2009年5月4日 (月) 掲載

◎SL“仁山越え”見物、家族連れにぎわう

 ゴールデンウイークも後半に入り、3日の道南は曇りや雨となったものの、各地の観光スポットは大勢の人たちが訪れてにぎわった。

 七飯町のJR仁山駅では、函館―森間を走る「SL函館大沼号」を見ようと家族連れや鉄道ファンなど約50人が集まった。今年は往路の森行きが急こう配の“仁山越え”で運転されるとあり、同駅を通過する午前10時20分ごろにはホームの端にたくさんの三脚が並んでいた。子どもたちも初めて見るSLに大喜び。函館市高丘町の佐伯裕也さん(34)の長女裕華梨ちゃん(5)は「山の中からSLが現れたときは格好良かった」と話していた。

 函館市内も各観光スポットがにぎわった。JR函館駅、西部地区、五稜郭公園の各周辺駐車場が朝から満車状態が続き、市内の道路は混雑していた。午前10時ごろ、函館駅に帰省した家族を迎えに来たという陣川町の男性(73)は「朝市に行く人が多いのか、国道5号を走っていたら駅の約500メートル前から渋滞していたので、松風町にある駐車場に止めた。ETC(自動料金収受システム)割引制度のおかげで函館がにぎわうのは良いが、駐車場が少なく、お客さんは困るでしょう」と話していた。(山崎純一)



◎新型インフル、韓国で患者確認後初めての定期便

 韓国国内で新型インフルエンザの感染患者が確認されてから函館では初めてとなる同国ソウル(仁川空港)からの国際定期便が3日正午ごろ、函館空港に到着した。小樽検疫所函館空港出張所は、機内で乗客に健康状態質問票の記入・回収と、到着後にサーモグラフィーによる体温チェックを行ったが、問題はなかった。

 大韓航空函館支店によると、この日、仁川から35人が到着し、函館からの出発便では159人が韓国に向けて出国した。函館空港国際線ターミナルビルのロビーでは、午後零時10分すぎに到着便からの乗客が降り立った。出発便を待つ乗客も含めて、マスクを着用していた人はまばらだった。

 ソウルから帰国した男性会社員(39)は「機内では申告書を記入したのみ。(仁川空港では)マスクをしていたのは一部の日本人だけ。メキシコやアメリカに渡航したわけではないので、問題はなかった」と話していた。(今井正一)



◎春の江差いにしえ夢開道が開幕

 【江差】江差町のいにしえ街道を舞台とする観光イベント「第17回春の江差いにしえ夢開道(ゆめかいどう)」(実行委主催)が3日に開幕した。多彩なイベントが繰り広げられている街道内は大勢の観光客でにぎわっている。

 街道内では商家や古い民家に伝わる、古い和服や由緒ある装飾品を軒先に展示する「江差・着もの語り」(5日まで)が行われている。民家の玄関先や軒下では、住民が語り部となり、由緒ある和服や家宝の掛け軸などの由来を観光客に解説した。町内の商店主らが軽食や飲み物を提供する屋台村、江差追分をはじめとする民謡ショーもにぎわった。姥神大神宮前広場では、町民有志でつくる「江差追分を応援する町おこしの会」(桑名秀雄会長)のメンバー20人が、町の無形民俗文化財に指定されている「江差追分踊り」を披露。色鮮やかなアイヌ民族の衣装を身にまとった踊り手が、優雅な踊りで観光客を魅了した。

 桧山管内でもETC(自動料金収受システム)搭載車の高速料金割引き効果もあって観光施設の入り込みは好調。江差回りで松前町に向かう花見客も加わり、管内の国道227号、228号も混雑ぎみ。江差町の観光施設は「昨年を上回る観光客が訪れている。連休後半のスタートはまずまずの手応え」と話している。

 街道内では、4日も民謡ショー(正午)や陶芸・絵画の作品展示とともに、地場産の新鮮な農水産物や加工品をお手ごろ価格で提供する「江差朝市・新鮮組―北のめぐみ愛食フェア2009」が開かれる。イベントは午前10時―午後3時。町会所会館(中歌町76)では、木工や陶芸などの職人芸を体験できる「体験・実演 江差手ほどき工房館」も開催。街道に隣接する江差追分会館(中歌町193)でも、江差追分と郷土芸能の実演を行う。(松浦 純)



◎函館タクシー 車内でDVD上映サービス開始

 函館タクシー(函館市日乃出町、岩塚晃一社長)は、タクシーの車内にDVDプレーヤーを設置し、季節ごとに動画や絵画などのスライドショーを放映するサービスを始めた。業界では全国的にも珍しい試みで、観光都市を“走る映画館”が乗客の目を楽しませている。

 岩塚社長が函館のロケーションの良さを観光客や市民に再確認してもらうと、企画から編集、制作まで手掛けた。4月から3カ月ごとに季節の話題を織り交ぜ、同社が保有する96台のうち10台の後部座席前に8・5インチの薄型液晶DVDプレーヤーを設置した。

   第1弾として6月末までの間、金森赤レンガ倉庫主催の「第20回子供の絵画展」の入選作品と、函館・近郊の教会群や観光施設、ブロンズ像などの写真を、岩塚社長が選曲した音楽に合わせてスライドショーで紹介。写真の一部は社長自ら撮影し、「癒やしと祈り」をテーマに異国情緒の風情を演出している。

   また、「第40回箱館五稜郭祭」(16、17日)にちなみ、同社が制作、販売している土方歳三の生涯をまとめたDVD「土方歳三と箱館」もダイジェストで上映する。DVDは3種合わせて30分程度。乗客からは「病院に向かうまでの気持ちが安らいだ」(50代女性)「曲名を教えてほしい」(40代女性)などの声が寄せられているという。

   再生時間は午前8時―午後9時まで。大型連休明けには函館空港と市街地を結ぶシャトルバスでも放映する予定。岩塚社長は「全国に誇れる函館の季節感をタクシーから発信し、車内で少しでも心が和んでもらえれば」と意気込んでいる。問い合わせは同社TEL0138・51・0168。(森健太郎)



◎10日から買い物無料バス、本町と大門活性化に一役

 函館市と函館商工会議所などが連携して実施する本町・五稜郭地区と駅前・大門地区への無料買い物バスの概要が固まった。市内や北斗市、七飯町から7系統のバスをそれぞれ毎月2回運行する。本町・五稜郭地区が毎月1・3土曜日で16日から、駅前・大門地区は毎月2・4日曜日で10日からスタートする。

 年内と来年1月2、3日の初売りまで予定している。バスの起点は、両地区とも北斗市富川、七飯駅、昭和営業所、赤川、日吉営業所、南茅部、椴法華の7系統。既存のバス路線を増車して運行する形で、ともに午前10時以降に両商店街に到着し、午後2時ごろから帰りの便が出る。詳細な運行ダイヤは後日まとまる。

 市交通局も無料バスが運行される日に無料市電を運行する計画を進めている。

 本町・五稜郭地区ではグルメシティ五稜郭が5月末で閉店。民事再生手続き中の丸井今井は函館店の存続が決まったが、再建スタートの緒に付いたばかり。駅前・大門地区も商店街の衰退が進んでいることから、市や経済界が商店街の活性化に向けて実施する。商店街も運行日に合わせて特売などを実施する予定。(高柳 謙)