2009年6月16日 (火) 掲載

◎補導の未成年が激減…タスポ導入1年

 未成年者の喫煙防止を目的とした成人識別ICカード「taspo(タスポ)」の道内導入に伴い、函館市内ではこの1年間で喫煙で補導される少年少女が半減したことが市青少年補導センターのまとめで分かった。一方、タスポを持たない喫煙者がコンビニなどでの対面販売で購入するケースが増えた半面、自販機を設ける市内のたばこ店は大打撃。明暗がくっきり分かれた格好だ。

 同センターのまとめでは、健康増進法の施行や全国的に進む喫煙スペースの縮小化も手伝い、喫煙で補導された未成年者数は近年では2003年度の775人をピークに下降線をたどっている。08年度は5月にタスポが導入された影響などから、補導数は前年度の396人から198人に激減。同センターは「学校での徹底した指導や、未成年者が来店した際灰皿を出さないなどカラオケボックス店での協力も大きいが、もちろんタスポの影響もある」と分析する。

 販売業界でも大きな変化が起きた。セブンイレブン広報は「昨年度からたばこを買い求めるお客さんが一気に増え、売り上げは相当伸びた。コンビニ業界全般で同じ傾向が出ている」と話す。

 その半面、悪影響を受けたのはたばこ店。同市宮前町の「函館たばこらんどセラーズいそ」では、自販機4台の売り上げが4―6割程度に落ち込んだ。店長の磯雅晴さん(58)は「これほど売れないとは思わなかった。飲料水の自販機も売れなくなった」と影響の大きさを強調する。

 日本たばこ協会(TIOJ)の発表によると、今月6日現在、道内の喫煙人口に対するタスポの普及率は36・0%。申し込みに際しては免許証のコピーや写真などの用意が必要となるが、「手続きが面倒」との理由から、昨年同期に比べ13・2ポイント増と伸び悩んでいる。

 「タスポステーション」の旗を掲げる店舗ではタスポ発行の手続きが無料でできる。磯さんの販売店を含め、市内では15店舗で申し込みが可能。磯さんは「タスポがあれば全国どこの自販機でもたばこが買える。申し込みは5分あれば簡単にができるから、まだの人はぜひ利用して」と協力を求めている。(長内 健)



◎函館スイーツ 力合わせPR…アンテナショップ開店

 函館や近隣市町の菓子メーカーでつくる「函館スイーツの会」(会長・若山直五島軒社長)のアンテナショップが14日、函館市松風町にオープンし、市民や観光客らが会員9社の創意あふれる和洋菓子を買い求めた。

 同ショップでは、会員9社が函館開港150周年を基本コンセプトに開発した新商品、リニューアル商品計15品を販売。地域の雇用開拓を支援する国の「ふるさと雇用再生特別対策推進事業」の認定を受けてショップを開店し、店舗は電車通り沿いの空き店舗を改装した。店長含め5人を店員として正規雇用した。

 開店前にはオープニングセレモニーが行われ、若山会長らがテープカット。オープンを待ちわびた来店客が続々と入店し、ショーケースに並んだロールケーキや焼き菓子などを買ったり、店内の喫茶コーナーで味わった。各社の従業員も店員とともに売り場で接客し、自社商品を売り込んだ。また合計で1200円以上購入した客にはソフトクリームのサービスも行われた。

 ジョリクレールのロールケーキを買った市内宝来町の女性(60)は「地元の菓子店が協力して出した店なので応援していきたい」と話した。若山会長は「ようやくスタートラインに立った。今後いろいろな企画を考え、函館の菓子を全国へ発信させていきたい」と意欲を見せた。

 ショップ内には18席が設けられ、営業時間は午前10時―午後7時。火曜定休。(鈴木 潤)



