2009年5月18日 (月) 掲載

◎箱館五稜郭祭閉幕「維新行列」に大声援

 第40回箱館五稜郭祭(同協賛会主催)は17日、榎本武揚軍と新政府軍が行進するメーンイベント「維新行列」でクライマックスを迎えた。あいにくの雨で、一部イベントは縮小されたが、目前で繰り広げられる迫真の戦闘シーンで沿道の見物客を熱気で包み込み、2日間の祭りに幕を閉じた。

 雨天のため、予定されていたバトントワリング2団体の出演や函館地区吹奏楽連名の演奏隊、五稜郭公園での開城セレモニーが中止となった。

 パレードは、陸上自衛隊第11音楽隊の先導でスタート。「箱館開港事始」として、開陽丸やサスクハナ号には西尾正範市長や寺山朗渡島支庁長らが乗り込み、かみしも姿の箱館奉行一行が続き、「安政の五カ国条約」締結国の函館日米協会や日露協会などの関係者らがふんしたペリー提督や公使ら国際色豊かな行列が行進した。

 行啓通で行われたパフォーマンスでは、榎本軍、新政府軍双方の大砲のごう音で両軍入り交じっての「白兵戦」が開戦。鉄砲隊の銃声が響き、軍服姿で刀を手に威勢良く相手に切り掛かる迫真の殺陣を展開した。土方歳三や大鳥圭助介らの奮戦ぶりに、雨天にもかかわらず詰めかけた大勢の観客からは惜しみない拍手や声援が送られていた。(今井正一)



◎08年函館市調度課発注、公共工事2年連続50億円

 函館市財務部は、2008年度の調度課発注分の公共工事実績をまとめた。発注件数は419件、金額は50億1738万円。金額は前年度(50億452万円)とほぼ同じ、件数は14件増だった。ただ、06年度実績と比較すると、発注金額は30億円の減少で、業者にとって厳しい時代が続く。受注金額1位は07年度と同じタクマ北海道支店(札幌)の1億7500万円だった。

 受注金額上位5社までが1億円以上。同課によると、1位のタクマ北海道支店は日乃出清掃工場の定期修繕を請け負った。以下、地元企業が続き、2位の間建設は日吉3丁目団地の建築工事、3位の徳建設は東消防署的場支署の建築工事、4位の折谷組は榎本橋の架け替え工事、5位の三光工業は函館公園内公園センターの建築工事を受注した。6位のNIPPOコーポレーション渡島統括事業所(本社東京)から10位の斉藤工務店までの5社は、いずれも道路関係の工事で市道や都市計画道路の舗装などを請け負った。

 工事1件あたりの平均受注額は1197万円で、前年度より39万円減少した。発注件数と金額には、市が昨年度末に緊急経済対策で実施した前倒し発注分の工事も含まれている。

 主要6工種の件数と金額は、土木が45件9億3400万円、建築が32件8億8200万円、舗装が55件12億9200万円、電気が19件2億3000万円、管が25件3億300万円、造園が12件1億2400万円で、総計188件37億6700万円。

 主要6工種の金額も年々減少し、04年度84億5100万円、05年度73億1300万円、06年度68億4800万円、07年度40億1100万円で、08年度は40億円を割り込んだ。市内のある建設業者は「公共工事の削減が続き、建築工事はほとんどない状態。業界は非常に厳しい」と語る。

 このほか、08年度の水道局発注工事は230件25億6494万円、交通局は19件1億8188万円、病院局は1件1154万円。函館市の全部局の発注総額は77億7500万円で、前年度より13億5500万円下回った。水道局の工事が前年度より約14億3500万円減少したことが大きい。 (高柳 謙)



◎「恵山つつじまつり」にぎわう

 16日に開幕した「第41回恵山つつじまつり」(実行委主催)の各種イベントが17日、恵山つつじ公園(函館市柏野町)などで行われた。この日は昼過ぎから雨模様となるあいにくの天候にもかかわらず、約2500人の市民や観光客がツツジの花を楽しみながら、キャラクターショーや海産物の即売会などを満喫した。

