2009年6月14日 (日) 掲載

◎市内百貨店で中元商戦スタート 棒二にギフトセンター開設 不況で低価格も売りに

 函館市内の百貨店で中元商戦が本格化してきた。棒二森屋(若松町17)は12日、新館アネックス7階催事場に「お中元総合ギフトセンター」を開設。開店前に社員ら約70人が出陣式に臨み、景気悪化による消費の冷え込みが懸念される中、売り上げ確保へ気勢をあげた。

 市内の百貨店によると、平均単価は昨年並みかやや下がる見通しで、今年は2000―3000円前後の低価格商品も手厚くそろえる。棒二森屋では特別提供品として15%割引の40品を数量限定、全国送料無料で取り扱うほか、7月6日までに申し込むと早期割引の特典も付く。

 売れ筋は地場のハム・ソーセージ「カール・レイモン」や夏定番のビール、そうめんなど4000円前後が中心。道南の名産品など16品目から3セットを選ぶ「巴(ともえ)かさね」や、水産加工品を中心に20品目から5品を選ぶ「選べるギフト」も人気を呼びそうだ。

 出陣式で井上裕司店長は「今年は大門地区への無料買い物バスの運行などプラス材料も多い。新規のお客様獲得に全力を挙げよう」とあいさつし、前年比3%増の売り上げ目標を掲げた。その後、函館の民族歌舞団「こぶし座」の太鼓に合わせ、「ガンバロー」三唱で気合いを入れた。ギフトセンターは8月13日まで。

 市内ではテーオーデパート(梁川町10)も12日に特設売り場を開設し、1990円や2990円の均一商品や産地直送の限定商品などが並ぶ。丸井今井函館店(本町12)も7月1日からギフトセンターを設ける。各店ともピークは6月下旬から7月中旬と予想している。(森健太郎)



◎新型インフル陰性 函館の女性は陰性と判明

 函館市で新型インフルエンザへの感染が疑われた20代女性は12日、ウイルス遺伝子検査(PCR検査)の結果、陰性で、季節性インフルであることが確認された。市立函館保健所の発熱相談センターには同日、報道を受けて通常より多い26件(午後5時半まで)の相談が寄せられた。同保健所は引き続き冷静な対応を求め、手洗いやうがい、せきの症状がある場合は飛沫(ひまつ)を飛ばさないようマスクを着用するなど、通常のインフルエンザ予防対策を徹底するよう呼びかけている。

 11日に疑いが持たれた女性は、札幌の道立衛生研究所が行った検査の結果、季節性のA香港型と判明した。女性の容態は回復し、12日午前には入院していた市内の感染症指定医療機関を退院。夏の観光本番を迎える函館市は、「新型インフルが入るとイメージダウンは避けられない。まずはほっとした」(観光コンベンション部)と一息ついた。

 同保健所の発熱相談センターには、開設した4月26日から12日午後5時半までに897件の相談が寄せられている。12日の相談内容は、「疑いはどうなったか」や「札幌の感染者と同じルートでハワイに行ったが大丈夫か」などが多かったという。

 渡島保健所では、札幌市で道内初の新型インフルエンザ患者が確認されたことを受け、12日午後に対策地方本部会議を実施。従来通りの予防対策を継続し、住民の安全・安心の確保に努めることを確認した。また、世界保健機関(WHO)が警戒度を「フェーズ6」に引き上げたが、国内では感染拡大の可能性が低いとみられることから、従来通りの対策を維持する。

 渡島・桧山管内の各保健所には「発熱相談センター」が設置され、医療機関受診前の相談を呼びかけている。問い合わせは渡島保健所℡0138・47・9400。八雲保健所TEL0137・47・9400。江差保健所TEL0139・52・1053、市立函館保健所TEL0138・32・1539。(小泉まや、小川俊之)



◎支庁再編 振興局3部体制維持 道が素案

 【札幌】支庁制度改革をめぐり道は12日、渡島など9総合振興局と、桧山など5振興局の組織体制などをまとめた「基本フレーム(素案)」を市町村に提示した。3月末に改正した支庁再編条例を10月1日に施行する方針を明記し、振興局から総合振興局への広域事務の移管は来年4月から3年間で進める。条例改正前には、総合振興局の出張所として組織体制を大幅に縮小される方向だった振興局だが、現行の3部体制を基本とする組織像が初めて明らかになった。

