2009年5月5日 (火) 掲載

◎シャキシャキおいしい…ハクサイ収穫スタート

 【北斗】北斗市内ではハウスもののハクサイの収穫が始まった。開発53の岡村陽吉さん(67)方では4月30日から収穫を開始。初日は約300キロを出荷した。「今年も例年通りの大きさでおいしくできた」と作業に追われている。

 今年の1月25日にハウス内に種をまき、2月27日にハクサイの苗を土に植える定植を行った。昨年よりも1週間程度早い出荷で、収穫のピークは5月中旬の予定。本格的に市場に出回るのはゴールデンウイーク明けから第2週目以降だという。

 連日、作業員が収穫に汗を流す。外側の葉を切り落として重さを量り、約2・7キロのハクサイ4玉を計10キロ以上になるように計算し出荷用の箱に詰める。農協関係者によると、初回はハクサイの収穫開始を知らせる「顔見せ用」として主に札幌に出荷し、10キロあたり1500円で取引された。

 岡村さんは「2月から天気がよかったので順調。これからのピークに備えてしっかりと準備したい」と意気込んでいた。(石井 克)



◎女性センター6月からDV自助グループ

 函館市女性センター(東川町11、原田恵理子館長)はDV(=ドメスティックバイオレンス、配偶者などからの暴力)の被害者同士が悩みや苦しみを共有する「DV自助グループ」のワークショップを6月から同センターで開く。本年度から始めたDV相談事業の一環。被害者支援の専門家の立場で参加者とかかわるNPO法人ウィメンズネット函館の古川満寿子代表は「家にいてDVに悩んでいる人たちに離婚やシェルター(一時保護施設)などの正しい情報を伝え、現状から抜け出す勇気がわくような場にしたい」と話している。

 DV自助グループでは、当事者同士が自分の経験や胸の内を語り合う。自身の気持ちを整理したり誰かに理解してもらったりすることで癒やされ、DVから抜け出して次のステップへと進む力を持ってもらうのが狙い。DV加害者と同居中でも相談実績がなくても参加でき、交際中の若い男女間で起こる「デートDV」も対象になる。

 加害者から逃れてシェルターに入居する被害者同士が集う場はウィメンズネットが設けていたが、公共施設を使い、シェルター入居者以外でも参加できる自助グループは函館では初めての試み。古川代表によると、仙台、青森にもあるが、道内では例がないという。「シェルターに入らずにDVから逃れたいと思う人も参加できる自助グループのワークショップを公の施設でやりたかった」と古川代表は語る。

 ワークショップは6月5日から8月28日までの金曜午後1時―同2時。全12回で定員は10人(定員に満たない場合、途中からの参加も相談に応じる)。託児(生後6カ月以上)も可能。函館市在住か市内に勤務するDV被害者の女性が対象。古川代表は「DVに悩んでいる人、DVとの認識はなくても夫や恋人を怖いと思うことがあったり、何か不安を感じている人にも参加してもらえれば」と呼び掛けている。

 申し込みは5月7日から同センターTEL0138・23・4188で受け付ける。(宮木佳奈美)



◎「人、資料、地域」で国宝に…中空土偶展で展示解説セミナー

 市立函館博物館(青柳町17)で開催中の中空土偶展「国宝中空土偶と函館の文化財」の展示解説セミナーが4日、同館で開かれ、参加した30人が学芸員の大矢京右さんの説明を受けながら資料を観覧した。

 同展は4月25日から始まり、2007年6月に国宝指定された旧南茅部町著保内野(ちょぼないの)遺跡出土の中空土偶をはじめとする考古資料から歴史、民俗、美術工芸の資料まで函館の貴重な文化財を一堂に展示。4日までに2000人以上が来場した。セミナーでは前段で大矢さんが文化財の定義などに触れた後、解説しながら展示室を回った。

 中空土偶の前で大矢さんは「リアルな作りから縄文人の技術の高さが分かり、当時の精神文化を語る上で重要」と指摘。「掘り出してくれた小板アヱさんが所有権を譲ってくれ、地域の人が縄文文化を広めた。素晴らしい資料、人、地域の3つがそろい国宝になれた」と語った。

 友人と参加した市内の福岡恵子さん(61)は「南茅部出身で思い入れがあり、2年ぶりに見たいと思って来た。あのユーモラスな表情がいい」と話していた。同展は17日まで。(宮木佳奈美)



◎本場の歌と踊り 堪能…江差追分会館にぎわう

 【江差】江差追分会館(中歌町193)では大型連休中、歴代の江差追分全国大会優勝者による江差追分とともに、町内に伝わる多彩な郷土芸能を実演している。4日も大勢の観光客が、本場ならではの江差追分やニシン漁で栄えた往時の江差をほうふつとさせる郷土芸能を堪能した。

 実演は同館最大の呼び物。連休後半4日も大勢の観光客でにぎわった。この日は第17回全国大会優勝者の萩原克彦さんが出演した。「国を離れて 蝦夷地が島へ ヤンサノエー」で始まる、江差追分の前唄、続いて「鴎の鳴く声にふと目を覚まし」の歌詞が有名な本唄、後唄と通して披露。萩原さんが、檜山を代表する民謡・ソーラン節を熱唱すると、大勢の観客も元気のよい「ハイ!ハイ!」という掛け声と手拍子が上がり、会場を沸かせた。

 続いて、町内の五勝手地区に伝わる「江差鮫(さめ)踊り」(町指定無形民俗文化財)も上演された。保存会のメンバーが、漁場を荒らすサメを退治する様子をにぎやかな歌と踊りで演じた。旭川市から訪れた男性(67)は「江差追分とともに多くの郷土芸能がある事を知ることができて良かった」と笑顔で話した。

 江差追分の実演は10月下旬まで。午前11時、午後1時、同2時半の1日3回。郷土芸能は5日に「江差沖揚げ音頭」、6日は「江差もちつきばやし」を午前11時と午後1時に上演する。10日、17日、24日、31日は、町内の女性たちが伝承する「江差追分踊り」も披露する。問い合わせは同会館TEL0139・52・5555へ。(松浦 純)



◎日照時間も降水量も多い“珍”月間…海洋気象台4月の気象状況

 函館海洋気象台は、管内の4月の気象状況をまとめた。渡島、桧山とも上旬から中旬までは高気圧に覆われる日が続いたため、日照時間がかなり多かった。一方で、下旬に寒気が南下するなどして降水量が多くなり“多照多雨”という珍しい月間となった。

 函館の平均気温は平年より0・6度高い7・4度で高め。日照時間は平年の121%とかなり多い229・5時間。降水量は平年の159%と多い114・0ミリだった。

 上、中旬の気温はそれぞれ平年より約1・5度高かったが、下旬は冬に逆戻りした大荒れの天気となる日があるなどしたため平年より1・3度低かった。

 26日は低気圧の影響で、降り始めからの24時間の降水量が63・0ミリを記録。4月として過去最大だった。中旬までは好天が続き、19日は一日の相対湿度が14%と、観測史上7番目に低い乾燥した日となっていただけに、天気の変動が激しい月となった。

 このほか、管内では月間の日照時間で、長万部223・2時間、八雲230・3時間、木古内238・9時間とそれぞれ過去最高を更新。函館市川汲では月間の日照時間が222・4時間、降水量が181・0時間とともに4月として最高だった。(山崎純一)