2009年7月29日 (水) 掲載

◎ミスはこだて夏用制服披露

 観光都市函館をPRする観光大使「第30代ミスはこだて」の制服が夏用に衣替えし、28日、工藤真弓さん(26)と當摩久代さん(23)、林未花さん(28)のミス3人が市役所で新しい制服姿を披露した。

 今回の制服は函館の海と空をイメージとしたさわやかなブルーを基調としたワンピースで、襟とすそに黒の別布を使い、クラシカルな雰囲気に仕上がっている。市内のファッションリフォーム「トーラス」(松風町、伊藤良子代表)が制服を寄贈した。

 谷沢広副市長と懇談したミス3人は「函館をイメージした色で着心地も良い」と話し、函館のPR活動に向け意欲を新たにした。(鈴木 潤)



◎渡島の本年度普通交付税、前年比3・7%増622億

 2009年度普通交付税の配分が28日、決まった。本年度に新規創設された「地域雇用創出推進費」などにより、渡島管内11市町の総額は前年度比3・7%増の622億7100万円、桧山管内7町の総額は3・3%増の181億8600万円と、ともに全道平均の2・6%増を上回った。

 地域雇用創出推進費は、地方公共団体が地域の実情に応じ雇用創出につながる事業を実施できるよう、09、10年度の期間限定で創出。渡島管内では14億9700万円が加えられている。

 渡島管内では、函館市が前年度から12億4000万円の増加。雇用創出推進費に加え生活保護費や高齢者人口増加に伴う保健費の増加が原因と見られる。北斗市は同2億8200万円増。以下、森町が同2億5700万円増、七飯町が同1億5900万円増、八雲町が同1億3400万円増、木古内町が同1億400万円増と大幅な増加が目立つ。管内で唯一減少となった松前町は過疎対策償還費の減少が要因と見られる。

 桧山管内では7町すべてが前年度を上回った。このうち1億300万円増となった江差町は、障害者自立支援に係る経費の算入で社会福祉費が増加。1億4900万円増のせたな町や8400万円増の厚沢部町は救急告示病院に係る経費の算入で保健衛生費が増加した。

 一方、交付税の不足分を補うために地方自治体が発行できる臨時財政対策債発行可能額は、道内全市町村で一律前年度比55・2%増と拡大。普通交付税と臨時財政対策債発行可能額を合わせた実質的な交付税収入は、渡島管内が総額で693億100万円(前年同期比7・3%増)、桧山管内が総額で199億200万円(同6・4%増)だった。

 全国の普通交付税総額は14兆8710億円(同2・7%増)、全道は7448億300万円(同2・6%増)。(小川俊之)



◎函館港上半期貿易 輸入が過去最大の下げ幅

 函館税関は28日、2009年上半期(1―6月)の函館港貿易概況を発表した。輸出は前年同期比13・1%減の98億2200万円と2期連続で減少。輸入は同61・1%減の65億1400万円と3期ぶりに減少し、統計が残る1980年以降で最大の下げ幅となった。総貿易額は同41・8%減の163億3600万円と3期ぶりに減少した。

 輸出は、主力の船舶が前年と同じ4隻だったが、額で同11・0%減の84億6100万円となり、全体を押し下げた。鉄鋼くずは価格の下落や韓国向けの需要が低迷し、同50・9%減と大幅に落ち込んだ。一方、太平洋セメント上磯工場(北斗市)が5月から11年ぶりにアジア向けの輸出を再開したのに伴い、非金属鉱物製品が全増の2億5500万円と好調だった。

 輸入は、前年上期にあった東日本フェリーの高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」(84億2900万円)の反動減が数字に大きく響いた。また、昨年急騰した穀物相場が落ち着き、小麦・メスリンが数量で同2・3%減だったのに対し、額で同55・2%減と半減した。魚介類・同調整品はロシアからのサケなどが急減し、全体で同19・6%減だった。

