2009年5月6日 (水) 掲載

◎Uターンラッシュ本格化…JRや空混雑

 ゴールデンウィークを行楽地などで過ごした人たちのUターンラッシュが5日から本格化した。JRや航空各社によると、5―6日の函館から本州方面への便はほぼ満席だという。帰省や観光を満喫した人たちは、お土産などを両手に持ち、たくさんの思い出とともに帰路へと急いでいた。

 同日のJR函館駅では、函館から八戸へ向かう「白鳥」、函館から札幌へ向かう「北斗」ともに指定席はすでに満席状態。自由席の座席をを確保しようと、乗車予定の列車が来るたびに大勢の人たちでホームはあふれ返っていた。函館駅によると、今年は例年に比べて本州からの観光客が多いという。天候に恵まれゴールデンウィーク期間中に桜が見ごろを迎えた事などが影響しているのではないかと話していた。

 千葉から帰省していた息子を見送りに来ていた七飯町の久保みどりさん(52)は「1年ぶりに帰ってきてくれてうれしかったが、戻ってからの食生活や体調が心配」と母親の視点で語る一方、息子で会社員の光太朗さん(24)は「友達と遊んだりして楽しい時間を過ごすことができた。列車の指定が取れなかったので座れるかどうかが心配」と話していた。(小杉貴洋)



◎青空に笑顔満開…子供の日 市内で催し

 5日の「こどもの日」に合わせて函館市内各地では、自然の中でのラリーやコンサートなど、親子が一緒に楽しめる催しが行われた。温かな日差しの下で笑顔がはじけた。

 ○…市内の児童館利用者を対象にした「交流フェスティバル」(函館市中央福祉事務所子ども未来室など主催)が、函館市上湯川町の市民の森で行われ、親子や児童館職員ら182人が参加した。

 メーンのネイチャーラリークイズでは、約16ヘクタールの敷地内を隅々まで歩き、8つのチェックポイントを回った。事前に渡されたクイズの答えが各場所で分かるようになっており、「アジサイの名前を3つ書きなさい」の設問では、アジサイ園に設けられたプレートを見ながら「エゾアジサイだよ」などと教え合った。

 参加した福地凪紗さん(函館旭岡小3年)は「たくさんの種類のアジサイがあった」と話し、「今日はおやつが楽しみ」と喜んでいた。

 ○…五稜郭タワー(函館市五稜郭町)は、タワーに付属するアトリウムで親子で行うたこ揚げを企画した。はこだて日本の凧の会(秋山修世代表)の会員8人が指導に当たり、約20組の親子が直径50センチほどのポリシート製のたこ作りに挑戦。タワーのイメージキャラクター「GO太君」を張り付けて完成させた。

 続いて、五稜郭公園内でたこ揚げを行ったが、園内では風をとらえるのに苦労した。会員にこつを教えてもらいながら何とか揚がると、子どもたちは歓声を上げて糸の先を見つめていた。大村歩夢君(函館南本通小2年)は、「やっと揚がってうれしかった。帰ってからも遊びたい」と話していた。

 ○…道立函館美術館(函館市五稜郭町)はミュージアムコンサート「親子コンサート」を、同館前庭で開催した。函館白百合学園の吹奏楽団(中村香澄部長)メンバー56人が、合唱を交えた演奏を披露。花見に五稜郭公園を訪れた市民や観光客らから、大きな拍手が送られた。

 コンサートは2回行い、8人によるサックスアンサンブルで「インザムード」を、クラリネットアンサンブルで「崖(がけ)の上のポニョ」、合奏「テキーラ」などを演奏。表現力を高めるために取り組む合唱は、アンジェラアキ作詞・作曲の「手紙」を全員で熱唱し、澄んだ歌声で観客を魅了した。(小泉まや)



◎亀田病院・佐藤さんが「日本臨床衛生検査技師会」会長賞に

 亀田病院(函館市亀田本町23)に勤務する臨床検査技師の佐藤周一さん(82)がこのほど、日本臨床衛生検査技師会(本部・東京)の会長賞を受賞した。半世紀にわたり検査業務に尽力した功績をたたえての表彰で、佐藤さんは「受賞を糧にさらに精進していきたい」と喜んでいる。

