2009年7月27日 (月) 掲載

◎「日本丸」を一般公開

 海を身近に感じ親しむイベント「オーシャンウイーク2009」(函館国際水産・海洋都市推進機構など主催)の一環で、函館港西ふ頭に停泊中の航海訓練所の練習船「日本丸」(2570トン)の一般公開が26日に行われた。家族連れなどが見学に訪れ、記念撮影などを楽しんだ。

 同船は全国の海上技術学校乗船実習科の実習生102人を乗せて神戸、東京、横浜を巡り、25日に函館に入港、30日に出港する。一般公開は午前と午後に行われ、見学に訪れた市民らは実習生が毎朝行うヤシの実を使った甲板磨き、ロープワークも体験。舵輪(だりん)の前で記念撮影する姿も見られた。両親と訪れた函館昭和小2年の大田武君は「甲板のお掃除が面白かった」と笑顔だった。

 オーシャンウイークは25日に開幕し、26日はスタンプラリーや海辺の生物と触れ合うイベントも開催。関連して市臨海研究所(大町)では、はこだてマリンフェスティバル(海の日を祝う会主催)のイベントとして「海のスイーツ」をテーマにしたケーキサミットも開かれた。(宮木佳奈美)



◎24時間テレビ津軽海峡遠泳リレーメンバー発表

 【福島】日本テレビ系で8月29、30の両日放映されるチャリティー番組「24時間テレビ32 愛は地球を救う」で、福島町がゴールの遠泳「津軽海峡縦断リレー」のメンバーが26日決まった。スポーツ神経抜群の歌手錦野旦さん(60)や五輪選手ら8人が、世界屈指の荒海に臨む。初挑戦した昨年は、残りわずかで惜しくもリタイアしており、今年はリベンジが期待される。

 同番組恒例の24時間マラソンに次ぐ、スポーツ挑戦企画。今年のテーマは「スタート」初企画の昨夏は、青森県小泊岬から福島までの約42キロ(直線距離)を目指したが日没のためゴール寸前でリタイア。松前沖の強い潮の流れがメンバーを苦しめた。

 錦野さんのほかに、盲目の高校水泳選手立木早絵さん(16)、映画「ウォーターボーイズ」で水泳を猛特訓した金子貴俊さん、元プロ野球選手のジョニー黒木さん、アテネ五輪200メートルバタフライ銀メダリストの山本貴司さんが昨年に続く参加で、鈴木大地さんが今年もコーチを務める。北京五輪競泳の柴田亜衣さんと吉本興業所属の芸人宮川大輔さんが初挑戦する。

 26日には千葉県の海水浴場で初合宿。記者会見では錦野さんが「今年で61歳。『還暦を過ぎてもまだまだ頑張れるぞ』と団塊世代に元気を届けたい送りたい」、立木さんは「将来結婚して幸せな家族を築くためにも、何事にも頑張るという気持ちでこのチャレンジを達成したい」。鈴木コーチは、昨年リタイア後に急きょ福島町内の漁港で開催された歓迎会に触れ、「大勢の町民が温かく迎えてくれたことがうれしくてわすれられない。今年こそは何としてでもゴールしたい」とリベンジを誓った。

 30日は総選挙投開票日だが、村田駿町長は「選挙はもちろん、遠泳についても町を挙げて全面的に協力したい。メンバーの健闘を期待している」と激励する。

 遠泳スタートは30日午前6時を予定。リレー形式で同日午後6時前後の福島入りを目指す。様子は随時、番組内で放送され、応援メッセージをファクスやメールなどで受け付ける。 (田中陽介)



◎閉校から22年…若葉小中学校解体へ

 【上ノ国】1987年の閉校から放置状態にあった、旧若葉小中学校の校舎や体育館がようやく解体されることが決まった。鉱山労働者でにぎわったかつての繁栄のシンボルは、ようやく静かな眠りにつくことになる。

 山間部にある同校は、1943年12月に早川国民学校早川分教場として開校。50年に若葉小中学校になった。校舎は非鉄金属メーカー・中外鉱業(東京)が第2次大戦中から本格操業を始めた「上国(じょうこく)鉱山」の中心にあった。鉱山の技術者や労働者の子供を中心に、ヤマの最盛期には500人もの児童・生徒が通学していた。69年には同社が操業していた八雲鉱山(八雲町)が閉山し、配置転換になった多くの鉱山労働者の子供たち11人を受け入れたこともあるという。

