2009年5月26日 (火) 掲載

◎海霧立ち込め…

 津軽海峡で25日、初夏の季節に発生する「海霧」が現れ、海面を白く覆っていた。

 海霧は、温かく湿った南風が、本道付近の冷たい海水に冷やされて発生する。一度起きるとなかなか消えない。この日も日中、市内や七飯町藤城などからも見られていた。(山崎純一)



◎道縦貫道、八雲―落部が今秋開通

 北海道縦貫自動車道の八雲―落部間(16キロ)が、予定よりも1年早く、今秋に開通する見通しとなった。東日本高速道路函館工事事務所は、引き続き落部―大沼間(30キロ)の2012年度開通を目指す。道南圏と道央圏を結ぶ高速道路で、15年度予定の北海道新幹線の開業効果を高める路線の整備が進む。

 25日に函館市内のホテルで開かれた道縦貫自動車道建設促進道南地方期成会(会長・西尾正範函館市長)の本年度総会で、同工事事務所の石原基嗣所長が「八雲―落部間は来年11月までの開業を約束していたが、いろいろ協力をいただき、今年の秋をめどに開通させるよう工事を進めている」と述べた。

 道縦貫道は、2001年11月に長万部―国縫間(11・1キロ)が開通。06年11月には国縫―八雲間(22キロ)まで延び、3年ほどかけて落部まで南下する。八雲―落部間は用地買収が進んだことなどから、供用開始が早まるという。

 新直轄方式(税方式)で整備する、残る大沼―七飯間(10キロ)についても、函館開発建設部が早期整備を目指している。期成会総会で木村邦久部長は「この冬も大沼トンネルで交通事故があり、一時通行止めとなった。しっかりした規格の道路がもう1本必要。長大なトンネル工事をいかに安く、環境に優しく掘れるかが課題」と述べた。大沼や小沼の西側の山間部に10キロのルートを計画し、うち7キロはトンネルの予定。

 同期成会では本年度事業として、八雲―落部間の開通祝賀式を秋に開催することを決めた。同期成会と八雲町で実行委員会をつくり、今後、具体的な内容を決める。

 この日は高規格幹線道路函館・江差自動車道早期建設促進期成会(会長・同)の本年度総会も開かれ、道縦貫道や新外環状道路と同様に新幹線の開業効果を高める函館・江差道の早期整備を進めることを決めた。(高柳 謙)



◎肝炎患者支援団体が31日に署名活動

 道南の肝炎患者支援団体や薬害、B型肝炎の両訴訟原告団らが31日午前11時から、函館市内のJR函館駅で、すべての肝炎患者救済を目的とした肝炎対策基本法の制定を求め、街頭啓発と署名活動を行う。同基本法の制定をめぐっては、自民党と民主党がそれぞれ法案を出しているが、制定に向けた審議が進んでいない状況で、道南からも早期制定を訴えていく。

 街頭啓発などを行うのは、道南の患者支援団体・道肝炎友の会「はまなす会」と「薬害肝炎訴訟原告団・弁護団」「B型肝炎訴訟原告団・弁護団」、肝臓専門医でつくる「肝がん検診団」の4団体。同基本法の制定を求めて道内では1月から札幌を皮切りに旭川や北見、帯広で街頭啓発が行われていて函館は5カ所目。

 はまなす会によると、全国各地から約27万人の署名が集まり、衆参両議員に提出するという。函館での署名も日本肝臓病患者団体協議会を通じて追加で提出する予定。

 国内のB型、C型肝炎患者は約350万人で、道内は約8―10万と推定されている。昨年1月、薬害肝炎救済法が成立したが、救済の対象となるのはごく一部。患者の多くは輸血や注射の回し打ちなど医療行為による感染とされていて、全国各地の訴訟では国や製薬会社の責任を追及している。

 全国的な肝炎治療の整備や医療費助成と治療中の生活支援を盛り込んだ法の制定を求めていく方針で、道肝炎友の会の事務局長で、はまなす会の川上博史会長は「市民に1人でも多く署名をしてもらうよう呼び掛けていきたい」と話している。

 また、同日は午後2時から市総合福祉センター(若松町33)で肝臓病医療講演会を開催し、同検診団団長で、札幌緑愛病院肝臓センターの川西輝明所長が講演。同3時からは医療相談も行う。

 問い合わせははまなす会の川上会長TEL090・6698・8148。(鈴木 潤)



◎新型インフル、発熱相談センター24時間対応に

 函館市新型インフルエンザ対策本部(本部長=西尾正範市長)の幹事会が25日、函館市役所で行われた。市立函館保健所は、22日に確認された国の基本的対処方針を踏まえ、市立函館保健所に設置した発熱相談センターの受け付けを、この日から完全に24時間対応とすることを報告。これまで通り市内での感染拡大防止に努めるよう要請した。

 幹事会では、関係機関の課長級職員が現場レベルの対応を確認する。同保健所の山田隆良所長は、23日に同市としては初めて新型インフル陽性の疑い事例に対応したことに触れ「万が一、新型インフル陽性だったことを想定すると、各機関が連携し迅速に対応できたことは良かった。今後も疑わしい場合は速やかに相談センターに連絡するよう周知を徹底してほしい」と引き続き協力を求めた。

 同保健所の佐藤尚之保健企画課長が、今後の方針を詳しく説明した。大阪など急速に患者が増加する地域は重症化の防止に重点を置くが、感染の初期段階で患者発生が少数の場合は、これまで通り感染拡大防止の対応をすることを確認。事態が急変した場合に備え、学校や社会教育施設などの休校措置について「どのように対応するか各部局で検討を進めてほしい」とし、感染者が増えて欠勤が多くなった場合の事業継続の検討も求めた。

 発熱相談センターは、これまで午後9時から翌日午前9時までは転送電話で対応していたが、この日から同保健所に看護師2人を常駐させ、完全に24時間対応とする。同センターへの相談件数は国内発生以降、急激に増え、4月26日の開設から24日までに寄せられたのは564件となった。同保健所の発熱相談センターはTEL0138・32・1539。(小泉まや)


◎イカ学研究会、資源などテーマに講演会

 イカにかかわる調査、研究を行う組織「函館イカ学研究会」(世話人・桜井泰憲北大大学院水産科学研究院教授)の2009年イカ資源評価と予測に関する講演会が25日、函館国際ホテル(大手町)で開かれ、市民ら約220人がイカにかかわる専門家らの研究成果を聴講した。

 最初に桜井教授が「スルメイカの生態と資源」について講演した後、水産総合研究センターや函館水産試験所の研究職員がスルメイカや外洋イカの資源動向などをテーマに調査結果や研究成果を発表した。

 同試験所調査研究部の澤村正幸主任研究員は、津軽海峡を通じたスルメイカの移動や漁況への影響について考察。2006―08年の3年間で、日本海側で秋に生まれたイカの移動状況を調べた結果、低水温の親潮の勢力が強かった06、08年は津軽海峡でのイカの水揚げが比較的少なかったことなどを明らかにし、「太平洋側の北上期水温分布と関係している可能性がある」と述べた。(鈴木 潤)