◎水試移転、知事へ要望…函館市など

館市と函館市議会、経済界は15日、道庁で高橋はるみ知事へ道立函館水産試験場の機能拡充を要望した。市が旧函館ドック跡地に整備する国際水産・海洋総合研究センターへ水試を移転してもらうことがメーン。市の渡辺宏身企画部長によると、高橋知事は「函館水試は来年4月から独立行政法人化するので、法人独自の意思決定になるが、具体の条件について函館市と事務的な検討をしたい」と述べた。

 西尾市長、吉田崇仁議長、函館商工会議所の高野洋蔵会頭と松本栄一副会頭、函館市内漁業協同組合長連絡協議会の辻口初男副会長、函館国際水産・海洋都市推進機構の伏谷伸宏機構長らが道庁を訪れ、要請した。

 函館水産試験場は老朽化が進み、道財政が厳しい中で移転や新築が長年の課題となっている。道は函館水試を独立行政法人化する予定だが、道の直営を離れても存続する形となるので、市は海洋構想推進で欠かせない研究機関として誘致を目指している。

 要望は、函館の水産振興施策を総合的に進めるために函館水試の機能の拡充が必要であり、市が整備する海洋総合研究センターへの水試移転、入居を願い、試験研究機能を維持・拡充してもらいたいとする内容。

 市は来年度から、同センターの基本設計を進める予定。合併特例債を活用して施設を整備し、函館水試のほか、北大の研究機関にリースする形で入居してもらうことを計画している。(高柳 謙)



◎夢限舞童が2年連続の大賞…YOSAKOIソーラン祭りジュニアコンテスト部門

 札幌市で10日から14日まで開かれた第18回YOSAKOIソーラン祭り(組織委主催)のジュニアコンテスト部門で、函館の「夢限舞童」(外崎仁代表)が2年連続3度目の大賞に輝いた。外崎代表は「メンバー一人ひとりの力が結集した結果」と、一丸の受賞を喜んでいる。

 出場メンバーは小学3年から中学3年までの16人。君橋本魁斗君(北斗浜分中3年)をチームリーダーに週4回以上の練習に打ち込み、本番に臨んだ。

 今年の演舞のテーマは「願い」。日本の国宝となっている「七星剣」にちなんだオリジナルストーリーをモチーフにした作品で、剣に刻まれている「青龍」と「白虎」が互いに認め合い剣になる過程を踊りで表現した。特に後半はダイナミックにたなびく2本の大旗をメーンに躍動感あふれる舞が展開。他チームに比べ人数が少ないため、「いかに迫力を出すか苦心した」と外崎代表。

 今年からコンテストの会場が道立総合体育センターきたえーるから屋外の丸井今井デパート前に変わり、メンバーは力強い踊りで沿道の観客を魅了した。橋本君は「皆で自信を持って大会に臨んだ。大勢の前で気持ち良く踊ることができ、大賞も取れてうれしい」と言葉を弾ませた。

 次の目標は3連覇。外崎代表は「ぜひ達成したい」と気持ちをあらたにしていた。(鈴木 潤)



◎幻想的な光 うっとり…市営熱帯植物園ホタルの観賞会

 函館市営熱帯植物園(湯川町3)で15日夜、温室で繁殖させたホタルの観賞会が開かれ、親子連れなど約100人が小さな光を瞬かせるホタルを楽しんだ。

 同園を管理・運営するNPO法人函館エコロジークラブが2004年度から温室内に造成した川「ホタルのせせらぎ」にヘイケボタルの幼虫を放して自然繁殖させ、05年度から夜間観賞会を開催している。今季は昨年夏に幼虫300匹を放流。温室では毎年自然界よりも40日以上も早く見物することができ、5月25日からホタルが出現。14日現在25匹が確認されている。

 この日は午後8時から続々と集まってきた来園者に、同法人の鈴木繁幸さん(64)が「雄も雌も体を光らせ結婚相手を探す」などと説明。来園者は幻想的な光を放つホタルに見とれていた。家族と訪れた函館北美原小2年の西條朱莉さん(7)は「ピカピカ光ってとてもかわいい」と喜んでいた。21日まで毎日午後8時から同9時まで見物できる。入場無料。(宮木佳奈美)