2009年7月1日 (水) 掲載

◎プレミアム商品券発売 初日に8割完売

 函館商工会議所が発行するプレミアム(割り増し)付き商品券が30日、同会議所や百貨店、大型スーパーなど市内12カ所で一斉に発売された。各販売所では午前10時の販売開始前から長い列ができ、初日だけで用意した計3万セットの約8割がさばける上々の滑り出しとなった。

 商品券は函館開港150周年記念に合わせ、15%のプレミアムが付き、1枚500円の23枚つづり(額面1万1500円)が1セットで1万円。この日から9月30日までの間、市内のスーパーやコンビニ、クリーニング店やガソリンスタンドなど800店以上で使える。

 テーオーデパート(梁川町)では午前9時半から詰め掛けた市民に整理券を配り、開店時には約500人の行列ができた。棒二森屋(若松町)では午前10時の開店時間を10分早めて来店客を店内に誘導したが、ピーク時には特設売場の新館7階催事場から階段伝いに5階まで及ぶ700人以上が押し寄せた。

 この日は計12カ所の販売所のうち9カ所で完売。同会議所は「目立った混乱はなく、購入者の9割近くが上限の一人3セットを購入していた。あいにくの天気だったが、出足としては悪くない」と話す。1日からは丸井今井函館店、棒二森屋、テーオーデパートで残り若干数を販売し、6日以降も売れ残れば同会議所で取り扱う。

 子連れで4セットを購入した豊川町の主婦平尾智美さん(32)は「普段よく行くドラッグストアで使えないのが残念。小出しにして今まで行ったことがない店で食事したい」と話し、日吉町の主婦(69)は「15%の割り増しは家計には大助かり。せめて年内まで利用できれば使い勝手がいいのに」と利用期間の短さを指摘していた。

 市内では商品券を利用すると、さらに10%割り引いたり、均一価格セールを行ったりと参加店も顧客の囲い込みに懸命だ。有効期間中には中元や夏物クリアランス、夏のボーナスなどの商戦も控え、「今後1カ月が勝負。特に高額商品の購買動機につながるかどうかが鍵」(百貨店関係者)との声も聞かれた。(森健太郎)



◎桧山地域づくり連携会議、「道の駅」活用した販路拡大考える

 【江差】本年度1回目の「桧山地域づくり連携会議」が6月30日、桧山支庁で開かれた。桧山管内の5町に設置されている「道の駅」を活用した農水産物の販路拡大や地域活性化の在り方について意見交換した。

 同会議は管内7町、桧山支庁、函館開発建設部、管内の産業経済団体などで組織。高橋則克支庁長、木村邦久函館開建部長と管内7町長らが出席した。

 管内には江差、上ノ国、厚沢部、乙部、せたなの5町に「道の駅」がある。6月には「道の駅・上ノ国もんじゅ」で、農水産物を販売する物産センターがオープンした上ノ国町の工藤昇町長は「1町の施設では集客力に限界がある。渡島を含めた事業推進が道南の活性化につながる」と述べた。管内有数の販売額がある「道の駅・あっさぶグリーンプラザ227」がある厚沢部町の渋田正己町長も「町内だけでは品ぞろえに限りがある。近隣町の協力も欠かせない」との考えを示した。

 飯田隆一桧山管内商工会連合会長は「消費者や観光客の利便を図るため、管内全体の物産が購入できる広域的で複合的な道の駅も必要」と指摘。木村部長は「近隣町村の情報提供や商品PRを進めるなどの連携が大切」と述べた。

 一方、今金町の外崎秀人町長は「既存の施設や商店街などに観光客を引き込む工夫も必要だ。道の駅が無い今金では、観光施設などを生かした『食の駅』の取り組みも進んでいる」とした。高橋支庁長は「地域の『道の駅』や物産直売所をリレー形式で結び付けると相乗効果が生まれる。檜山と言えば『行ってみたい』『買いに行きたい』と思うような工夫や地域のブランド化が必要」を議論を締めくくった。(松浦 純)



