2009年7月3日 (金) 掲載

◎ハマヒルガオ 潮風に揺れる

 【知内】知内町の中ノ川地区の砂浜では、ハマヒルガオが咲き誇り、淡い紅色の愛らしい花びらが潮風に揺れ、一帯にさわやかな彩りを与えている。

 北海道から沖縄まで、国内各地の海岸地帯に群生するヒルガオ科の多年草。ハマナスとともに初夏に咲く。

 知内では国道228号沿いの場所に咲き、ドライバーの目を楽しませる。木古内町の吉澤園芸店の吉澤徹店長は「海と空の青色に映えるきれいな花」と紹介する。(田中陽介)



◎衆院選めぐり姥神祭 日程にやきもき

 【江差】来月上旬の衆院選投開票が取りざたされている中で、8月9日に江差町では道内最古の歴史を誇る「姥神大神宮渡御祭」が開幕する。過疎化が進み祭礼の担い手も減る中、選挙に関係する町民や投開票に携わる町職員など多くの人手が割かれかねないだけに、祭礼関係者は神経をとがらせている。

 渡御祭は初日の9日が宵宮祭。10、11の両日には、13基の山車がにぎやかに町内を練り歩く。しかし、衆院解散をめぐる政局が混乱を続ける中で、解散・総選挙の時期は不透明なまま。麻生太郎首相が8月上旬の投開票を視野に入れながら解散時期を模索中に浮上しているのが、盆直前の8月9日投開票だ。

 渡御祭の準備は今月中旬から本格化する。小学校が夏休みに入る下旬には各地で祭りばやしの練習が始まる。山車の巡行を取り仕切る各町の役員や祭典協賛実行委員会のメンバーも多忙を極める時期だ。こうした中で衆院選本番に突入すれば「選挙運動に携わる政党関係者は全く身動きが取れない」(ある選挙関係者)。

 9日投開票の場合、祭礼の準備が佳境に入る8月上旬には、期日前投票や不在者投票もスタート。さらに投開票日には、選挙事務に当たる町職員、選挙管理委員会や投開票で立会人などを務める政党関係者など、祭礼の運営を担う多くの関係者の参加が困難になる恐れもある。ある選挙関係者は「選挙に関係する多くの顔ぶれは、祭礼の運営でも中核的な役割を務めている人が多い。祭礼を中心に1年が回っている町内では選挙どころではないという雰囲気になるのではないか」と頭を抱える。

 しかし、9日は長崎原爆記念日と重なるため、1週間早い2日や土曜日の8日を投票日とする案もある。政局の動向に選挙と祭礼それぞれの関係者が気をもんでいる。また、新型インフルエンザ流行の影響で、入り込み客の減少に頭を抱える観光関係者は「祭礼と衆院選の日程が重なれば観光客の人出に影響する。長引く景気低迷に新型インフルエンザとトリプルパンチになりかねない」と語り、選挙とインフルエンザの双方に神経をとがらせている。(松浦 純)



◎貿易センター問題で市長と副市長 20%1カ月減給…函館市議会

 函館市出資の第三セクター「函館国際貿易センター」の不正経理問題などを調査した函館市議会の特別委員会(斉藤佐知子委員長)が2日、市議会本会議で調査結果を報告した。これを受けて市は、西尾正範市長と同センター社長の谷沢広副市長の給与から、それぞれ2割を1カ月減給するなどの処分を決めて関係条例を提案。可決された。

 報告で斉藤委員長は、問題が長期化した要因として、不祥事に対する市の認識欠如などを挙げ、市に対して「筆頭株主の立場で指導、助言など積極的に関わるべき」だったと指摘。解明に向けた市の姿勢については「消極的で不信感を持たれる」とし、「委員会からの指摘を真摯(しんし)に受け止めて信頼回復、貿易振興に全力を尽くしてほしい」と述べた。

 給与は、西尾市長は行財政改革により現在2割カットしているが、8月分の給与はさらに2割を上乗せして4割減になる。谷沢副市長も同1割カットしているため、8月分給与が3割減となり、加えて懲戒処分に当たるけん責処分を受けた。

 提案説明した小柏忠久理事は「市民の姿勢に対する信頼を損なったことから、最高責任者として道義的責任を明らかにするため」と述べた。志賀谷隆氏(公明党)は、処分の軽重に対して疑義を示し「市民に理解されると思うか」などと質問。西尾市長は「厳しいご指摘をいただいた上での判断」として理解を求めた。

 また市は2日、元専務のプール金を預かったり、慰労金的な意味合いで1―3万円を受け取った港湾空港部と当時の企画部の職員3人を訓告処分、当時と現在の港湾空港部長、研修業務を所管する総務部長を口頭注意処分した。訓告と口頭注意は懲戒処分でなく、公表の対象外だが、貿易センター問題全体の中で関連する処分として市が公表した。(小泉まや)



◎著書とペリーの資料 中央図書館に寄贈…函館日米協会

 函館日米協会(野田義成会長)はこのほど、同協会の井上能孝顧問が米国のペリー提督にかかわる資料を編集し、制作した本「いま甦(よみがえ)る!ペリー提督公文書第50号~函館英学の原点~」や資料の基となったマイクロフィルムを函館市中央図書館に寄贈した。

 函館開港150周年を記念し、同図書館への寄贈を決めた。本では、箱館を訪れたペリー提督が箱館から本国のドッピン海軍あてに出した公文書第50号に関する資料を中心に解説。文書はペリーの直筆で記されている。井上さんはワシントン国立公文書館からマイクロフィルムを入手して編集作業に当たった。

 同図書館での寄贈式には野田会長と井上顧問が来館し、長谷部一弘館長に本とフィルムを手渡した。長谷部館長は「郷土資料として大切に保管し、一般市民にも閲覧できるようにしたい」と礼を述べた。同図書館では7月上旬までに図書登録し、閲覧可能にする予定。(鈴木 潤)



◎子ども、母親の交流場に…女性センター乳児対象に「託児室」開放

 函館市女性センター(東川町11、原田恵理子館長)は既存の託児室を一般の親子に開放する「なかよし広場」を月曜から土曜まで開設している。乳幼児の遊び場、母親同士の交流の場にしてもらう狙い。原田館長は「職員も子育て経験者なので困ったことがあれば気軽に声を掛けて」と話している。

 託児室は同センターで各種講座などが開かれる際、受講者の子どもを預かるほか、従来も月曜と木曜の午前9時から正午まで一般にも開放していた。部屋は54平方メートルでじゅうたんが敷かれ、滑り台などの遊具もそろう。毎月第1、3水曜の午後は「よい子を育てる集いグループ」が読み聞かせなどのボランティアを行っている。

 このためより多くの親子に利用してもらおうと一般開放時間を拡大。同センター休館日の日曜と祝日、年末年始を除く午前9時から午後5時まで利用できるようにした。原田館長は「なかよし広場が女性センターを利用するきっかけになれば。悩みを抱えた母親がいれば相談事業につなげることもできる」と期待。7月中旬からは部屋に掲示板を設け、質疑応答形式で母親からの悩みや質問に職員が答えた文書を張り出す。

 ゼロ歳児から就学前までの子どもとその保護者が対象で、利用の際は保護者の付き添いが必要。問い合わせは同センターTEL0138・23・4188。(宮木佳奈美)