2009年5月15日 (金) 掲載

◎中島廉売にタケノコ

 函館市の中島廉売で、道内でタケノコと呼ばれているネマガリダケが並び始めた。1本20―30センチのものが束ねられた様子に買い物客は「大きいなあ。焼いて食べようかな」と驚きながら買い求めていた。

 ネマガリダケはササ属で、くせがなく独特の香りと歯ざわりがある。同市港町の上原二三子さん(76)は「今年春の道南は雨が少なく、ネマガリダケの収穫は遅くなるかと思われたが、ほぼ例年通りに店先に並べることができた」と話す。数本ずつを500円で販売。買い物客に「焼くときはそのままで焼き、煮る場合は少しそいでから調理して」とアドバイスしていた。(山崎純一)



◎函館市議会議長に吉田氏、副議長は能川氏

 函館市議会臨時会は14日、正副議長選挙を行い、議長に吉田崇仁氏(新生クラブ)、副議長に能川邦夫氏(民主・市民ネット)を選出した。議員10人を擁する最大会派同士で後期議長ポストを争ったが、最終的に保守系会派の新生から出すことで折り合いがつき、旧戸井町議出身の吉田氏に。民主の議長候補だった能川氏が副議長となった。保守系会派の議長は1995年5月に民主に奪われて以来、14年ぶり。

 投票になった場合、共産党(4人)は中立の立場から団長の高橋佳大氏を記名する方針だった。共産を除いた票は33で、17票を獲得した方が議長ポストを握るため、両会派は他会派や無所属議員の支持獲得に動いた。結果として民主が議長を辞退し、慣例通り信任投票の形となった。民主が票確保に厳しさを感じたためで、保守系会派分裂による民主の議長ポスト獲得は14年間で止まった。

 議長選は午後1時半から実施。本会議出席の37人で行い、吉田氏は有効33票のうち32票を獲得、無効票が4だった。副議長選で能川氏は有効37票のうち36票を取った。

 吉田氏は61歳。東京都立小岩高校卒。旧戸井町議を6期務め、町議会議長から合併後は市議会といグループ代表。2007年の市議選で戸井選挙区(定数1)から当選し、町議を含め連続7期目。同年5月から新生クラブ会長。「市政の発展と市民福祉の推進に誠心誠意尽くしたい」とあいさつした。

 能川氏は65歳。函館西高卒。電電公社(現NTT東日本)を経て1995年に初当選し、連続4期目。民生常任委員長、議会運営委員長などを歴任した。「議長を支え、市民の付託に応える議会運営に努めたい」と述べた。

 議会選出の監査委員には北原善通氏(市民クラブ)と小谷野千代子氏(公明党)の選任に同意した。市の追加議案で、有効投票35票のうち、北原氏は「可」34、「否(白票)」1、小谷野氏は「可」35だった。

 3常任委員会の正副委員長も互選。総務は委員長が浜野幸子氏(新生クラブ)、副委員長が松宮健治氏(公明党)、経済建設は委員長が佐々木信夫氏(市民クラブ)、副委員長が紺谷克孝氏(共産党)、民生は委員長が斉藤佐知子氏(民主・市民ネット)、副委員長が金沢浩幸氏(新生クラブ)。

 このほか、函館湾流域下水道事務組合議員、函館圏公立大学広域連合議会議員、議会推薦の農業委員を決めた。法改正に伴い市長が専決で市税条例の一部を改正したことを報告し、承認。午後9時27分に閉会した。(高柳 謙)



◎新社会人応援企画(7)…できること一生懸命に・七飯大沼交通専務 小林克彦さん(41)

 「継続が大事。仕事で満足感や充実感を得るには時間が必要だと思う」。

 七飯町生まれ。1987年に大野高校園芸科を卒業後、陸上自衛隊函館駐屯地勤務を経て、91年に観光産業を営む実家の大沼交通に入る。現在は同社専務を務めるかたわらら大沼の観光振興のため、大沼観光協会副会長を兼務し、古里を盛り上げようと精力的に活動する。

 自衛隊で6年間過ごした。社会人としての礼儀や基礎を身に付けた後、視野を広げたいと転職を決意する。「就職してすぐに転職を考える人がいるが、きっかけやチャンスが生まれてから実行すればいい」と自らの経験を語る。