 同税関管内(道内と青森、岩手、秋田の東北3県)では、輸出が同40・3%減の1926億2900万円、輸入は同50・8%減の5154億8500万円となり、輸出入とも80年以降、半期ベースでは過去最大の減少率となった。輸出は世界的な景気後退に伴う需要減で、一般機械や自動車の部分品などが落ち込み、輸入は道内の製油所の定期点検に伴う稼働停止や、昨年の原油高騰の反動減で、原・粗油が同71・0%減と全体を押し下げた。(森健太郎)



◎丸井今井函館店の離職者向け総合相談会

 丸井今井の新会社への移行に伴う離職者を対象にした総合相談会が28日、函館市本町の本町会館で開かれた。7月末で離職を余儀なくされる函館店の従業員ら約60人が出席し、函館公共職業安定所など6機関の担当者が再就職に向けた今後の手続きなどを説明した。

 相談会は午前と午後の計3回に分けて開催。担当者が管内の雇用情勢や職種別の求人状況などを紹介し、再就職までの流れや雇用保険、年金などの手続きについて解説した。会場には6機関のブースも設けられ、職業訓練などに関する個別相談にも応じた。

 丸井今井は7月31日にも札幌本店と函館店の事業を三越・伊勢丹ホールディングスが設立済みの新会社「札幌丸井今井」と「函館丸井今井」の2社にそれぞれ譲渡する。函館店の従業員213人(7月1日現在)はいったん全員解雇され、新会社で約170人を再雇用する。

 丸井今井によると、これによる函館店の離職者は計65人に上る。内訳は正社員30人、契約社員26人、パート社員9人。新会社では正社員がこれまでの3分の1程度に削減され、正社員から契約社員などへの雇用形態の切り替えもあるという。

 化粧品などの販売員として13年間勤めてきた30代の契約社員の女性は「一人暮らしなので家賃や光熱費など目の前の生活が一番不安。今後も接客業に就きたいけど、今の状況では転職も難しそう。店には今後も頑張ってもらいたいけど…」と複雑な胸中を明かした。

 新会社への移行に伴い、函館店の営業時間は29日は午後7時半まで、30日は同6時まで。31日は休業し、8月1日からは午前10時から午後7時までと、従来より閉店時間が30分早まる。(森健太郎)


◎川田男爵愛用の「ロコモビル」が機械遺産に

 【北斗】北斗市当別4の男爵資料館が所蔵し、男爵いもの生みの親として知られる川田龍吉男爵(1856―1951)が愛用した日本最古の自家用車とされる「ロコモビル」が、日本機械学会(本部・東京)が認定する機械遺産に28日付けで選ばれた。道内からは札幌市時計台の時計装置とともに初めての認定で、同館は「多くの人の協力があってこそ。感無量です」と喜んでいる。(千葉卓陽)

 機械遺産は国内の技術や産業の発展に貢献した歴史的遺産を次世代に伝承することを目的に、2007年から毎年認定。今年は6件を認定し、計37件となった。

 ロコモビルは1901(明治34)年に米国で製造。翌年、国内初の自家用蒸気自動車として輸入され、川田男爵が購入。自宅と男爵いもの農場があった七飯との往来に使用したという。その後北斗市内の農場の倉庫に放置されていたが、80(昭和55)年に東京工業大の協力を得て復元された。

 同資料館によると、川田男爵は当時、日本に数台しか輸入されなかったロコモビルを2500円で購入したという。木村孝二館長は「現在の金額に換算すると1億円ほどと推定される。川田男爵は新しい物が好きで、いち早く乗ってみたい気持ちがあったのだろう」と話す。

 認定式は8月7日、東京で開かれる。木村館長は「認定を機に、一人でも多くの方々に見てもらいたい」と話している。

 同館の営業時間は午前9時―午後5時。入館料は大人500円。小中学生は8月31日まで100円。