2009年5月17日 (日) 掲載

◎土方コンで佐藤さん優勝…箱館五稜郭祭が開幕

 五稜郭を舞台に箱館戦争の歴史をたどるイベント「第40回箱館五稜郭祭」(同協賛会主催)が16日から2日間の日程で開幕した。初日は新選組副長の土方歳三になりきって演技力を競う恒例の「土方歳三コンテスト全国大会」が五稜郭タワー(五稜郭町43)で行われ、出場者の熱演が会場を沸かせた。

 青空の下、午前中は新政府軍に扮(ふん)した箱館戦争ゆかりの地を巡る碑前祭が行われ、実行委のメンバーら約50人が中島三郎助父子最期の地碑(中島町)や、碧血碑(谷地頭町)、土方歳三最期の地碑(若松町)などで献花したり祭文を読み上げたりして戦死者を慰霊した。

 午後からは同タワーアトリウムで記念式典が開かれ、主催者のあいさつや功労者の表彰に続き、函館観光大使の女優、平田まりさんが「五稜の夢」と「ShinyEarth(シャイニーアース)」の2曲をステージ上で熱唱し、イベントの幕開けを盛り上げた。

 呼び物の「コンテスト」は今年で22回目。道内外から女性4人を含む計18人が出場し、最後の戦いで殉じる土方の姿を再現した。出場者はアドリブを交えて迫力ある大立ち回りを披露。工夫を凝らしたせりふやコミカルな演技もあり、会場を埋め尽くした観衆の拍手と笑いを誘った。

 優勝したのは函館市の介護職員、佐藤昭洋さん(36)。昨年に続き2回目の出場で、毎年の函館野外劇にも出演していて、1カ月前から刀さばきを磨いているという。佐藤さんは「緊張したが、新選組や土方が好きだという思いを大きな声で精いっぱい伝えられた」と喜びに声を震わせた。

 17日の本祭は、午後1時すぎから、優勝した佐藤さんも加わり、当時の衣装をまとい市内をパレードする目玉の「維新行列」が行われ、同2時ごろ、市内本町地区の行啓通で榎本軍と新政府軍による戦闘シーンが繰り広げられる。小雨決行。問い合わせは同協賛会事務局(同タワー内)TEL0138・51・4785。(森健太郎)



◎混乱なし、冷静に対応を…新型インフル国内初感染

 新型インフルエンザの国内初感染が16日、神戸市で確認されたことを受け、市立函館保健所(五稜郭町23)に設置された「発熱相談センター」には、同日夕方までに8件の電話相談が寄せられた。同センターは「報道を受けて特に数が増えているわけではない。これまで通りに予防対策を心がけ、冷静な対応をしてほしい」と話している。

 同保健所では今月1日に、市民や医療機関を対象とした発熱相談センターを開設。多い時には1日20件を超える場合もあるが、ここ数日は数件にとどまっていた。今回の国内初感染の報道を受け、17日夕方までに寄せられた相談は、市民から6件、医療機関から2件と目立った増加は見られなかった。同センターは「もし自分や家族の体調などに不安がある場合はすぐに相談してほしい」と呼びかけている。

 一方、渡島保健所(函館市美原4)の相談センターに、同日夕方までに寄せられた相談は2件のみ。同保健所では「国や自治体との連携を取りながら、迅速な対応が取れるように心がけたい」と話している。

 市立函館保健所の発熱相談センターはTEL0138・32・1539。渡島保健所の相談窓口はTEL0138・47・9541(夜間と閉庁日はTEL0138・47・9400)(小川俊之)



◎民主代表選 3氏も決意新た…次期衆院選道8区

 民主党の新代表に鳩山氏が選出された16日、次期衆院選道8区に出馬する3氏も決意を新たにした。

 両院議員総会に出席した民主党現職、逢坂誠二氏は本紙の取材に対し「国民に民主党の主張や存在をアピールできた意義のある代表選挙。鳩山さんは挙党一致こそが民主党が強くなる基礎であることを述べ、政権交代に向けた基盤がより強固になった」と答えた。

 自民党新人、福島啓史郎氏は、一貫して「誰が代表になろうとも、民主党代議士を送り続けてきたこの8区の政治風土を変える気持ちは変わらない」と語る。函館市議会で保守系会派の議長が誕生したことや、同市で定額給付金の支給が始まったことなどを好材料に受け止める。

 無所属新人の佐藤健治氏はこの日も、函館市内の繁華街で北朝鮮への拉致被害者救出などを訴えた。佐藤氏は「誰が代表になっても自分の活動や戦いに変わりはない。これまで通りやっていくだけ」と語った。(高柳 謙)



◎利用者増加 さらに周知を…無料買い物バス 本町・五稜郭・染川地区もスタート

 函館市と函館商工会議所などが実施する「無料買い物バス」の本町・五稜郭・梁川地区への運行が16日、始まった。市内近郊と結ぶ7路線10往復を、合わせて210人が利用。前回のJR函館駅前・大門地区への運行便利用者138人よりは増加したが、便によっては数人しか乗っていないケースも見られた。

 無料バスは、市内の百貨店や商店街での消費拡大を促す目的で10日からスタート。2回目となるこの日は七飯町役場からの出発便の利用が31人と最も多く、南茅部支所前への帰りの便が6人と最低だった。

 五稜郭停留所で丸井今井の買い物袋を抱えてバスを待っていた市内北浜町の女性(72)は、到着した無料バスが自宅の方向ではないため利用できなかった。「無料バスは本数が少ないのと行き先が限られているのが残念。もっと利用しやすい形態にしてほしい」と訴えた。

 市経済部は「まずは一人でも多くの人に無料バスの存在を知ってもらいながら、より利便性の高い運行方法を検討していきたい」と話している。

 無料買い物バスは、第2・4日曜日は本町・駅前地区、第1・3土曜日は本町・五稜郭・梁川地区へ向けそれぞれ7路線10往復を運行。運行期間は来年1月の初売りまでを予定している。(小川俊之)


◎夕張メロンを初競り…市青果物地方卸売市場

 「夕張メロン」の初競りが16日、函館市青果物地方卸売市場で行われた。東一函館青果が仕入れた20箱40玉が並べられ、午前7時過ぎから仕入れ業者など約50人が参加する中、威勢のいい競りの声が場内に響き渡った。

 産地で甘さや張り、サイズなどで秀・優・良と選ばれ、15日夜に函館に到着した。今年のメロンは気候にも恵まれ出来は上々だという。函館には札幌のようなご祝儀相場はないが、この日の競りでは最高で2玉5万円の高値がついた。落札した栄屋の佐藤光男社長は「20年以上前からメロンを販売しているので思い入れがある。7、8年前から観光客や顧客、北海道を盛り上げたいという思いから夕張メロンに一番の高値をつけて落札している」と話していた。

 函館で唯一、初競りをしている東一函館青果の三浦一彦常務は「メロンは周りが黄色くなってきたら冷蔵庫で一日冷やすと一番おいしく食べられる。夕張メロンは味など、どれを取っても右に出るものはないと思う。せっかくのメロンだから一番おいしい食べ方で食べてほしい」と熱く語っていた。(小杉貴洋