 同社は当初、レンタカー事業を中心に展開していたが、97年に貸切バスの事業に転換した。5両でスタート。「バスも少なく知名度も浸透していなかったので、最初は仕事が入らず苦労した。民間で働く厳しさを痛感した」。

 慣れない仕事で疲労も重なり、配車ミスで団体客を送迎できなかったことも。「旅行代理店まで謝りにいって土下座した。今でこそ笑い話だけれど、当時は青ざめたな」と振り返る。サービス業は信頼が第一。「二度と同じ間違いを繰り返さない」と誓い、積極的に取引先や地域の観光業仲間と意思疎通を図った。

 持ち前の明るい性格で人脈を築き、柔軟な発想で仕事の幅を広げた。道内で唯一、トイレ付きの観光バスを導入。現在は23両の貸切バスを運行し、大沼を盛りあげる。「まずは自分ができることを一生懸命に頑張る。辛い時期もあるかもしれないが、乗り越えてこそ人生。それが信用となって、自分の財産になるから」と激励する。(石井 克)



◎鷲ノ木遺跡で高速道路トンネル工事本格化

 【森】文化庁が昨年9月に世界文化遺産暫定リストに加えた「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」に含まれる鷲ノ木遺跡(森町鷲ノ木町)で、今月上旬から高速道路トンネル工事が本格的に始まった。国指定史跡でもある同遺跡を保存するための作業で、工事関係者は「細心の注意を払いながらじん速に作業を進めていきたい」としている。

 同遺跡からは、道縦貫自動車の建設にかかわる発掘調査の過程で、道内最大級の環状列石(ストーンサークル)や竪穴住居跡などが出土。「歴史的価値ある遺跡を残してほしい」との地元住民の強い要望を受け現地保存が決定し、当初の計画を変更して遺跡の真下にトンネルを通すことになった。

 トンネルの全長は約86メートルで、このうち約46メートルが遺跡の真下を通る。完成予定は来年の秋ごろで、多様な地形や用地に対応できる「アール・アンド・シー工法」という手法の掘削を行っている。遺跡を壊さないように土台をしっかり組みむなど、手作業で行われる作業も多く、遺跡に浮き沈みがないか、毎日測量を行いながら確認をしている。

 工事を総括する東日本高速道路株式会社北海道支社函館工事事務所(NEXCO東日本)の中村明森北工事区工事長は「遺跡に影響を与えないように慎重に作業を行いたい」と話した。

 町教委の文化財保護係主任高橋毅さんは「鷲ノ木遺跡の環状列石は道内で一番大きくきれいに石が並ぶ特徴があり、学術的にも価値は大きい」と工事の無事を祈っている。(石井 克)


◎札幌のハーレー警ら隊が北星小にメッセージ

 大型オートバイ・ハーレーダビッドソン愛好者でつくる「北海道ハーレー警ら隊」(札幌)隊員5人が14日、函館北星小学校(林潤子校長、児童126人)を訪れた。隊員らは札幌屯田小学校(札幌市北区、佐々木雅史校長、児童660人)児童からの交通安全の願いを込めたメッセージを届け、両小学校の友情を結んだ。

 同隊は2007年、札幌、函館でそれぞれ、児童が巻き込まれる交通事故が発生したことをきっかけに、両地域の子どもたちに交通安全の意識を高めてもらおうと、メッセンジャー役を務めている。今回は13日に札幌を出発し、同日夕、函館に到着していた。

 この日は、函館のハーレー警ら隊とも合流し、エンジン音を響かせて登場。5年生児童20人や函館西署員、地域住民らに拍手で出迎えられた。

 同隊の松井敦史副隊長(46)は「今、会ったことのない遠くの友達との心と心のきずなが結ばれようとしています。交通ルールを守ることを約束して下さい」とあいさつ。北星小児童に屯田小児童のメッセージを手渡した。

 児童を代表して、吉田葵さんは5年生全員で作った「交通安全かるた」を同隊に託し、「帰り道も気を付けてわたしたちのメッセージを届けて下さい。わたしたちも事故遭わないように気をつけます」と話していた。(今井正一)