◎きょうから「みなみ北海道グルメマラソンスタンプラリー」

 道南の魅力ある「食」をPRし観光振興につなげようと、北海道観光振興機構と道南の18市町は7月1日から11月末まで、道南の飲食店を巡る「みなみ北海道グルメマラソンスタンプラリー」を実施する。協賛店のスタンプを集めて応募すると外国旅行や特産品が当たり、主催者は「各店自慢の料理を楽しみ、観光を盛り上げて」と話している。

 イカ、マコガレイ、カニ、アワビ、ウニ、アスパラ、ニラ、カボチャ、メロン、乳製品など、道南は食の宝庫。道南18市町の飲食店やホテルなど約250店舗が協賛し、地場産食材を使った新メニューや既存メニューを提供してスタンプラリーを開催する。総事業費は4600万円。

 函館、大沼、松前、江差、奥尻、せたなの6エリアに分け、各店では海鮮丼や和牛、にしんそば、ウニ丼などのメニューを用意。6エリアを回り合計10個のスタンプで当たる函館発着のソウル2泊3日ペア旅行(3組)や、2エリアの2個で応募できるみなみ北海道旬のグルメ(毎月20人で計100人)、奥尻エリアの1個と他エリアの1個で当たるウニ・アワビ特産品セット(10人)などの商品を用意している。

 はがきと一体になったスタンプカードは協賛店舗やホテル、レンタカー、道の駅、道縦貫自動車道のサービスエリア、パーキングエリアなどで入手できる。各店ではスタンプラリーの実施を告げるポスターやのぼりを設置し、観光客をはじめ市民に参加を呼び掛ける。

 函館青年会議所理事長で、道観光振興機構地域連携グループの道南担当マネージャーを務める藤沢義博さん(39)は「北海道に対する食の期待は大きく、その中でも道南の食のレベルは高い。優れた観光資源としてPRすることで観光と一次産業のコラボレーションなどの実現も目指したい」と話している。(高柳 謙)



◎800字の会が文芸誌「樹下」を発行

 函館を中心にした女性文芸グループ「800字の会」がこのほど、文芸誌「樹下」第3号を発行した。メンバー9人が日常の出来事やさまざまな思い出などを端正な文章で描いた作品が掲載されている。

 800字の会は函館出身の作家、故木下順一さんが主宰した「景の会」が前身。2006年4月から活動を始め、その場で決めた課題に沿って作品を書く月2回の集まりと月1回の合評会を続け、文章力の研さんに励んでいる。「樹下」は1年間の活動の集大成として年1回制作。活動で書きためた文章を再構成したり、書き直したりした作品を出している。

 妻を介護する近所の男性との触れ合いを短歌を織り込みながら描いた「道行(みちゆき)」を書いた函館市の木村尚子さんは「文章を書くと自分が気付かないことに気付かされる。この会は刺激的で最も居心地が良い場所」と話す。

 急性骨髄性白血病で従兄弟の二女が急死した出来事を振り返り、二女の思い出をつづった「微笑みを残して」を出した木佐木英子さんは「一週間に一度集中し、緊張することは体に良い。仲間と話すのも楽しみな時間」と語る。

 200部作製し、市内の栄文堂などでも取り扱っている。A5判80ページ、500円。(新目七恵)



◎函館トロイカ合唱団定演、平和への思い 歌に込め

 函館トロイカ合唱団(石黒良治団長)の定期演奏会が28日、函館市五稜郭町の函館市芸術ホールで開かれた。平和や人々とのきずなの大切さを歌に込めて、伸びのある美しいハーモニーをホールに響かせ、大きな拍手を受けていた。

 同合唱団は発足57年目。今回の演奏会では、「きずな」をテーマに、生きる意味や平和の大切さ、人々とのつながりについて、感じてもらおうと練習に励んできた。

 第1部は「早春賦」や「赤とんぼ」など3曲の愛唱歌で幕開け。五稜郭公園のフジ棚保存活動の中で生まれた「五稜郭の藤の花」や、アンジェラ・アキさんの「手紙」などを演奏した。

 第1部と第3部の最後には「きずな」をタイトルにした曲を披露。仲間とともに人生を歩み続ける意味や世界のどこかで失われている命の重みについて、団員たちは歌にメッセージを込めて、観客に訴えた。このほか、津軽三味線奏者西はじめさんがゲストで登場し「津軽じょんがら節」などを演奏。多彩な演目で観客から惜しみない拍手を受けていた。(今井正一)