 佐藤さんは1954年から、市内元町の高橋病院に勤務。仕事を続けながら60年に衛生検査技師、71年には臨床検査技師の免許を取得し、病気の経過観察や重大な病気の早期発見などに努めてきた。85年11月に同病院退職した後も、亀田病院に再就職し、今も現役の検査技師として活躍する。

 検査は治療の入り口とも言われ、検査結果によって医師の治療方針が定まっていく重要な要素。佐藤さんは「縁の下の力持ちと言われることもあるが、若い人たちには医師や看護師の踏み台となって臨床現場を支えろと言います」と話す。

 検査機器は日々急速に進歩しているが「常に画像やデータの分析を怠ってはいけない。機器の性能が良くなっても自分の目で確かめ、技術向上に努めなければ」と佐藤さん。検査技師として長く勤めてきた秘けつについて「笑顔を絶やさないこと、早起きをして朝一番の新鮮な空気を取り込むようにしている」と話し、「人のために尽くすことができたと実感できるまで続けていきたい」と生涯現役を誓っている。(鈴木 潤)



◎12週連続 作品多彩に…「アートフェス・ハコトリ」12日からプレ企画

 8月に西部地区を中心に開催される初のアートイベント「アートフェス・ハコトリ」の実行委員会(大下智一委員長)は12日から、函館市豊川町の商業施設「BAYはこだて」内の新設ギャラリーでプレ企画となる展覧会を行う。8月2日までの期間、6日間ずつ12週連続でさまざまなアーティストの作品を代わる代わる紹介し、イベントをPRする。

 ハコトリは8月8―30日に、西部地区の使用されていない建物などで国内で活躍する作家や地元作家が展示、パフォーマンスなど多彩なアートを繰り広げ、地域活性化につなげる企画。ギャラリーはBAYはこだてのリニューアルオープンに伴い新設され、今回の12週連続展覧会を開設のプレイベントと位置付けて場所を提供した。

 第1弾は、函館を拠点に活動するタキハナヤスカズさんが登場。「JUNK(ジャンク)」をテーマに、年月が経ち色や形が変わったものの美しさ、奥深さなどを表現するコラージュや造形作品などを並べる予定だ。続いて陶芸作家の石川久美子さん、実行委の企画展示などを計画。

 大下委員長は「8月の本祭に参加する作家を中心に紹介し、この勢いで市民の機運を盛り上げていきたい」と説明。施設を運営する金森商船企画開発課の笹井完一さんは「人通りの多い場所なので、ぜひ市内のサークルやワークショップなどで工夫して活用してほしい」と話している。

 ギャラリーに関する問い合わせは同社TEL0138・23・0350。(新目七恵)



◎「環境に配慮」企業を応援…道の「グリーン・ビズ制度」開始

 道は本年度から、環境に配慮した取り組みを実施している事業所を登録、PRする「北海道グリーン・ビズ認定制度」をスタートさせた。認定、登録されると道のホームページ(HP)で紹介するほか、商工組合中央金庫からより低利の融資を受けられるメリットがある。渡島支庁環境生活課は「この機会にぜひ登録を」と呼びかけている。

 地球温暖化をはじめとする環境問題に対する関心の高まりを受け、新規事業として実施する。対象は工場や施設、事務所、学校、病院など官民を問わない。

 エネルギー使用量の削減や省エネ効果のある機器導入、廃棄物の削減・リサイクルの推進、水や用紙使用料の削減など15項目のうち、1―7項目まで実施している事業所をランク1、8項目以上実施していればランク2に登録される。さらにISO14001など環境マネジメントシステムの認証取得等をしている事業者はランク3となる。

 認定されると商工中金から低利融資を受けられるほか、名刺や各種印刷物にグリーン・ビズのシンボルマークを使用し、環境に配慮した取り組みを実践している事業所であることをPRできる。

 道のHPで実施要綱や具体的な取り組み項目を紹介しており、郵送やファクス、持参のほかパソコンからも登録を申請することができる。申請から登録まで1―2週間かかるという。

 問い合わせは道環境生活部環境政策課環境推進グループTEL011・231・4111(内線24―218)、渡島支庁環境生活課TEL0138・47・9437。(高柳 謙)