 道は本支庁のスリム化は堅持し、14支庁と出先機関の職員9400人は、2015年度までに2000人削減する方針。

 渡島など9つの総合振興局は、従来案通りに地域政策、道民生活、産業振興、社会資本の4部(組織名はすべて仮称)に再編。条例改正前には総合振興局の出張所に格下げし、部体制を廃止する方針だった振興局も、社会資本を除く3部体制を維持。いずれも農務、水産、林務、商工労働観光などの産業部門を1課に集約。土木現業所、保健福祉事務所、森づくりセンターなどの出先機関は支庁の内部組織として事務事業を関係部課に取り込む。振興局の組織体制は総合振興局の組織編成に準じる形となり「振興局を出張所に格下げせず、大きい支庁と小さい支庁に再編する」という、道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)の要望が反映された形だ。

 道は月内にも、道町村会、道市長会など地方4団体による全道レベルと、桧山など5つの振興局地域の首長など地域レベルでの協議を開始。9月中をめどに基本フレームの内容を詰める。地域レベルでの協議では、振興局の具体的な職員削減数や、所管事務の範囲、総合振興局との役割分担が大きな焦点になる。

 総合振興局への事務集約は来年4月に着手。廃棄物、雇用対策、広域観光など、広域で取り組むことが効果的な事務事業のほか、給与・会計など内部業務が対象。10年度は総務、地域政策、建設指導の3課と土木現業所、11年度は環境生活課、保健福祉事務所、12年度は農務、水産、林務、商工労働観光など産業関係課を再編する。

 改正条例が、総合振興局と振興局を同等の“支庁”に位置付けたため、防災、地域振興、農林水産振興、消費者行政、保健予防、社会福祉などの業務は、支庁の共通業務として、総合振興局と振興局の双方が所管。公共工事発注、補助金・交付金事務、許認可、選挙事務、市町村行財政などの権限も振興局長に与えるなど一定程度の支庁機能を担保した。また、総合振興局と振興局の両局長は本庁部長級、各部長も本庁次長級とするなど、人事面での整合性を持たせる形になった。(松浦 純)



◎青森市長、来函「青函交流活発化を」西尾市長と対談

 今年4月に就任した青森市の鹿内博市長(61)が12日、函館市役所で西尾正範市長と対談した。両市長は今後も協力関係を継続し、青函交流を活発化させる意欲を見せた。

 鹿内市長は青森市議3期、青森県議5期を務めた後、4月の任期満了に伴う市長選で現職らを破り、初当選を果たした。

 鹿内市長は就任あいさつを兼ねて来函し、西尾市長のほか工藤寿樹、谷沢広両副市長も交え対談した。

 今年が青函ツインシティ提携20周年に当たり、両市長とも記念行事を盛り上げていくことで一致。鹿内市長は函館、青森だけでなく下北半島、津軽半島を含めた圏域の連携構築を提起した。2010年度には青森まで新幹線が開業することにも触れ、「新幹線時代に向け、互いに協力発展していこう」と呼び掛けた。

 西尾市長も「青森の農産物や函館の海産物を互いに売り込むことで大きな商圏が期待できる」と述べ、新市長にエールを送った。(鈴木 潤)



◎函館国際水産・海洋都市推進機構 代表理事に木村氏

 一般財団法人「函館国際水産・海洋都市推進機構」の理事会が12日、函館市若松町のロワジールホテルで開かれ、沼崎弥太郎前代表理事の死去で空席となった代表理事に函館空港ビルデングの社長で理事の木村孝男氏を選任した。

 理事会には理事10人全員が出席。同機構の代表理事は理事の互選で選任することになっており、木村氏は満場一致で選ばれた。

 木村氏は函館市の元助役で、退任後、同社の専務を経て社長に就任。函館商工会議所の副会頭や函館国際観光コンベンション協会の会長も務めている。

 木村氏は「国際水産・海洋都市構想は地域が一丸となって取り組んで6年目。4月に推進機構が立ち上がり一歩踏み出した矢先に、情熱を持って取り組んできた沼崎さんが逝去された。力不足だが遺志を引き継ぎ、皆さんの力をいただき職責をまっとうしたい」と述べた。(鈴木 潤)