2009年5月28日 (木) 掲載

◎春ボリボリ並ぶ 中島廉売

 通称「ボリボリ」と呼ばれるナラタケが27日、函館市中島町の中島廉売の露店に今年初めて並んだ。春と秋に収穫できるキノコで、露天商の上原二三子さん(75)は「気温が秋と同じぐらいになると生える。今春は昨年よりも10日ほど早く採れた」と話す。

 ナラタケはキシメジ科ナラタケ属のキノコ。同廉売で40年前から山菜やキノコを販売している上原さんによると、今時期採れるものは「春ボリボリ」と呼ばれ、同日、桧山地方の山林で5キロほど収穫したという。

 1皿(150グラム)300円で店頭に並べると、通りすがりの買い物客が次々と買い求め、人気を呼んでいた。上原さんは「先に湯通しして汚れを落としてからゆでるのがポイントて。くせがないのでみそ汁や佃煮にするとおいしい」とアドバイスしていた。(宮木佳奈美)



◎函館市も“一芸試験” 民間経験者も初めて実施 来年度採用

 函館市は来年4月採用の職員試験で初めて、スポーツや芸術文化などで好成績を収めた人を対象とした「自己アピール採用」と、民間企業などの経験者を対象にした採用試験を実施する。多様な人材を確保し、新たな視点や発想で職場を活性化させる狙い。通常の採用試験とあわせて、例年より2カ月早い7月に一次試験を実施する。

 市人事課によると、特殊能力や経歴、好成績を収めるまでの努力を重視する形で、一次試験は書類選考とする。ともに二次、三次試験で論文や面接を実施し、試験採用の形を取る。

 自己アピール採用は全国の大学で実施している“一芸入試”的な色合いがあり、スポーツや芸術文化のほか、学術研究で大きな実績を挙げた人も対象となる。民間企業等経験者は、会社のほか、各種団体で通算5年以上の経歴があり、即戦力となる人材を求める。

 職種はともに一般事務で、対象は1975年4月2日以降に生まれた高卒以上。自身の経歴などを記したアピール文などを添える。採用は若干名の予定だが、枠を設けているわけではなく、実績や適性、試験結果を総合的に判断し、採用ゼロの場合もある。

 多様な人材の確保に向け、市はこれまで貿易やコンベンション(会議や大会)、防災などで実績や経験を持つ人材を任期付き職員として採用している。

 大卒者、短大卒者を対象にした通常の試験と、獣医師採用試験も実施する。採用は若干名。6月1日から市役所1階市民ホールと各支所で申込書を配布し、市人事課のホームページでも同日から詳細を紹介し、申込書の入手もできる。一次試験は7月26日。

 申し込みは同3日から同15日まで(獣医師は同30日まで)。申し込み、問い合わせは〒040―8666 函館市東雲町4の13 函館市人事課人事担当(TEL0138・21・3667)。(高柳 謙)



◎春色ジュースお試しあれ ベジフル函館が野菜ジュースのレシピ考案

 通称「野菜ソムリエ」と呼ばれるベジタブル&フルーツマイスターの有資格者らでつくる「ベジフル函館」(川●保江代表)が春の野菜を使った「ベジフル春色ジュース」を考案した。家庭でも手軽に作って野菜を取り入れてもらおうとレシピを公開。「年度初めの新しい生活が始まり、ちょっぴり緊張した心と体の疲れの解消に、活力を与える春のフレッシュジュースをぜひお試しください」とPRする。

 ベジフル函館は昨秋から四季ごとに旬の野菜や果物を取り入れたジュースのレシピをつくり、広めている。春は今が旬の道南産の白カブをはじめ、ルビーグレープフルーツ、赤パプリカを使用。野菜や果物の色素などに含まれている機能性成分「フィトケミカル」の効果に着目し、春らしくストレス解消や癒やし効果のあるピンク色に仕上げた。グレープフルーツのダイエット効果に期待し、あえて糖分は加えず酸味を生かしたさっぱりとした飲み口にした。ビタミンCが豊富で代謝促進、胃もたれ解消、免疫力を高めるなどの効果が期待できる。

 ベジフル函館は、中島廉売で夫と青果店を営む川●さん(44)らジュニアマイスター(初級)の有資格者4人が中心となって昨年8月に発足。日本ベジタブル&フルーツマイスター協会(東京)が認定する民間資格で、青果物のおいしさや、その魅力を引き出す調理方法などを分かりやすく伝えるコミュニケーション力を併せ持つスペシャリストだ。

 会員22人のうち有資格者は11人。このうち7人は2月に函館で初めて行われたジュニアマイスター試験で資格を取得したばかり。今回の春色ジュースづくりには市内の看護師、千葉真喜子さん(54)、保育園の調理員、熊谷美穂さん(41)、北斗市の主婦、星野亮子さん(47)の3人も初参加した。星野さんは「野菜の効果を知り、健康的な食事作りの参考にしたい」、千葉さんは「仕事で患者さんに野菜の上手な取り入れ方を伝えたい」、熊谷さんは「子どもたちの食育に役立てたい」と活動に意欲を見せている。