  恵山山ろく一帯にはエゾヤマザクラやサラサドウダンツツジなど約60万本が自生しており、毎年5月下旬から6月上旬が見ごろとなる。今年はまつりが開幕した16日が開花日で、この日は全体的にはまだ3部咲き程度。それでも場所によっては満開に咲き誇るツツジも見られ、記念写真を撮る家族連れの姿も目立った。

 また屋外ステージでは、仮面ライダーのキャラクターショーやものまねライブショーなどが人気を集めたほか、「バキバキ」と呼ばれる根ボッケなど地元の新鮮な魚介類の即売会も盛況で、会場は活気にあふれていた。

 市内尾札部町から4年ぶりに訪れたという佐藤七郎さん(78)は「満開ではなかったが、久しぶりにきれいなツツジを見ることができてよかった」と笑顔を見せていた。

 つつじまつりは31日まで実施され、期間中は出店などが並ぶ。実行委によると、つつじは23、24日ごろに満開を迎えるという。



◎客船シルバーシャドーが入港

 客船「シルバーシャドー」(2万8258トン、マルコ・サンジャコモ船長、バハマ船籍)が17日、函館港の港町ふ頭に入港。函館地区クルーズ振興協議会の会員やミスはこだてなどが歓迎のため船内を訪れ、船長や乗組員らにあいさつした。

 同船は13泊14日の日程で、横浜や函館、釧路、ロシア、米国を旅行する。函館港への入港は同日午前8時ごろ。出港してから3日目で、入港時は米国、英国、オーストラリア、日本など12カ国の112人の乗客と、252人の乗組員がいた。

 函館市側からは約25人が乗船。同協議会の代表として参加した堂野充函館運輸支局次長は「市民を代表して歓迎します。函館は北海道でも有名な観光地で、水産資源にも恵まれており、ご満足頂けるでしょう」とPR。サンジャコモ船長は「函館に来ることができてとてもうれしい。美しい街と聞いており、今後も来たい」と応えた。

 ミスはこだての林未花さんや子どもたちは、サンジャコモ船長らに花束や函館港の開港150周年を記念して制作した扇子などをプレゼント。船長からは記念のたてが贈られた。 (小泉まや)


◎四稜郭築造140周年で慰霊祭や祝賀会

 函館市陣川町にある国指定史跡・四稜郭の築造140周年記念行事が17日、四稜郭や神山町会館などで行われた。神山町会(木村一雄会長)のメンバーらでつくる実行委の主催。大圓寺(武藤龍真住職)では無縁仏となった幕末の傷病者らを弔う慰霊祭も行われ、参列者は無念の死を遂げた犠牲者の冥福を祈りながら祭壇に手を合わせた。

 1869年、旧幕府軍兵士や近在農民らで築造された四稜郭は国の特別史跡・五稜郭から北東へ約3キロ離れた陣川町の高台に位置。戦後間もなく市民有志が神山史跡保存会を結成し、1980年代になると同町会史跡保存部が植樹や草刈りなどの環境整備事業を引き継いだ。

 同保存部を中心に同町会は市教委の協力を得ながら、敷地内でスズランの植栽や東屋、水飲み場などの整備、ごみ拾い、サクラの剪定(せんてい)などを実施。記念行事は築造120周年の89年から10年ごとに行われており、記念植樹、戦没者慰霊祭、式典祝賀会を開いている。

 この日は午前9時ごろ、同町会員や来賓ら約20人が四稜郭に集合。節目を祝おうと入り口前にサツキの苗木65本をを植えた。続いて大圓寺に会場を移して慰霊祭を実施。武藤住職が読経する中、参列者は一人ずつ焼香を済ませた。同寺門前にある無縁塚でもしめやかな法要が執り行われ、参加者は戦没者への思いを新たにした。

 この後、町会館で式典祝賀会が開かれ、町会員や多賀谷智市教育長ら来賓を含め約55人が出席。長年四稜郭の整備に携わってきた町会員ら5人に感謝状が贈られた。

 木村会長は「今回の節目を機に10年後に向けて一層整備や保存活動を進めたい。素晴らしい史跡が町内にあることの喜びをかみしめながら、五稜郭と並ぶ憩いの場として広く市民に利用してもらえるよう努めたい」と決意を新たにしていた。(長内 健)