2009年6月10日 (水) 掲載

◎中華会館、今年も特別公開 7月1日から2カ月

 函館市大町1の函館中華会館が、今年の函館開港150周年に合わせて特別公開することが9日、分かった。期間は7月1日から8月24日までの約2カ月間。同館を管理する社団法人「函館中華会館」の陳上梅理事長(81)は「清朝末期の中国文化を多くの皆さんに知ってもらい、開港150周年を盛り上げたい」と話している。

 同館は建物の老朽化などに伴い2005年から公開を休止していたが、昨年、四川大地震の被災者を支援しようと4年ぶりに公開され、7月5日から8月16日までの約40日間に約6000人が入館した。今年は函館開港150周年を応援しようと、2月に開いた函館華僑総会(会長=陳理事長)の総会で特別公開を決めた。

 函館と中国とのかかわりは深く、1859(安政6)年の開港とともに、中国広東省出身の陳玉松がコンブを買い付けるために来函したのが始まり。同館も1910(明治43)年、函館に住む華僑が出資して作られた。陳理事長は「開館当初は華僑が団結して商売をしていくための集会所として使われていた。開港の節目を機に公開する意味は大きい」と話す。

 建物は中国から大工や彫物師などの技術者を呼び寄せて建設。くぎを1本も使わない純中国式れんが作りの平屋で、2001年には国の登録有形文化財に指定された。館内には中国で最も強い神とされ、華僑の心の支えとなった三国志の英雄「関羽」をまつった関帝壇がある。

 陳理事長は「装飾品の一つ一つに、当時の中国の考えが詰まっている。館内を見て中国を理解し、日中友好のいい機会になれば」と、多くの来場を呼び掛けている。

 開館時間は午前11時半から午後4時半まで。入館料は大人600円、高校生350円、小中学生200円。(千葉卓陽)

 【写真説明】開港150周年に合わせ7月から特別公開される函館中華会館



◎函館出身の音楽プロデューサーと指揮者演奏会企画。ジャンル超えた音楽の融合楽しんで

 函館ラ・サール高出身で東京の音楽出版社「クラウナーズデザイン」の社長河村悦郎さんが総合プロデュースするコンサート「耽美(たんび)のためのソワレ 弦楽と合唱による新たな音楽空間」(同出版社主催)が28日午後7時半から、芸術ホール(五稜郭町37)で開かれる。河村さんの高校の先輩で、新進気鋭の指揮者として活躍する辻博之さんが率いる小編成のオーケストラをバックに、女性ボーカリストの春川しきさんが懐かしい童謡や叙情的なオリジナル作品を歌い上げ、ハートフルな音楽空間が演出される。河村さんは「開港150周年の記念すべき年に、函館の皆さんに楽しんでもらえるイベントを届けたい」と意欲を見せている。

 今回のコンサートは、昨年東京で河村さんが辻さんと対面したことがきっかけ。ポップス系の音楽に携わる河村さんと、クラシック界の辻さんという、異なる世界で活動する二人だが、「ジャンルを超えた新たな音楽世界の融合に挑戦したい」と意気投合。今年に入り河村さんが、函館開港150周年を記念したイベントの開催を依頼されたことから、二人のゆかりの地である函館で異色のコラボレーションが実現することになった。

 ボーカルを担当する春川さんは、河村さんのプロデュースにより昨春「終憶(ついおく)」でデビュー。透明感のある歌声で多彩なジャンルを歌いこなし、今回のプロジェクトにはうってつけの存在。辻さんが指揮する16人編成の「アミーチ・デッラ・ムジーカ・オーケストラ」の弦楽器とパーカッションの響きとともにスケール豊かな音楽世界をつむいでいく。

 また、クラシックとポップスの融合というテーマの重要な鍵を握る編曲者には、映画音楽やCMなどで活躍する杉本優さんが選ばれた。河村さんは「各部門に自分の信頼する素晴らしいメンバーがそろえることができた。自分の感性を育んでくれた函館の地で、美しい音楽ステージを届ける機会が与えられたことに感謝。一人でも多くの人たちに、足を運んでほしい」と来場を呼び掛けている。

 入場料は3500円。チケットはヤマハミュージック函館や松柏堂各プレイガイドで取り扱う。問い合わせは橋本さんTEL090・3772・9223。(小川俊之)



