2009年6月12日 (金) 掲載

◎地域経済活性化に期待…函館でプレミアム商品券30日販売 

 函館商工会議所などは30日から、函館開港150周年記念に合わせ、15%のプレミアム(割り増し)を付けた商品券を販売する。1枚500円の23枚つづりを1万円で購入でき、函館市内の商店や大型店などで9月末まで使える。12日から取扱店も募集し、長引く景気低迷の中、総額3億4500万円分の商品券を消費喚起に結び付けたい考え。

 名付けて「函館開港150周年記念プレミアム商品券」。プレミアム分は函館市が10%、参加各店が5%を負担する。商品券の取扱店は原則、函館商工会議所と函館市亀田商工会、函館東商工会に加盟している市内の事業所が対象で、第1弾として12―19日まで参加店の申し込みを受け付ける。

 商品券は30日午前10時から、市内の3商工団体やその各支所で発売するほか、棒二森屋や丸井今井函館店、テーオーデパート、長崎屋函館店、イトーヨーカドー函館店でも7月5日まで販売する。購入するのに年齢制限はないが、1人3セット(3万円分)まで。

 商品券には函館の古地図「函館真景図」をカラー印刷し、偽造防止のためホログラム処理もされている。発行は計3万セット。同会議所は「少額の買い物でも利用しやすいよう1枚500円に設定した。開港150周年記念事業を盛り上げながら地域経済の活性化に役立てたい」としている。

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 商品券の発売に合わせ、市内のデパートなども独自の特典を付けるなど顧客の取り込みに躍起だ。テーオー小笠原流通事業部(梁川町10)は生活応援特別企画として、30日―7月12日までの13日間、商品券1枚で550円分の買い物ができるサービスを展開。市内にあるテーオーグループのデパート本店、イエローグローブ、テーオーストアの各店、家具の菱乃実で利用できる。

 このほか、丸井今井函館店(本町12)も500円単位の均一価格セールやカード会員向けのポイントサービスなどを行う予定で、「お中元商戦にも弾みをつけたい」と担当者。棒二森屋(若松町17)も「具体的には決まっていないが、何らかのサービス特典は検討中」としている。

 商品券に関する問い合わせは同会議所TEL0138・23・1181へ。(森健太郎)



◎「市長も責任感じている」擁護発言に部下が違和感

 函館市議会の函館国際貿易センター問題調査特別委員会(斉藤佐知子委員長)が11日開かれ、前回に続き市の第三セクターが起こした不祥事と今後の課題について理事者側の考えをただした。昨年7月に発覚した元専務(死去)の領収書改ざんや旅費過払いについて、同社社長の谷沢広副市長は「西尾正範市長も責任の一端を感じていると思う」と述べた。

 志賀谷隆氏(公明党)への答弁。志賀谷氏は、問題発覚後に西尾市長が元専務を擁護する発言を市議会本会議などで述べたことについて、部下として市長の発言をどう受け止めたか質問。谷沢副市長は「会社や専務をかばったと思われるのではないかと、私自身も若干の違和感があった」と述べた。

 志賀谷氏は、問題発覚から2カ月以上経過してから市が関係者から聞き取り調査をしたことなどを挙げ、「もっと早急に市が調査していれば問題が長引くことはなかった」と指摘。高橋良弘港湾空港部長も「いま思えば、早く対応すべきだった。反省している」と答えた。

 福島恭二氏(民主・市民ネット)は、谷沢副市長が市長に迷惑をかけないよう、自分一人で問題を解決しようとしたのではないかと質問。谷沢副市長は「市と独立した会社組織の中できちんと調査、対応していく考えだったが、心の中にはそうした考えもあった」と認めた。福島氏の「全責任をかぶろうとしたのではないか」との質問には明言を避けた。

 理事者に対する質問は一通り終え、次回の委員会で志賀谷氏や福島氏、紺谷克孝氏(共産党)が西尾市長へ総括質疑する考えを伝えた。内容は、市職員の派遣研修に対する認識、一連の問題の最終的な責任、会社が元専務を告訴した経緯―などで、6月定例会の会期中の今月18日を軸に調整している。6月定例会に調査結果を報告する目標は変わらない。 (高柳 謙)



