2009年6月24日 (水) 掲載

◎重機使い2600万円入りATM盗む

 23日未明、函館市亀田町21のホームセンター「ジャンボイエロー亀田店」で、ガラス張りの外壁が破壊され、店舗内設置の現金自動預払機(ATM)2台が盗まれた。函館西署によると、ATM内の現金は計2667万円で、店舗前には、市内の運送会社から盗まれたトラックとショベルカーが放置されていた。付近住民が現場から走り去る車両を目撃しており、同署で窃盗事件として捜査している。

 同署によると、同日午前2時50分ごろ、店舗の警報器が作動、警備会社から警察に通報があった。同署員の到着時には、犯人は逃走していたという。また、現場から約5キロ離れた同市東山町の土木会社では22日午後8時以降、トラックや重機など3台の盗難被害があり、このうち2台は店舗前の車両と確認された。

 ATMは、銀行のものと地元企業のキャッシング用の2台。銀行ATM内の現金は約2478万円といい、2台とも壁面からはがされていた。同店の畠谷宏幸店長(34)によると、22日は従業員が帰宅した午後8時20分以降は無人で、店内に防犯カメラの設置はないという。

 同署では、複数犯による計画的犯行の可能性が強いとみて、残る盗難車両やATMの発見を急いでいる。



◎南茅部地域の病院バス「継続を検討」

 函館市が南茅部地域で週1回運行している市立南茅部病院への無料送迎バスについて、西尾正範市長は23日、「継続して取り組む方向で検討したい」と述べた。旧市内と旧4町村の広域自治体形成に向けた取り組みも進める。  同日の第2回定例市議会で佐々木信夫氏(市民クラブ)の一般質問に答えた。

 海岸線が34キロある同地域と中心部の市立病院を結ぶ無料バスで、市は地域福祉バスを利用して昨年10月から1年間の予定で運行を始めた。利用状況について、井上芳郎病院局長は「5月末までの運行で、1日平均約25人が往復利用している。通院患者の足の確保や交通費の負担軽減から好評」と述べた。

 佐々木氏は、旧市内で実施している高齢者のバス利用助成制度の4町村地域への拡充についてただした。岡田芳樹福祉部長は「極めて概算」と断った上で、平均助成単価に準じると年間約1600万円、実際の乗車料金の半額となれば同約5000万円の財政負担となることを説明。「地域福祉バスとの兼ね合いや制度のあり方などから総合的に判断したい」と答えた。

 西尾市長が公約で掲げた広域自治体の形成で、4町村地域に特別職を配置し、独自の権限で漁村地域の発展を目指す「地区制度」について、市長は意欲を示した。ただ、公約は4支所を2地区程度に分ける考えで、当選後の2007年7月の市議会代表質問で反発を受け、市長は慎重な方針を示していた。佐々木氏は今回、支所や支所長を残して特別職1人を置く考えをただし、市長も「地域に一定の権限を持たせるべきで、検討したい」と述べた。

 このほか福島恭二氏(民主・市民ネット)、工藤恵美氏(新生クラブ)、志賀谷隆氏(公明党)、丸尾隆子氏(共産党)が質問した。(高柳 謙)



◎空き家で砲弾見つかる

 23日午前8時45分ごろ、函館市若松町38の空き家を所有する同市内の男性会社員(56)が「天井裏から砲弾のようなものが見つかった」と函館西署に届け出た。同署では午前9時15分から午後4時ごろまで、付近の半径約100メートルの住民約100人を小学校などに避難させた。砲弾様のものは、同署が陸上自衛隊第11旅団(札幌)に処理を依頼し、同日午後3時40分ごろ回収を完了した。

 同署によると、この砲弾は22日午前に家屋を解体していた作業員が2階の屋根裏で発見したという。陸上自衛隊函館駐屯地によると、回収された砲弾は長さ約35センチ、直径約10センチで信管がついていた。同旅団の処理隊員は23日午後3時半ごろ現場に到着し、10分ほどで回収を終えた。砲弾は振動を与えないように特殊なケースに入れられ、陸路で真駒内駐屯地へ運んだ後に処理するという。

 現場周辺は、警察の規制線が張られ、消防車が延べ28台出動するなど、一時、物々しい雰囲気となった。避難場所の市総合福祉センターには、同日午前10時ごろから近隣住民が集まり始めた。近くの主婦(57)は「パトカーの避難指示に従って来たが、仕事をしている家族と連絡が取れないので心配」と話していた。同日午後4時前に、避難指示が解除されたことが伝えられると、住民らは一様に疲れた表情で家路についた。



