2009年6月14日 (日) 掲載

◎海の恵みに感謝、豊漁祈願 ひろめ舟祭り

 海の恵みに感謝し豊漁を祈願する函館市南茅部地域最大のイベント「第24回南かやべひろめ舟祭り」(同実行委主催)が13日、臼尻漁港特設会場で開催された。メーンの舟こぎ競争には42チームが出場。各地区から出された飾り船のパレード、ひろめソーラン踊りなどが行われ、多くの市民が楽しんだ。

 伝統の舟こぎ競争は、木製の磯舟に6人1組で乗り込み、かじ取りやこぎ役、拍子役を分担して舟を進める。港内に400メートルと600メートルのコースを設け、チームワークや折り返し地点をいかに効率よく回るかが勝敗の鍵を握る。出場者は南茅部地区だけでなく市内各地から集まった。

 レースの様子は岸壁から見ることができ、同僚や家族、同じ地域に住む住民らが、それぞれのチームに大きな声援を送った。最も多い9チームがエントリーした定置漁業協会長杯には地元の漁師らが出場し、唯一予選が行われた。決勝に進出したチームは、2度目のレースの疲れも見せず、統率の取れた力強い動きで舟を進めていた。

 各レースで優勝したチームは次の通り。

 ▽初心者対抗 函館市教育委員会ホリディズ▽共愛会理事長杯(女子対抗) 縄文レディース▽函館市役所(本庁・支所対抗) 恵山支所「乱気」▽ひろめ舟祭り杯(一般・職場対抗) チームアラフォー▽南かやべ漁協組合長杯 大船支所▽定置漁業協会長杯 チガイニ小田原水産 (小泉まや)



◎グループ・ダンスコンテストで優勝 石井さんハリウッドで躍動

 函館在往のジャズダンスインストラクター石井ちえさん(25)がこのほど、米ロサンゼルス市ハリウッドで開かれたダンスコンテスト「The  Movement of Hope 2009」に日本各地のダンスインストラクターと出場し、優勝した。高い個人技を繰り出すアメリカのグループに対し、現地の振付師やインストラクターの手で創意工夫を重ねた作品で臨み、会場を魅了した。

 石井さんは5歳でバレエを始め、14歳でジャズダンスに転向。現在は函館市末広町の「Rダンスカンパニー」(高野理恵子さん主宰)のインストラクターとして活躍中。市内や道内、米国の舞台に参加している。

 同コンテストは、ロサンゼル市のミレニアムダンスセンターなどが主催し、5月30日に開催。米国では課題曲に対してグループ単位で作品を作り、1組対1組で競い合いを繰り返し、優勝を決める形が少なく、この形を発展させようと初企画された。アジア系グループの出場メンバーを探していたところ、ロス在往で高野さんの師である世界的ダンサー、トニー・ティーさんが石井さんを推薦し、渡米が決まった。

 石井さんは東京、岡山などのインストラクター計9人で結成された「Clock work」として出場。同18日に現地入りし、現地のダンスプログラマーから1日約5時間、振り付けの指導を受けた。「レッスン中はチームワークを合わせたり、古いヒップホップの形など、多くのことを吸収するのに必死で、総仕上げはきつかった」と振り返る。

 新型インフルエンザの影響でコンテスト開催は3日前に正式決定され、日、米、両国混合の合わせて4組が出場。マイケル・ジャクソンなどの課題曲に合わせ各グループが熱演。米のグループは個人技でアピールを仕掛けるため、全員で舞う美しさを表現することは得意ではない。石井さんらのグループは作品ごとに華やかさ、神秘的な要素などの変化を付け、審査員から好評を得た。

 約1時間に5作品を披露。「日本と違い客席の歓声が大きく、気持ちが盛り上がり、レッスンで身に付けた以上の成果が出せた」と話す。米のグループと最後まで争ったが、息を合わせ、ステージの端々まで彩りと躍動感を与えたことが高く評価された。

 石井さんは「日本の人たちと一つの作品を作れたことや、アメリカの個人技を見れたことで、多くのことを吸収できた。何事もなせば成ると思った」と笑顔。作品の一部は10月31日に開く同ダンスカンパニーの公演で披露するという。(山崎純一)



◎15日に大沼浄化ボランティア

 【七飯】炭素繊維の塊などを大沼に沈め、水質改善を図る取り組みが15日、七飯町の大沼国定公園で行われる。地元住民や行政関係者らが連携して浄化作業に取り組む「炭素繊維ブロック啓発 みんなで守ろう美しい大沼」(七飯町、渡島支庁共催)で、住民や学生、関係団体などの約40人がボランティアとして参加を予定。水質浄化に高い効果があるとされる炭素繊維ブロックの組み立てや、木炭の袋詰め作業などを行い、環境問題を考える。