 ベジフル函館への問い合わせは川●代表TEL0138・51・7960(午後3時―同6時)へ。(宮木佳奈美)

 ●は立つの崎

 【レシピ】
 〈材料・2人分220ミリリットル〉ルビーグレープフルーツ200グラム(約半分)、白カブ60グラム(約半分)パプリカ(赤)20グラム(1/4個)
 〈作り方〉グレープフルーツは厚皮をむき、薄皮はそのままにして小房に分ける。白カブは皮をむかず、パプリカは種を取った後でいずれもくし型に切り、全材料をジューサーに入れる。ジューサーがない場合は白カブ、パプリカをおろし金ですってガーゼで絞り、グレープフルーツの絞り汁に混ぜてもよい。
 〈栄養価〉代謝を促すカリウム(グレープフルーツ)、消化を助けるアミラーゼ(白カブ)、血管を丈夫にするビタミンPとカロテン(パプリカ)のほか、いずれも免疫力向上、疲労回復などの効果が期待できるビタミンCを含む。



◎小大連携協定調印へ 未来大と函館、北斗、七飯 6月1日に

 公立はこだて未来大学(函館市亀田中野町)と函館と北斗、七飯の2市1町の教育委員会は、小大連携の協定を結ぶことを決めた。得意分野で地域貢献することが目的で、主に同大専門の理数系の分野で、大学からの出張授業や児童育成の情報交換、教職員交流などがスムーズに行えるようになる。6月1日に同大で調印式を行う。

 同大によると、教員のつながりなどから、これまでにも散発的に大学から小学校への出張授業を複数回行ってきた。教員個人の活動だったため、大学側と受け手側相互で活動の位置づけが難しいなどの難点があり、学生が参加した場合などは移動にも神経を使ったという。

 協定担当を務める同大複雑系科学科の上野嘉夫教授は、これまでに6回の出張授業などを行い、難しさを痛感してきた。「業務として認められればこれまでよりも活動しやすくなり、相互にプラスになるだろう」と話す。

 大学にとって協定締結は、設置者の函館圏公立大学広域連合を構成する3自治体への地域貢献が最大の目的だ。参加する学生にとっては、3年時に取り組むプロジェクト学習の場として活用でき、小学校にとっては大学の知恵を利用できる可能性が広がる。函館市教育委員会は「子どもの興味関心を喚起することが学力向上につながることを期待する。未来大が持つノウハウで、理数分野の地域の教育力も上がるのではないか」と歓迎する。

 連携事業の内容はさまざまな可能性を想定し、協定書では細かな規定はしない。上野教授は「これまで個人ベースだった点的活動が、線やネットになるのをサポートするような仕掛け」と位置付けており、活用方法に期待される。(小泉まや)



◎4月の道南 有効求人倍率0・34倍 22カ月連続前年割れ

 函館公共職業安定所は27日、4月の渡島・桧山管内の雇用失業情勢を発表した。有効求人倍率は前年同月を0・12ポイント下回る0・34倍で、2007年7月から22カ月連続で前年同月を下回った。0・35倍を割り込んだのは00年5月以来約9年ぶり。漸減傾向にある求人数に対し、求職者の増加が数字を押し下げている。

 22カ月連続の前年割れは過去最長で、今年に入りワースト記録を更新し続けている。有効求職者は前年同月比16・7%増の1万2687人と、景気悪化が鮮明さを増した昨年9月以降、8カ月連続で前年同月を上回った。一方、有効求人数は同13・4%減の4339人と大幅な減少傾向にあり、同職安は「厳しい状況が続いている」との情勢判断を据え置いた。

 雇用の先行指標となる新規求人倍率は同0・06ポイント悪化の0・52倍と13カ月連続で前年同月割れ。新規求人は同3・2%増の2004人と16カ月ぶりに前年同月を上回ったが、このうち正社員求人は同2・2%減の715人にとどまっていて、パート求人の増加分が数字を押し上げた格好だ。

 産業別の新規求人では、宿泊業が同53・8%減、飲食店が同39・6%減と大幅に落ち込み、消費低迷の影響が求人の手控えにつながったとみられる。事業主都合による離職者は同32・2%増の1233人で、増加幅は前月(同55・2%)に比べ縮小したが、昨年9月以降、増加の一途をたどっている。

 管内ではグルメシティ五稜郭店の閉店や、店舗再編に伴う丸井今井函館店の人員削減などで大量の離職者の増加も懸念され、同職安は「有効求人倍率は例年5月が谷だが、景気動向が上向きとはいえず、今後も予断を許さない状況が続くだろう」としている。(森健太郎)