◎タケノコ遭難 防止対策会議を開催 桧山支庁

 【江差】タケノコ採りに伴う遭難事故の多発を受け、桧山支庁が主催する「山菜採り遭難事故防止対策会議」が11日、同支庁で開かれ、奥尻を除く管内6町、江差・せたな両署、桧山広域行政組合消防本部、渡島・桧山両森林管理署の担当者が、事故防止や迅速な救助活動の展開について意見交換した。

 道内では、登山や山菜採りに伴う遭難事故の抑止策として、1市9町が捜索費用の請求制度を設けている。管内でも2004年に今金町、本年4月にせたな町が要綱を制定。今金町は2006年以降に3件の事故で8万1000円を請求したという。両町を管轄している、せたな署の野田正秀地域・交通課長は「今春以降は遭難事故が無い。請求制度の影響も大きい」とした。 しかし、上ノ国町の高見博総務課長は「請求制度のある北斗市の住民が上ノ国町内で遭難した際は、家族が捜索を拒否した。夕方まで家族だけで捜索を行い通報が遅れた例もある。請求制度が捜索体制の立ち上がりを遅らせる影響もある」とし、遭難事故が多発する中でも、制度化を見合わせている現状を報告した。

 一方、今金町の森朋彦まちづくり推進課長は「4月に関係機関による合同対策会議を開いている。有事に備えた事前確認が重要」と延べ、山間部でも精密な位置情報を確認できるGPS(全地球測位システム)やクマ撃退スプレーなどの装備品の共有についても、関係機関が事前に協議しておくことが必要との考えを示した。また、同支庁地域政策課の冨坂浩一主幹は「町と支庁の連絡体制を徹底し、自衛隊への災害派遣要請も迅速化したい」と呼び掛けた。同支庁は今秋にも2度目の対策会議を開き、来年以降の遭難防止や迅速な救助活動の検討に役立てる方針。(松浦 純)



◎検査時間短縮で患者の負担軽減 五稜郭病院が最新型CT導入

 函館五稜郭病院(函館市五稜郭町38、高田竹人院長)はこのほど、「320列マルチスライスコンピュター断層撮影装置(MDCT)」と呼ばれる最新型のCTを導入した。心臓の冠動脈や小児の頭部など動きのある臓器、部位の撮影に優れ、短時間の検査が可能なため、エックス線の被ばく量が少量で済むなどの効果がある。昨年製品化されたばかりの最新機器で、道内の医療機適関では2カ所目、道南では初めての導入。

 MDCTは0.5ミリ幅のエックス線受光部が320列あり、1回転の撮影時間は0.35秒と高速。1度に16センチ幅の患部の撮影が可能で、心臓など冠動脈撮影を脈が1拍打つ間に終えることができる。静止時間も短時間で済み、心臓内の血管に入れる造影剤の量も半分以下に抑えられ、患者の負担軽減につながる。

 従来型の「64列MDCT」は3.2ミリ幅しか撮影できない。その分、何度も患部を撮影しなければならず、エックス線の被ばく量も増えるリスクを伴う。

 同病院では、心臓の冠動脈のつまりなどを調べるカテーテル検査を年間500例実施している。木下淳診療放射線技師は「MDCTの導入で患者負担が軽減され、検査の精度も高まる。注目されている心臓領域の検査で道南地域に貢献していきたい」と話している。(鈴木 潤)



◎一般・中央卸売市場で「さぶりメロン」初競り

 生産地である厚沢部町の「さぶ」と森町の「り」を取り名づけられた、道南ブランド「さぶりメロン」の初競りが11日、函館市中央卸売市場(西桔梗町589)で行われた。この日は、森町産の5箱10玉が並び、2玉最高5万円で落札された。

 「さぶりメロン」は、糖度が15度以上で1.9~2キロの大玉だけをブランド化したもので、上品な香りと甘みが詰まった赤肉メロン。今年の出来は例年通り順調だという。

 午前7時半に競りがスタート。開始と同時に函館朝市の舘内(だてうち)商店(舘内直久代表)が大きくてネット張りが良質な2玉を5万円で落札。昨年の最高値の2万円を大きく上回った。そのほかの4箱も5000円から3万円の値がついた。

 舘内代表は「まだまだ知名度は低いブランドだが、3年後、5年後を見据えて5万円を付けた。今日はご祝儀値段かな」と笑顔。購入したメロンは、この日さっそく店頭に並び、観光客らの注目を浴びていた。

 仲卸の鳴海青果株式会社の若山大樹さん(26)は「これから商品価値や知名度が上がることを期待したい。今日はその第一歩」と話した。(石井 克)