(同1万8339人減)。

 1000人以上のコンベンションは、「第50回外国人による日本語弁論大会」(5月30日・市民会館、1000人)や「茶道裏千家淡交会第50回道地区大会」(6月19、20日・五稜郭タワーアトリウム、1600人)、「函館開港150周年記念日本開国セブンハーバーズリーグ歴史とロマンの街・函館ツーデーウオーク」(8月29、30日・シーポートプラザふれあい広場ほか、3000人)、「第53回全国サイクリング大会IN HAKODATE」(9月5、6日・函館国際ホテルほか、1000人)など8件。

 注目のコンベンションは、6月中旬に市内のホテルなどで開かれる「第7回日ASEAN(東南アジア諸国連合)次官級交通政策会合」(100人)をはじめ、今月20、21の両日に五島軒本店で開催する「2009年世界料理学会inHAKODATE」(250人)、「第21回道南口説節全国大会」(7月18、19・市民会館、295人)、「第98回日本食品衛生学会・学術講演会」(10月8、9日・函館国際ホテル、802人)などが予定されている。

 市は本年度から全道規模以上のコンベンション開催に対し、参加人数に応じて10万円—100万円を補助する制度を新たに創設。これまでのコンベンションの補助は主に所轄する部局ごとに当初予算に計上していたが、年度途中に急きょ決定した大会などに対応しようと観光コンベンション部が窓口となって対応する。参加者が1泊以上函館市内に宿泊を伴うことが条件。当初予算で300万を計上した。