 大沼、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼の3つの湖沼を有し、道南屈指の景勝地として人気の高い大沼国定公園だが、近年は水質の汚染が深刻な問題となっている。このため七飯町と渡島支庁では、函館高専や道教育大などの研究機関と協力しながら水質浄化の可能性を探ってきた。

 今回設置するのは、90㌢角の立方体にムカデ型炭素繊維藻40本を垂直に取り付けた「炭素繊維人工藻ブロック」と「木炭袋」。大沼の2カ所、計約400平方メートルの範囲に、ブロック21個と木炭袋を沈める。これまでも炭素繊維や木炭を湖面にいかだ式に浮かべる試みはしているが、景観を損なったり遊覧船やボートの移動の邪魔になるなどのデメリットが大きかった。しかし、今回はブロックと木炭袋を湖底に沈めることで問題点を解決。たい積したヘドロなどの有機性汚濁物質の分解を促進し、水生生物の隠れ家や餌場になることも期待される。

 当日はボランティアがブロックの組み立て作業や木炭の袋詰め作業などを行うほか、湖内への設置作業の様子を観察する。今後は、水質変化のデータを継続的に観測。十分な効果が認められれば、さらに設置場所を拡大し、大沼全体の浄化につなげていきたい考え。

 同支庁は「美しい大沼を取り戻すためには、行政機関が連携するとともに、近隣住民や関係団体の意識向上や実践も不可欠。今回の活動がきっかけとなり、大沼浄化に対する一般への関心が高まってもらえれば」と話している。 (小川俊之)



◎支庁再編・道の素案 機能維持“ミニ支庁”

 【江差】12日に道が市町村に提示した、新支庁体制の在り方を示す「基本フレーム(素案)」では、桧山など5振興局の組織体制について、骨格的な支庁機能を維持しながらも所管事務の取捨選択を図り、出先機関を含めた現行組織の再編成を大胆に推し進めるものとなった。

 現在ある檜山支庁の組織機構は、地域振興部(4課)と産業振興部(6課)に加え、保健福祉事務所(保健福祉部=4課)の3部14課と森づくりセンターなど。出先機関は、農業改良普及センター、家畜保健衛生所、南部、北部、奥尻の地区水産技術普及指導所がある。

 道の素案では、檜山など5振興局の標準フレーム案として、地域政策部(2課)、産業振興部(2課)、道民生活部(3課)の3部7課案を提示している。農改センターなど出先機関も内織に取り込むが、従来の税務部門は「部の出先機関」に位置付けを変える。

 振興局の事務は、産業振興や地域振興などの業務に加えて、発注・入札、補助金・交付金、市町村行財政、選挙事務といった市町村や企業を対象とする事務を残す。一般道民を対象とする窓口業務や保健福祉、社会福祉、医務薬務などの業務も維持。今後の協議により、地域課題に応じた組織や職員配置も検討する。

 支庁再編条例を施行する10月1日時点では、14支庁からの名称変更と、空知管内幌加内町(上川へ)、留萌管内幌延町(宗谷へ)の区域替えのみを行い、組織改革は来年4月から3年間で進める。

 渡島など9総合振興局は4部11課を中心に組織する。振興局はさながら“ミニ支庁”の様相だ。当初は支庁出張所として、多くの事務や権限を引きはがされる方向にあったが、再編条例改正を経て「支庁管内での事務完結」を基本に、骨格的な支庁機能を残したことが最大の特徴だ。

 一方、素案では、総合振興局に移管する広域事務として26区分105事務を対象に上げた。事務の移管に伴い、現行の檜山支庁からどの程度の職員が削減されるのかは不透明で、檜山管内の各町は素案の内容を慎重に分析している。月内にも全道レベルと5つの振興局地域で始まる協議を通じて、振興局の組織機構がどのように具体化されるのかが注目される。 (松浦 純)



◎函館開港150周年 小林亜星さん作曲の記念ソング初練習

 函館開港150周年を記念して、函館市が作曲家の小林亜星さんに依頼した記念ソング「あれから そして今」が完成。7月1日の記念式典などでの披露に向けて13日、市芸術ホールで初練習が行われた。函館合唱連盟の会員が、同会理事長の大坂吉明さんの指揮で音を合わせた。

 歌は「新しい函館の歌」をテーマに、市民から函館の歴史や思い出にまつわる言葉を募集した。これを歌詞に編集し、小林さんが混声4部合唱に作曲した。式典当日、合唱に参加するのは同連盟に加盟している約15団体の約220人。練習はこの日を含めて4回で、初回は約140人が参加した。

 同事業実行委総合プロデューサーの岩堀恭一さんは「後世に残るような曲にしたいと考えた」と説明。大坂さんの指示で、パートごとや全体での音確認を繰り返した。練習後、大坂さんは「親しみやすい割に変化があり、中身の濃い合唱曲だと感じた。歌い手にとって充実感があるので、当日が楽しみ」と話した。

 最終回となる30日の練習には、小林さんも同席する予定。 (小泉まや)