◎郵便局に振り込め詐欺防止マット

 詐欺撲滅は足元から―。渡島・桧山管内の郵便局に設置されているATM(現金自動預払機)前に、振り込め詐欺への注意喚起を促すマットの設置が進んでいる。23日までに函館市をはじめ北斗市、七飯町など18局で導入しており、今後取り入れる局も増えそうだ。

 マットはダスキン西桔梗支店(函館市西桔梗町837、西岡正志支店長)が、先月から各局に提案。縦75センチ、横90センチをベースに、各局の状況に応じたサイズ変更がが可能といい、あっという間に各地の郵便局に広まった。

 七飯郵便局(中村高彦局長)は詐欺の未然防止に一定の効果が見込めるとして、管内で最も早く今月8日から導入。2台のATMの前に「その振込 再確認!」と書かれた白地の文字に、鮮やかなグリーンのマットが訪れた利用客の目を引きつける。

 中村局長は「窓口対応なら職員の声掛けによってかなりの確率で防止できるが、ATMでの振り込みだと手立てがないのが現状。一瞬でも足元を見て気づいてもらえれば」と話している。

 18日に導入した鹿部郵便局(鈴木昌志局長)では、デザインの違う2枚を設置。「利用客からの注目度も高い。各地で同じようなマットを見ることでさらに効果が高まるののでは」と期待している。(千葉卓陽)



◎スギ花粉飛散、過去最高

 渡島保健所(函館市美原4)は函館地区の今年のシラカバ花粉の飛散が今月2日に終了したと発表した。総飛散量は昨年の約4分の1と大幅に減少。一方、5月1日に飛散が終了しているスギ花粉の総飛散量は、調査開始以来過去最高を記録した。

 同保健所では2001年からスギやシラカバなどの花粉飛散調査を実施。花粉捕集器にスライドガラスを24時間設置し1平方センチ当たりの花粉の数をチェックしている。2日以上連続して1平方センチ当たり1個以上が観測された最初の日が飛散開始日になり、飛散数0の日が連続して3日間続いた最初の日の前日が飛散終了日とされる。

 道内では道南のみで観測されるスギ花粉の今年の飛散開始日は3月17日(昨年は同23日)。飛散最終日は5月1日(同日)。総飛散量は1272・8個で、過去最高だった昨年の959・8個を上回った。

 一方、シラカバ花粉は4月下旬に雨や雪などの悪天候で気温の低い日が続いたため、例年は4月中旬から下旬となる飛散開始日が5月5日(同4月19日)と遅れた。この影響もあり総飛散量は159・5個と、過去最高だった昨年の624・1個を大きく下回った。

 同保健所では「今年の花粉飛散状況調査は終了したが、今後もイネ科やヨモギなどが花粉症を起こす可能性があるので、マスクなどによる予防が必要。特に雨の日の翌日で気温が高くなる場合は注意してほしい」と話している。(小川俊之)



◎函館市採用試験、申し込み大幅増

 函館市はこのほど、2010年度の市職員採用試験の申し込み受け付けを締め切った。本年度は来年3月に短大、大学を卒業する学生の採用のほか、スポーツや芸術、学術研究などの分野で実績のある人を対象とした「自己アピール採用」と、会社など勤続5年以上を対象とした「民間企業経験者採用」を導入。これにより本年度の申し込みは前年度より487人増の698人に上った。市は10人程度を採用する考えで、採用日は10年4月1日。

 自己アピールには245人、民間企業経験者には142人の応募があった。どちらも1975年4月2日以上に生まれた高校卒業以上の学歴のある人が対象。

 市人事課によると、自己アピールの応募者はスポーツ分野の人が比較的多く、中にはボランティア活動や学生のサークル活動、自己の生活体験をアピールポイントにした人もいたという。民間企業経験者の応募者は事務職や技術系などさまざまで、事務経験のない人も応募していた。書類選考で絞り込みをした後、8月中旬をめどに論文や面接の試験を行う予定。

 大学、短大の採用試験(一般事務)の申し込みは前年度より100人多い311人。1次試験(筆記)を7月26日に行う。(鈴木 潤)