2009年6月8日 (月) 掲載

◎函館市中央図書館収蔵資料「デジタルデータ」自由に使って

 函館市中央図書館(五稜郭町、長谷部一弘館長)は、同館に収蔵する資料のデジタルデータをまとめたCD―ROM形式のホームページ素材集「『ひと・まち・もの』語り―幕末・明治の函館」を作成した。個人のホームページ(HP)などでの利用を通して函館の観光情報について多くの人に知ってもらい、同時に利用状況を観察して今後の資料の活用方法を探る。同館は「全国的にも珍しい取り組みで、どのように受け入れられるかが楽しみ」と反応に期待する。

 同館が2003年度から進める、収蔵資料を整理し、保存などのためにデジタルデータ化するデジタルアーカイブ事業の一環。これまでにもHPなどを通じて一部を公開してきたが、今回は特に利用申請の頻度が高く保存状態の良い資料94点(284画像)をまとめて閲覧できるようにした。利用を促進して函館のPRにつなげようとする一方、限られた人数に配布することで活用方法を調査する。

 資料作成には、同事業の一部研究を委託している公立はこだて未来大学の川嶋稔夫教授の協力を得た。(1)箱館開港(2)箱館戦争(3)函館ハイカラ文化(4)鮮やかな絵画の世界―のテーマ別に検索できるようになっていて、「ペリー提督日本遠征記」(1856年)や「函館真景」(1882年)、「箱館奉行所庁舎」(1868年)など、なじみ深い資料も多く、色鮮やかな図画や写真も豊富だ。

 資料を使用する場合には同館への利用申請が必要だが、氏名や住所などを記入しメール送信する簡易な手順でできるようになっている。

 同素材集は1500枚発行し、1000枚を行政機関や教育施設、企業などに、残る500枚を一般向けに無料で配布する。18歳以上の函館市民または市内に通勤、通学している人が対象。希望者は往復はがきに住所、氏名、年齢などの必要事項を記入し、22日(当日消印有効)までに同館に申し込む。詳しい応募要領は同館HP http://www.lib-hkd.jp/ (小泉まや)



◎アフガン復興支援中に非業の死…来月伊藤和也追悼写真展

 パキスタンやアフガニスタンで復興支援活動を行うNGO(非政府組織)「ペシャワール会」(中村哲現地代表)主催の「伊藤和也追悼写真展~アフガンに緑の大地を~」が7月10日から6日間、函館市五稜郭町43の五稜郭タワー1階アトリウムで開かれる。同会の現地ワーカーとして2003年から約5年間、現地で農業支援に従事していた故伊藤和也さん(享年31)が撮りためた写真などを通じて、伊藤さんの足跡をたどる。

 伊藤さんは昨年アフガニスタンで凶弾に倒れ、31歳の若さで非業の死を遂げた。追悼写真展は今年3月に福岡で開催、好評を博したことから全国各地で次々と開かれ反響を得ている。函館でも文化団体や市民団体などの市民30人が4月に実行委(米倉正夫代表)を発足させ、約2カ月間寄付を集めながら準備を進めてきた。

 会場には、現地の人々が畑や田んぼで農業に従事する風景や、一面の花畑で満面の笑みを見せる愛らしい少女など、伊藤さんが現地の人々に受け入れられて交流していた様子を伝える写真83点を展示する。

 このほど、はこだて音楽鑑賞協会(高盛町)で開かれた3回目の実行委員会では、当日に向けて周知活動に一層努めることを確認。同協会の梶原康男事務局長は「志半ばにして倒れた一人の若者の写真から、平和に生きていくことの意味や在り方を考えるきっかけにしてほしい」と来場を呼び掛けている。  問い合わせは実行委℡0138・32・1773。(長内 健)



◎実りの秋 思い描いて…道南四季の杜公園で「田植え体験」

 道立道南四季の杜公園(函館市亀田中野町)で7日、田植え体験会が行われた。親子連れら約40人が参加。田んぼの泥に足をとられながらも、丁寧に苗を植えていった。

 同公園内には27ヘクタールの水田があり、市内の農家・澤谷鉄弥さんの管理によって無農薬のふっくりんこときらら397を栽培している。このうち田植えと稲刈り作業については毎年市民の参加を募っていて、この日は幼児から60代の夫婦まで世代を超えた顔がそろった。