 上国鉱山は約50年間で銀、鉛、亜鉛、マンガンなどの鉱石約350万トンを採掘したが、採算が合う鉱石の枯渇がしたため86年5月に閉山。多くの鉱山労働者が上ノ国を離れた。選鉱場や鉱山住宅はすべて解体されたが、校舎だけはゴーストタウンになった鉱山町にポツンと取り残された。鉱山跡に住民はおらず、旧坑から流れる酸性水を無毒化する管理人や林道などの工事関係者が通るだけ。閉山に伴う人口や税収の減少に直面した町は、多額の予算が必要な校舎解体に着手できなかった。

 閉校から22年もの歳月が過ぎ、長年の風雪にさらされた校舎は、屋根や内部の床も崩れ落ちるなど無残な姿をさらしている。町は本年度、国の臨時交付金を使い、他の廃校とともに解体することを決めた。町は「緊急性が無かったため長い年月が過ぎてしまった。倒壊の危険もあるため早急に解体を進めたい」としている。

 かつて、子供たちが校舎前に植えた桜並木は、春先にはひっそりと大輪の花を結ぶ。知る人ぞ知る花見の名所としても知られている。卒業生のひとりは「年ごとに朽ち果てる校舎の姿に心を痛めていた。全盛期の鉱山と学校の姿はまぶたに焼き付いています」と、母校の思い出を懐かしそうに振り返る。 (松浦 純)



◎福島・千軒大吊り橋構想加速、基本条例住民提案第一号に

 【福島】住民主体のまちづくりが進む福島町千軒地区活性化実行委(三浦勇会長)提案の「吊り橋構想」に弾みがついている。4月1日施行の福島町まちづくり基本条例の住民提案第一号(施策に反映)となり、町内で8月3日午後6時から役場主催の勉強会が開催される。役場関係者は「企画案の段階だが、広域的な活性化を目指す構想に賛同者が多い」と前向きな姿勢を示している。

 千軒地区は「住民の営みを財産に」と、収穫を迎えた純白のソバ畑で舞う松前神楽や榎本武揚らが歩いたとされる旧街道ウオーキングなど、自然と歴史を組み合わせた各種催しで人気を集める。

 構想は、風光明美な土地にさらに魅力を加えようと同実行委が発案。この春から町内外で講演会が開かれている。

 実行委の副会長、中塚徹朗さん(51)が講演を担当する。大分県九重町にある長さ390メートル、高さ173メートルの吊り橋が開通から2年間で400万人の人出を記録し、20億円の建設費がこの間の入場料でまかなわれたことを報告。「豊かな森や川がある千軒でも可能な話。新幹線開業で、この橋を渡りたいと思う観光客も増えるはず。建設費は莫大だがコスト削減は可能で、その経済効果は福島のみにとどまらない」と紹介する。

 福島町観光協会役員会でも講演が行われ、籔内裕会長らが構想に賛同。「鉄は熱いうちに打てで、行政に早く話を持ちかけ、構想の具体化を図ろう」と今回の役場主催の勉強会開催となった。

 実行委の三浦会長(72)は「お年寄りが多い地区だが、みんなが助け合って何でも頑張っている。吊り橋構想についても、協力者が増えていることに感謝したい」と夢物語の実現に向け期待は膨らむ。 (田中陽介)


◎函館市職員採用1次試験、不況で受験者増

 2010年度の函館市職員採用1次試験(短大、大卒程度)が26日、公立はこだて未来大(亀田中野町)で行われた。大卒程度の受験者数は前年度の約1・3倍に増加。昨秋からの急激な景気悪化の影響で、公務員人気回復の兆しをうかがわせた。

 採用職種は一般事務で、分野は行政のほか、市が独自に設定した経済・経営、国際、水産海洋、情報の5種。短大、大卒程度を合わせて応募があった311人のうち、当日は200人が受験。受験率は64・3%だった。

 マークシート方式で教養試験などの筆記試験に挑んだ。8月下旬に2次試験を予定。高卒程度、身障者対象の一般事務採用試験は9月下旬に行われる。例年10人程度の採用をめどとしているが、最終的には9月下旬に予定している3次試験を経て合格発表する。

 近年は本州の好景気で民間企業の採用枠が増え、受験者数は減少傾向にあった。このため市は今年、受験者を増やそうと例年9月に実施する採用試験を前倒ししたが、不況と相まって受験者が増えたとみられる。市人事課は「今年は試験への問い合わせも多く、不況で公務員志向が強まったのでは」と分析している。(宮木佳奈美)