◎8月に日米学生会議 食糧、環境…英語で議論 函館など4都市

 日本とアメリカの大学生が両国関係や世界の将来を議論する「第61回日米学生会議」(国際教育振興会主催)が今夏、函館市をはじめ国内4都市で開かれる。函館では8月4日から8日まで函館大学などを会場に開催。分科会で食糧安全保障や環境問題などを英語で議論し、両国の将来を担う学生たちが国際貢献の在り方などを考える。

 同会議は戦前の1934(昭和9)年、悪化していた日米関係を憂慮した両国の学生有志が、両国の相互理解を進める目的で創設。戦後は日米関係の役割だけでなく世界の諸問題を議論している。歴史と由緒ある会議で、過去の参加者には39、40年に故宮沢喜一元首相、51年にアメリカのキッシンジャー元国務長官などがいる。

 今回のテーマは「日常から世界、日米から地球へ~国際社会を見据えた対話と発信」。両国から各36人の学生が参加し、7月28―8月3日の東京を皮切りに、函館、長野、京都で約1カ月にわたり本会議を開催する。函館大学では8月5―7日に分科会を開く予定。

 函館で開催する意義について、同会議は「わが国初の開港都市で、諸外国との交流で生まれた独特の文化がある。ロシアと独自の交流をし、アイヌ民族から世界の民族問題を考えるなど、さまざまな社会問題を敷衍(ふえん)して論じることができる」と評価している。

 主催は、5月に函館で「外国人による日本語弁論大会」を開いた財団法人国際教育振興会で、両国の学生たちでつくる実行委員会が企画・運営を担当する。

 函館会場の一つとなる函館大学では「内容などを調整中で、地元の学生も参加、交流できるような場面もつくりたい」と話している。(高柳 謙)



◎YOSAKOIソーラン祭り きょう開幕 道南から10チーム出場

 【札幌】「第18回YOSAKOIソーラン祭り」(実行委主催)が10日から14日まで、札幌市の大通公園をメーン会場に市内25会場で行われる。今回は道内外から計316チーム、踊り手約3万3000人が出場し、最終日夜の「ファイナルコンテスト」まで力の限りを尽くして迫力の乱舞を競う。道南からは10チームが参加。独創的な演舞を披露して入賞を狙う。

 道南からの出場チームは「元祖婆あYOSAKOI」(望月すみ子代表)、「ついんくる」(成田秀樹代表)、「函館躍魂いさり火」(沼田尚人代表)、「函館学生連合~息吹~」(中島悠希代表)、「函館斗燃衛組&薩摩YOSAKOI連合」(中村達也代表)、「夢限舞童」(外崎仁代表)、「YOSAKOIソーラン.祭,進鮮組」(平了代表)、「木古内みそぎソーラン炎の舞」(吉沢崇代表)、「森未来人」(大塚、昌彦代表)、「もり・騒乱桜」(寺沢滋美代表)。

 今年で12年目を迎えた「夢限舞童」は函館市で唯一のジュニアチーム。2005、08年とジュニア部門コンテストで大賞に輝いており、今年は2年連続の大賞を目指す。

 10―50代の学生や社会人、主婦らで構成する「函館躍魂いさり火」も過去4回のファイナルに進出した実績を持つ実力派。積み重ねてきた厳しい練習の成果を発揮したいところだ。



◎道内雑貨店 函館に集結 カントリーフェスタ13日に

 道内各地の手工芸作家やカントリー雑貨店が一堂に会する「THE カントリーフェスタ Version 函館 2nd」が13日正午から午後5時まで、函館市民会館(湯川町1)で開かれる。主催する木工クラフト作家で「AMERICAN COUNTRY GARAGE 夢子」主宰の遠藤玲子さんは「昨年に大反響をいただき、今年も函館で開催できることがうれしい。多くの人に来場してほしい」と呼び掛けている。

 石狩市在往の遠藤さんが2002年から同市で開いており、毎回3000人以上が訪れている人気イベント。今年4月に第10回記念開催を札幌市で行い、その記念プレイベントとして昨年6月、石狩以外の都市では初となる函館開催を同会館でしたところ、3500人の来場者でにぎわった。

 今回は道南から函館市、北斗市、七飯町、森町から約10の店・アーチティストのほか札幌、岩見沢、苫小牧などの計約30が参加。エコクラフト雑貨、ドールハウス、手づくり菓子、子ども服のほか、ジャンク品、フレンチ雑貨などが出品される。遠藤さんは「昨年よりバージョンアップしており、1日限りなのでお見逃しなく」と話している。

 入場無料。問い合わせは遠藤さんTEL090・2816・5072。(山崎純一)