 澤谷さんから田植えの説明を受けた後、参加者は裸足になって田んぼに足を踏み入れた。初めて味わう泥の感触に最初は悲鳴を上げていた子どもたちも、すぐに「ぬるぬるして気持ちいい」とご機嫌の様子。バランスを崩し転倒し、背中まで泥だらけになりながらも「汚れることなんか気にしない」と元気いっぱいの女の子の姿も見られた。

 夫婦で参加した市内北美原の仲野政昭さん(65)と康子さん(64)は「田植えはもちろん初めてだったが、泥んこにまみれるのも何十年ぶりの体験。思ったより重労働だったけど楽しかった」と笑顔。母親と参加した鍵谷慧介君(函館北美原小4年)は「早く秋になって収穫するのが待ち遠しい」と目を輝かせていた。

 同公園の中村貢所長は「子どもたちが夢中で作業する姿に感動した。これをきっかけに自然然環境の素晴らしさと食物を大切にする心が育ってくれればうれしい」と期待していた。

 同公園では、10月4日に稲刈りを行い、同25日に米を試食する収穫祭を予定している。 (小川俊之)



◎函教大生が演奏会「伊藤亜希子ピアノリサイタル」を企画運営

 道教大函館校(八幡町1)人間地域科学課程の3年生9人が企画する演奏会「伊藤亜希子ピアノリサイタル」(実行委主催)が7月1日午後6時半から、同校で開かれる。会場の多目的ホールは昨年12月に改築、音響に優れた雰囲気のある小ホール。実行委の八幡里奈委員長(21)は「手作りの演奏会企画は皆初めてで戸惑うことは多々あるが、やりがいがある。素晴らしい演奏会を目指して頑張っているのでぜひ来てください」と来場を呼び掛けている。

 この演奏会は将来地方公務員として音楽ホールに勤務し、演奏会企画やホールの運営などの仕事をする学生のために、同校の三澤寿喜教授(59)が指導する授業「地域音楽文化活動実践」を受ける学生が企画。今年2月に別の学生が第1弾の演奏会を開き、来場者から大好評を得るとともに、学生からも「いい勉強になった」との声があったことから今回も開講した。

 実行委は4月から準備に着手。チラシやプログラムの作成をはじめ、広報活動、演奏家との交渉、さらには市内で開かれるコンサートで受付の仕事など現場での体験もしている。公務員志望の中山亮平さん(20)は「演奏会会場での仕事は大変だったが、裏方として勉強できたまたとのない機会だった。将来の職につなげたい」と意気込む。

 出演は函館のピアニスト、伊藤亜希子さん。ショパンの人気曲「別れの曲」や「革命」、「幻想即興曲」など約10曲を演奏予定。入場無料だが整理券を発行するため要予約。先着90人。申し込みや問い合わせは八幡委員長TEL080・1841・7278。(長内 健)



◎利用者の団らんの場に 「喫茶まったり屋」オープン

 函館市女性センター(東川町11、原田恵理子館長)の談話室にこのほど、喫茶コーナー「喫茶まったり屋」がオープンした。同センターの自主事業で、原田館長は「利用者のコミュニケーションの場にし、皆のオアシスになれば」と話している。

 談話室は同センターの2階にあり、従来から休憩室として利用され、調理設備も整っていたが、近年は使用されていなかった。「新たな利用者が訪れるきっかけにしたい」(原田館長)と喫茶コーナーを設けた。

 メニューは本格派コーヒー(250円)、ゆずソーダ(300円)などの飲み物のほか、トーストサンド(350円)、日替わりピラフプレート(400円)などの軽食も用意。デザートでは抹茶アイスクリームを乗せた「白玉ぜんざい」(300円)がお薦め。気まぐれで出てくる軽食メニューもある。

 このほか人見町のパン店「ブーランジュ梓」のパン、同センターで実施しているボランティア工房で特別支援学校の生徒が制作したメッセージカードも販売している。営業時間は月曜から金曜までの午前10時―午後4時。問い合わせは同センターTEL0138・23・4188。(宮木佳奈美)