2009年6月17日 (水) 掲載

◎低公害の交通体形目指す…日ASEAN次官級会合

 第7回「日ASEAN次官級交通政策会合」は16日、函館国際ホテル(函館市大手町)で開かれ、低公害の交通システム実現を目指す環境行動計画案をまとめた。ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国の意見を加えて最終的な案をつくり、12月にベトナム・ハノイで開く大臣会合で正式決定する。

 日本とASEAN諸国の官僚が交通分野の連携などを協議する会合で、ASEANから約40人、日本から約20人が出席した。

 欧米やASEAN諸国、国際機関が参加して今年1月に東京で開いた国際会合で、交通分野でも環境に配慮した低炭素、低公害の実現を目指すことで合意。これを受けて日本とASEANの交通政策会合で、環境行動計画を策定することになった。

 函館での会議は、12月の大臣会合に向けた事前協議。この日は低公害交通システムの実現に向けて努力していくという行動計画案の大枠が決まった。大臣会合で、2010年から5年間の行動計画を決定する。環境に優しい交通システムの導入や燃費の基準、日本の技術提供や協力などの具体的な取り組みは計画決定後に肉付けしていく。

 国土交通省によると、京都議定書を締結していないASEAN加盟国でも、温室効果ガスの排出抑制などに取り組む意欲を持っている。環境行動計画の決定後、各国の判断で独自に実施計画を策定する。

 国土交通省の志村格審議官とベトナム運輸省のファン・タン・トゥン国際協力局長を共同議長に選出。志村審議会は「主要な交通政策課題を自由に討論し、共通の理解を深めながら今後の方向性を検討し、交通連携プロジェクトを推進したい」と述べた。

 17、18日は同ホテルで、日本とASEANをはじめ、欧米や韓国、ロシアなど21カ国と12の国際機関が参加して「交通分野における地球環境・エネルギーに関する高級事務レベル会合」が開かれる。(高柳 謙)



◎駅、空港で函館バリアフリープロジェクトボランティアプロジェクト

 公共交通機関の利用において、案内や介助を希望する障害者や高齢者を支援する「函館バリアフリーボランティアプロジェクト」(同実行委主催)の活動が12―15日にかけて、JR函館駅と函館空港で行われた。14日に函館市内で開かれた第25回DPI(障害者インターナショナル)日本会議に合わせて実施されたもので、延べ83人のボランティアが参加。会場までの交通案内や移動のサポートなどをサポートした。

 函館市内では2008年度に、国土交通省が主体となり、自治体と交通事業者、NPO団体、市民が連携して「バリアフリーボランティア実証実験」が行われ、利用者から好評を得た。本年度からはこれまでの参加団体やメンバーを主体に実行委員会を立ち上げ、ボランティアニーズや観光シーズンに合わせた活動を展開していく。

 今回のプロジェクトは実行委の呼び掛けによる初めての活動で、函館駅には12―15日までの4日間で延べ49人、函館空港には13、14の両日で延べ34人のボランティアが参加。会場となる函館市総合福祉センターや各自の宿泊先までの交通案内を行うとともに、バスや介護タクシーなどに乗り込む際のサポートなどを行った。

 実行委の折谷久美子代表は「多くのボランティアの協力で無事に活動することができた。今後は8月の函館開港150周年イベント、9月の道ユニバーサル上映映画祭の時期を中心に、利用者のニーズに合わせた活動を展開していきたい」と話していた。(小川俊之)



◎副議長に平出陽子氏 女性初「議員活動を透明化」…道議会

 第2回定例道議会は16日に開会。正副議長選挙を行い、函館市区選出で民主党・道民連合の平出陽子氏(60)が副議長に選出された。議長は網走支庁区選出で自民党・道民会議の石井孝一氏(79)。道議会で女性の正副議長就任は初めてで、平出氏は「開かれた道政と議員活動の透明化を目指したい」と話している。

 道議会事務局によると、道南からの正副議長は、議長が自民党、函館市区の桜井外治氏(1993年5月―95年4月)、副議長が社会党、桧山支庁区の故・小田原要四蔵氏(95年5月―97年6月)以来。

 平出氏は函館市出身で、道教育大函館校卒。小中学校教諭を経て、91年に道議に初当選し連続5選。保健福祉委員長、環境生活委員、青少年・少子対策特別委員などを歴任し、民主党道8区総支部副代表を務める。

 女性初の副議長となったことを受け、「女性が政治に関心を持ち、政治に期待してもらえるように頑張りたい」と語り、道議会の議員基本条例制定にも意欲を見せている。

 議長を第一会派、副議長を第二会派から選出するのが慣例で、民主党・道民連合の副議長候補の選出は難航していたが、15日の役員会で平出氏に内定した。平出氏は2年前にも副議長候補に挙がったが、鰹谷忠氏と同数で並び、抽選で敗れた経緯がある。(高柳 謙)



◎ガゴメ商品一堂に…アンテナショップきょうオープン

 函館市内や近郊でガゴメ(トロロコンブの仲間)関連の商品を開発、販売する企業や団体でつくる「函館がごめ連合」(須田新輔代表)のアンテナショップが17日、函館市弁天町24にオープンする。16日には関係者を対象にした内覧会を開催。販売商品のお披露目とともに、ガゴメの粉末を練り込んだソフトクリームなどが振る舞われた。

 同連合は、文部科学省の都市エリア産学官連携促進事業に参画し、ガゴメ関連の商品を開発した企業などで構成する「都市エリア成果品販売促進連合」が前身。事業終了後もガゴメを地域ブランドとして確立するため、28団体が参加して新たに組織した。アンテナショップは国の「ふるさと雇用再生特別対策事業」の補助金を受けて実現した。

 内覧会開始と同時に、参加企業などの担当者らが続々と来店。広さ約70平方㍍の店内には販売を予定している100種類の商品の大半が陳列されており、来店者は手に取って眺めていた。また開店に合わせ、函館酪農公社の牛乳「函館牛乳」にガゴメを混ぜてコンブのうま味を出したソフトクリームを開発。集客効果を狙い店内で販売する。

 須田代表は「観光客だけでなく市民にも来店してもらいガゴメを浸透させたい」と意気込み、中元など贈答品としての活用も勧める。営業時間は午前10時から午後6時。毎週水曜日定休。問い合わせはアンテナショップTEL0138・29・4777。(小泉まや)



◎日航乗り継ぎで割引…ユジノ線

 ロシア・ユジノサハリンスク―函館線を運行するサハリン航空は16日までに、提携する日本航空(JAL)の羽田―函館線の乗り継ぎ客を対象に割引料金を導入することを決めた。運航再開予定の6月30日から適用する。

 サハリン航空日本地区総販売代理店UTSエアサービス(札幌)などによると、割引は日本航空の羽田―函館線と乗り継いでユジノ―函館線を日本で一括購入することが条件で、ユジノ―函館間の料金は往復が通常料金の4万9300円引きの3万4000円、片道が同1万6200円引きの3万500円となる。

 ユジノ―函館線をめぐっては、サハリンの石油・天然ガス開発が一段落したことに伴い、ビジネス客の利用が減少。ウラジオストク航空(ロシア)の東京―ユジノ間の定期チャーター便の運航も影響し、4月22日から運航を休止している。(鈴木 潤)