2009年6月28日 (日) 掲載

◎クレーン切断音響く…1号機撤去、解体始まる

 21日に始まった、旧函館ドック跡地(函館市弁天町)にある函館どつく函館造船所の大型クレーン(ゴライアスクレーン)の撤去・解体作業は27日、残っていた1基(1号機)が解体作業場に移され、切断作業が始まった。

 強風の影響で予定より2日遅れ、午前5時半ごろ、起重機船のクレーンでつり上げられ、隣接する市有地へ移動。同10時ごろに降ろされ、下部から順に解体された。現場には細かく切断された2号機が横たわり、地上で作業するクレーンやガスで切断する音が響いていた。

 高さ約70メートルある最後の形や、海上を移動するクレーンを目に焼き付けようと、付近のふ頭などには早朝にもかかわらず多くの市民が駆けつけた。函館山山頂からクレーンの写真を撮っていた函館市日吉町の会社員、齋藤順一さん(76)は「いよいよ港のシンボルがなくなった。青函連絡船がなくなった日より寂しい」と話していた。

 作業は29日ごろまで行う予定。(山崎純一)



◎港史 函館から全国へ発信…はこだて外国人居留地研究会

 函館開港150周年を記念し、「第2回外国人居留地研究会全国大会」が10月10、11の両日、函館市内で開かれることが決まった。横浜、神戸、長崎など国内の居留地研究者らが集い、各開港都市の歴史や文化についての研究成果を報告し合う。はこだて外国人居留地研究会の岸甫一代表は「函館開港の歴史的意義を再認識し、全国に発信したい」と意気込んでいる。また、同会は市内の居留地に関する情報をまとめたオリジナル冊子第3弾となる「アメリカ編」を作製し、市民への無料配布を予定している。

 現在、居留地を研究する市民団体は函館のほか、東京、大阪、神戸、長崎にある。全国大会は研究交流の場として昨年初めて神戸で開催。今回は函館の関係者が、国際都市の魅力を再認識し、地域の元気を取り戻そうと手を挙げた。

 初日は新潟大の麓慎一さんが「開国と函館―太平洋と東アジアの結節点となった町」と題して記念講演を行い、2日目は函館など4都市の研究者が発表する。当日は市民参加も受け付ける。今後、実行委を発足し、準備を進める。

 はこだて居留地研の新しい冊子は、表面に幕末の維新期における函館とアメリカの交流の歴史の年表と、宣教師ハリスや幻となった大型アメリカ捕鯨船購入などに関するコラムを掲載。裏面は「箱館丸とアメリカ」や「大町居留地のアメリカ人」など10のエピソードとそれらに関連する西部地区の場所を示したオリジナルマップを紹介している。

 アメリカ編をまとめた岸代表は「年表と記事を関連付けることで立体的に歴史の全体像が浮かび上がるはず。現存する史跡がほとんど残っていないので想像をふくらませてほしい」と話している。

 B3判両面カラー。函館とその近郊の教育機関などに送付するほか、市地域交流まちづくりセンターで無料配布する。(新目七恵)



◎大空に大気球ふわり…オニウシ公園で体験会

 【森】大空にでっかく舞い上がれ―。森町上台のオニウシ公園で27日、熱気球の搭乗体験会が開かれた。青空の下、約300人の町民や子供たちが乗り込み、ゆったりと眺めを楽しんだ。

 国道5号沿いの道の駅「YOU・遊・もり」(上台326)で物産館を運営する森町物産センター(松浦功社長)が、創立20周年を記念して企画。町内に住む小学生を招待したほか、物産館で開いているくじ引き大会の商品として搭乗体験を行った。

 熱気球は高さ25メートル、直径20メートルのビッグサイズで、大人6、7人が搭乗可能。安全面を考慮し、静岡市の専門会社「クレオ21」が地上4カ所からロープをつないだ。

 この日は朝から快晴に恵まれたものの上空の風が強かったため、熱気球の高さを当初予定の30メートルから約8メートルに抑えて行われた。ガスバーナーの爆音とともにフワリと上がると、乗客からは「上がったー」と歓声が。公園の樹木とともに、駒ケ岳や噴火湾などの眺望を満喫していた。

 町内石倉の平田こずえさん(36)は、長女萌美さん(11)、長男佑介君(8)、二女芽唯ちゃん(6)と搭乗。「気持ちよかった。なかなか乗れるものではないので、一生の経験になりました」と笑顔。佑介君も「ガスバーナーが熱かったけど、面白かった」と話していた。搭乗体験は28日も行われる。時間は午前9時から。(千葉卓陽)



◎往年の名車ずらり…ジャパン・ヒストリックカー・ツアー

 公道を古い時代のスポーツカーが走る「ジャパン・ヒストリックカー・ツアー2009in北海道~トロフェオ・M・ヌヴォラーリ~」が27日、函館市の金森赤レンガ倉庫でスタートした。全国から参加した43台が道南を駆け抜け、スタート地点や沿道では市民らが手を振って見送っていた。

 昨年まで開かれていた「トロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリ」とのジョイントで、東京の出版社などが主催。スピードは競わないイベントで、“走る自動車博物館”と言われており、車は1932年式MG(英)J2のヴィンテージカーや、54年式ポルシェ(独)356プリAスピードスターといったヒストリックカーなど多彩なデザインがそろった。

 午前9時半のスタート前から、会場には大勢の親子連れらが集まった。中には見たことがない形の車に「中からミサイルが出るの」という幼児も。ドライバーの中には俳優の唐沢寿明さんの姿もあり、九州から参加した男性は「北海道の自然の中を走るのが楽しみだった。芸術作品のような古い車でも大切にすれば走ることができることを広めたい」と話していた。

 この日は函館から大沼周辺、鹿部、いにしえ街道を通り、後志管内ニセコ町で日程を終了。最終日の28日は同町から小樽市などを経由し、午後3時ごろ札幌市の道庁旧庁舎でゴールを迎える。(山崎純一)



◎支部代表3校決まる…夏の高校野球

 “夏の甲子園”につながる第91回全国高校野球選手権南北海道大会函館支部予選(道高野連など主催)の最終日が27日、函館市千代台町のオーシャンスタジアムで行われ、3ブロックの決勝戦で函大有斗、函工、函大谷が勝ち、支部代表が決定した。

 この日の函館の最高気温は26・8度と3日連続の夏日となり、選手たちは暑さに負けず、はつらつとしたプレーを展開。スタンドには多くの高校野球ファンが訪れ、選手たちに声援を送り、代表校が決まるたびに大きな歓声が起こっていた。

 3校は7月14日から札幌円山球場で開かれる南大会で夢の大舞台を目指して、室蘭、札幌、名寄支部代表の強豪校と戦う。(小林省悟)